虫歯を自力で治す~治せる虫歯と治せない虫歯の見分け方~

虫歯 治す
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虫歯ができてしまったら必ず歯医者さんでの治療が必要だと思っていませんか?
実は、虫歯の段階によっては自分の力で治すこと(自然治癒)ができるのです。
自然治癒と言っても放置していいわけではありません。ホームケアにひと手間加えたり、日常生活で気を付けたりすることにより、自分の力で虫歯を治すのです。

歯は、削って詰め物をすると、その詰め物と歯の隙間から虫歯が再発するリスクが高まります。
なるべく早期に発見し、削らずに自分の力で治すことができたら、歯の寿命はグーンと延びます。
しかし、残念ながら進行してしまった虫歯は歯医者さんで治療をするしかありません。進行してしまった虫歯を放置すれば、取り返しのつかないことにもなりかねません。

では、自分の力で治すことができる虫歯とはどのような状態なのでしょうか?
また、治療が必要な虫歯とはどのような状態で、歯医者さんではどのような処置をするのでしょうか?

 

1. 虫歯を自力で治すための3つのポイント 

歯は食事をするたびに歯が溶ける脱灰(だっかい)唾液がもとの状態に戻そうとする再石灰化(さいせっかいか)を繰り返しています。このバランスが崩れると虫歯が進行してしまいます。虫歯を自分の力で治すには、出来るだけ歯が溶けるのを抑え、もとの状態に戻す力を促進させる事が大切です。

~虫歯を自力で治すための3つのポイント~

  1. 1.自分で治せる虫歯を見極める
  2. 2.自宅で行うお手入れ方法・ケア用品
  3. 3.虫歯を治しやすい食生活にする

フッ素の働き再石灰化

ライオンクリニカHPより 詳しくはこちらから

1-1. 自分で治せる虫歯を見極める

「C」は虫歯(caries)の略で数字が進行度を表します。

下の表は虫歯の段階を示したものです。

むし歯進行

1-1-1. 治せる虫歯の状態とは・・・

CO(シーオー)がごく初期の虫歯で、要観察歯と称されます。

歯の表面のエナメル質が溶け始めて白く濁る、歯の溝の部分に褐色、黒色の着色や白濁がみられる。

この状態は自分の力で治すことができます。

歯医者さんでの治療が必要になる境目はCOとC1です。C1はエナメル質が溶けて黒い小さな穴があきます。一般的にC1以降は治療対象とされますが、場合によってはC1でも、虫歯を削らずに経過をみることもあります。小さな虫歯を削ることで、健康な部分にもダメージを与えてしまう場合があるからです。鏡でチェックした時に、溝の部分に黒いものがあっても、それは虫歯ではなく着色汚れの場合もあります。気になるところが見つかったらまず歯医者さんで診てもらいましょう。

1-1-2. 早期発見が大切

COもC1も歯の表面のエナメル質に限局した虫歯です。エナメル質には痛みを感じる痛覚がありませんので、この段階では痛みなどの自覚症状がありません。よって、初期虫歯を早期に発見するには、普段からのセルフチェック及び、定期的な歯科検診が大切です。先にもお話しましたが、進行してしまった虫歯は治療をするしかありません。

体の健康診断同様に、歯も定期的に検診を受け、初期虫歯を早期に発見し、自分で治せる虫歯の進行を防ぎましょう。

1-1-3. 自分で虫歯を治すための絶対条件!!

それは虫歯の原因となるプラーク(歯の汚れ)の除去、つまり正しい歯磨きです。

原因を取り除かなくして自然治癒はありえません。

まずはご自身の毎日の歯磨を見直してみて下さい。

このあとにホームケアに取り入れていただきたいもの等ご案内していきますが、どれも歯磨きで虫歯の原因を取り除いてからこそ効果を発揮します。

~プロフェッショナルケアをとりいれましょう~

実は、どんなに毎日歯を磨いても完全に汚れを取り除くことは歯の専門家である歯医者さんでも難しいのです。

健康な歯を保つためにはセルフケアと専門家によるプロフェッショナルケアが必要不可欠です。

プロフェッショナルケアとは歯科医院で行う歯石除去(クリーニング)です。お口の中の状態により個人差はありますが、3~6カ月毎に定期検診もかねて専門的なクリーニングを受けることをお勧めします。

歯医者さんは虫歯や悪いところを治すためだけではなく、悪くなる前の予防、指導を行うところでもあります。

正しく歯磨きが行えているか、検診もかねて相談してみて下さい。

あなたに合ったお手入れ方法を紹介してもらえますよ。

1-2. 自宅で行うお手入れ方法・ケア用品

初期虫歯を発見してからは勿論のこと、普段から行っていただきたいお手入れ方法とケア用品を紹介します。

1-2-1. まずは歯ブラシ選びから

歯ブラシは、ドラッグストアなどでも様々な種類が取り扱われていますが、奥歯や細かいところも操作しやすいように、ヘッドと呼ばれるブラシ部分があまり大きくないものを選びましょう。

毎日使用するものですから、色々試して、ご自身に合ったものを探してみるのが良いですね。

歯ブラシの交換目安は、約1カ月。磨く強さや使用頻度にもよりますが、ブラシ部分が開いてきたら交換時期です。そのまま使用すると、ブラシがきちんと歯に当たらずに汚れが取れないばかりか、歯肉を痛める原因にもなりかねないのでご注意下さい。 

お勧めは「オーラルケア タフト24」。

  • 歯や歯肉を傷つけずに磨けるように毛先が違う
  • プラークがしっかり落とせる耐久性とコシがあるPBT毛材
  • シンプルで操作しやすいハンドルと、ムダのないコンパクトなヘッド

     

 

価格は110円~130円とお手頃。これなら気兼ねなく交換できます。

詳しくはこちらから

1-2-2. フッ素塗布で歯を強くする 

フッ素を塗布することにより歯の表面のエナメル質の成分と結びつき、歯を強くし、脱灰をしにくくします。

また、虫歯菌の活動も抑えるため新たな虫歯を作らないための予防にもなります。

フッ素配合量の違いや色々なフレーバーがあり、6歳未満の小さなお子様から成人の方まで使用できます。

歯科医院だけでなく、ドラッグストアなどでも取り扱われています。

        

詳しくはこちらから

ご紹介したのは毎日使用できるホームケアとしてのフッ素剤ですが、歯科医院では治療(予防)として高濃度のフッ素を塗布します。歯科医院でのフッ素塗布はお口の中の状態に応じて、3カ月から6カ月毎の処置です。定期検診の時に相談してみて下さい。

1-2-3. デンタルフロスの使用ですみずみの汚れをとる

歯ブラシでのブラッシングだけでは取り切れない汚れ(プラーク)をデンタルフロスで取り除きましょう。

プラークを徹底的に取り除き、お口の中を、歯が溶けやすい酸性から再石灰化を促進させるアルカリ性に保つようにしましょう。

お勧めはワックスタイプ。ワックスコーティングにより歯と歯の間に挿入がしやすく、表面が滑らかなので歯肉なども傷つきにくいです。また切れたりほつれたりしにくいので初心者でも使いやすいです。

下記HPに使用方法が詳しく載っていますので、参考にしてください。

http://reach.jp/floss/

 

1-2-4. キシリトールガムで唾液の分泌を促し再石灰化促進

キシリトールは虫歯菌の増殖を防ぎ、虫歯の進行を抑える効果があります。キシリトールガムを食後に噛むことで、キシリトールの効果に加え、唾液の分泌が促され、再石灰化を促進します。

市販品を含め色々ありますが、シュガーレスであることは絶対で、甘味料としてキシリトールを100%使用しているものがお勧めです。購入前に成分表示を確認してください。歯科医院専用のキシリトールガムは100%キシリトールを使用しています。

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1-2-5. 再石灰化を促進して歯質を強化する

歯の構成成分のカルシウムとリンのミネラルが豊富に含まれている薬用ペーストです。

再石灰化を促進させて歯を強化する働きがあります。

特に大人の歯が生えてきた6歳以上のお子さんにおすすめです。

再石灰化促進以外にもホワイトニング中のしみる症状の緩和や、エナメル質のツヤを出す効果、その他唾液の分泌も助けてくれるので、口の中が乾燥するドライマウスの方にもおすすめです。

詳しくはこちらから

《使用方法》

① まず手持ちの歯磨剤で歯を磨きます。
② MIペーストを歯ブラシに約1cmを出し、全体に塗布します。指や綿棒でもかまいません。
③ 塗布後、3分間は唾液も吐き出さずにそのまま我慢、我慢。口腔内にとどめておく時間が長いほど効果が高まります。
④ 3分経ったら唾液を軽く吐き出します。30分間飲食はさけてください。お口の中にたまってくる唾液は吐き出して結構です。
⑤ 30分経過後に少量の水でうがいをしたら完了です。

基本は毎食の歯磨き後と就寝前の使用が理想ですが、1日に何度も行うのが難しければ、唾液量が減ることにより最も虫歯リスクが高まる就寝中をしっかりカバーするよう、就寝前の使用が効果的です。

 

 1-3. 虫歯を治しやすい食生活にする

初めにお伝えしたとおり、口の中は食事のたびに歯が溶ける脱灰(だっかい)が起こります。

一日の食事回数が多かったり、長時間だらだらと食べたり飲んだりすれば、その間歯は溶け続けます。自力で虫歯を治すためには、毎日の食事も3食きちんと時間を決めて摂取する必要があります。間食も控えたほうが良いですね。

1-3-1. 積極的にとりいれたい食材

食事はやわらかいものばかりではなく、しっかり噛むことを心がけ、ミネラル成分が多い食材をとりいれることで、

汚れが付きにくいうえに歯を強化して、虫歯を自分の力で治す手助けをしてくれます。

ミネラル豊富な食材の例としては、納豆・うるめいわし・カットわかめ・ほうれん草・ひじき・切干大根・ピーナッツなどがあります。自分で簡単に取り入れられるものからはじめてみましょう。

1-3-2. 酸性食品をさける

食事のたびに歯が溶ける脱灰を、更に促してしまう食品もあります。

それは、お口の中を酸性に傾けてしまう「酸性食品」と言われるものです。

例をあげてみますと、柑橘類などのフルーツ、ワイン、果汁、炭酸飲料、酢、スポーツドリンクなどがそれにあたります。もしこの中に、好んで食しているものがあるならば、ストレスにならない程度に、量や頻度を抑えるのが望ましいですね。

2. 治療が必要な虫歯とは?

残念ながら、進行してしまった虫歯は歯医者さんで治療をする必要があります。

自覚症状がでてからも放置すれば、どんどん進行し、最悪の場合は歯を失うことにもなりかねません。

むし歯進行

虫歯の見極めでお話しましたが、C1以降が治療を必要とされる状態です。

2-1. 虫歯の進行段階とその症状

  • C1:エナメル質が溶けて黒い小さな穴があく。痛みなどの症状なし。
  • C2.:エナメル質の下にある象牙質まで進行。冷たいものや甘いものがしみる。
  • C3:歯の神経(歯髄)まで虫歯が進行。ズキズキとした強い痛みがある。
  • C4:歯の上部(歯冠)が溶けて無くなり、ほとんど根っこだけの状態。神経が死んでしまうため痛みがなくなる。

2-2. 虫歯の進行段階に応じた治療方法

  • C1:虫歯部分を削って取り除き、歯科用レジン(プラスチック)を詰めて治療します。エナメル質部分のみの虫歯なので、処置の痛みもあ まりないですが、必要に応じて麻酔をして処置を行います。
  • C2:C1同様に虫歯部分を削って取り除き、歯科用レジンを詰める場合と、虫歯の大きさによっては、型どりをして詰め物(インレー)をします。
  • C3:神経まで虫歯が進行しているため、神経を取り除き、神経が入っていた根っこ(根管)内をきれいに消毒し、薬剤を詰める根管治療を行います。その後、被せもの(クラウン)をします。
  • C4:多くの場合は歯を抜くことになります。その後、無くなってしまった部分を補うために、インプラントや義歯などで機能回復を図ります。

3. まとめ

虫歯を自力で治すためには毎日の正しい歯磨きと虫歯の早期発見が大切です。繰り返しますが、進行してしまった虫歯は自分で治すことができません。気になるところがあったら早めに歯医者さんを受診して診断を仰ぎましょう。

歯医者さんは痛くなってから行くのではなく、普段から定期的に検診を受けるよう心がけましょう。それによって、自分のお手入れ方法が正しく行われているかチェックすることができますし、取り入れた方が良いホームケア等のアドバイスもしてもらえます。また、ご自宅でのセルフケアにプラスして歯医者さんでの専門的なクリーニングも取り入れましょう。

毎日どんなに丁寧に歯磨きをしても、完璧に汚れを取り去るのは困難です。あなたのお口の中を管理してくれるかかりつけ歯科医院を見付けて、いつまでも健康で美しい歯を保ってくださいね。

 

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