気が付いたら虫歯だらけで、今更どうしたらよいのか分からない
治したいけど勇気がない
歯医者に怒られたくない
などと悩んでいるかたはいらっしゃいませんか?
今回は、「行かなくては、だけどイヤだ…」という人が「歯医者に通おうか…」と思ってくれたらなぁ、という気持ちで書かせてもらいました
目次
1.虫歯だらけの人に伝えたいこと
1-1.治療は長引く可能性があります
虫歯の数や重症度にもよりますが、虫歯が多ければ治療は長引きます。あと、来院できる頻度も大きく関係します。治すには何回も歯医者に行かなくてはならないことをご了承ください
筆者の経験では、
すべての奥歯に小~中サイズの虫歯がある、
月に2~4回通う学生や仕事人で、
保険診療のみのばあいだと、
半年~1年かかりました。
根っこの治療が多い人が特に長引いてしまいます
しかし、時間に融通が利く人で週に2~3回来れるかたは、半年もかからず短期間で治療が終わっていました
1-2.治療費がかかる可能性があります
虫歯が多ければ、それだけ治療費がかかります。また、金属を使用した治療法が増えれば(クラウン・ブリッジ・義歯)金属の材料分だけ高くなります
※治療費についてはこちらの記事を参考にしてください
1-3.治療には痛みが伴うことがあります
「昔に比べて、歯医者も痛くない治療になってきた」
と言われているのを聞きますが、実際はどうでしょうか?
臨床に携わっていて筆者が思うのは、痛みがまったくない治療をすることはかなり難しいということです
たとえば、
下の奥歯は麻酔がききにくことがあります。
また、長い間ほうっておいた歯を抜くときは、歯と骨がくっついていたり炎症した歯ぐきがあるせいで、抜歯の最中と術後に痛みがでることがあります。
すべての歯医者はなるべく痛みがでないように努力はしますが、神経の治療や抜歯の時に“完全に無痛”にすることは、申し訳ありませんがお約束できません
※麻酔の種類や方法についての説明は「こちらの記事」に書いてあります
もし、手間がかかってもいいから痛みを減らしたい!ということでしたら、手間はかかりますが特別な治療法がありますので、下の1-6を参考にしてください
1-4.治療が嫌になってくるのは、みんな同じです
病院に通い続けるのはかなりのエネルギーを要します。ストレスを感じても仕方がありません。また、仕事や家庭が忙しくなってしまい、通院が負担になることだってありますよね
そういうときは、無理をせず、治療をお休みしたいことを歯医者に言って、次のアポを先にしてもらいましょう
プライベートが大変で治療がつらい、いやだ、行きたくないと思うのは当たり前です。しかし、治療を中断すると確実にお口の中の状態が悪くなるので、中断はおすすめしません
生活や気持ちが落ち着いたら、治療を再開してゆっくり虫歯を治していけば良いのです。そのお手伝いを私たちはさせていただきたいと思っています
1-5.歯医者は虫歯を見慣れています
巷でよく聞く
「医者に怒られたくない」
「恥ずかしくて行けない」
という問題…
実際のところ、虫歯だらけの患者さんが来院したらどういう反応になるかというと、
別段、何も思わないし、怒ることもしない
ですね。。。
毎日、虫歯の治療や歯周病の治療をしていて見慣れているってのもあるのですが、初診で虫歯が多い人が来ても「日常の風景」でしかありません。患者さんが思っているより歯医者は何も思っていなかったりします
それよりも、
無断キャンセルを繰り返されたり
遅刻してもまったく悪びれず、治療時間が少ないと怒ったり
保険治療の料金が高いと受付でごねられたり
初診(新患)で保険証を忘れたけど保険で見ろ
とか言う人のほうが、まぁ…、色々思うところあります……
虫歯があって、それを治したいと思っている人に対して、ひどく悪い感情を持つ人はいないので、そこは安心してくださいね
1-6.痛みを最大限なくしたいのなら、鎮静法でおこなう
過去に歯科治療で痛い思いをしたり、怖い思いをした経験があり、そのために歯医者に行けなくなってしまうことがあります。これは歯科恐怖症と言い、珍しい事ではありません
もし、本人が「歯医者が怖いけど、行かなきゃいけないことは分かってる…」ということでしたら、寝ているあいだに終わる治療で治すのはいかがでしょうか?
寝ているあいだに終わる治療とは、笑気といったガスを吸ったり、心を落ち着かせる薬を点滴しながらおこなう治療のことです。鎮静法と言い、インプラントのオペのときにも使う方法です
虫歯の治療でも鎮静法は使用することができます。しかし一般開業医ではおこなっていない事がほとんどなので、興味のあるかたは、医院に「虫歯治療で鎮静法をやってるか」聞いたり、大学病院などの麻酔科に通院するようにしましょう
※精神鎮静法については、この記事の補足部分に書いてあります
「全身麻酔の抜歯って実は安全!?全身麻酔の真実」
2.歯医者の選びかた
コンビニなみにある歯医者…
これから歯を治す!と思っても、どこを選んだらよいのか悩みますよね
これから、たくさん虫歯がある人が知っておくべき歯医者の選別ポイントを説明します
2-1.相性の良い歯科医院にする
歯科医師も人間なので、色々な人がいます。だから、自分のキャラにあっている人が良いでしょう。
明るいタイプ
無口なタイプ
真面目なタイプ
美男美女なタイプ
話し方が好きなタイプ
叱るところはちゃんと叱る人情タイプ
なんじゃそりゃ、とお思いかと思いますが、これって結構重要です
治療はおそらく長期にわたるので「人間的に合わないなぁ」と思っている歯科医師に診てもらうことになるのは、つらいですよ…
初診で担当医と話すことになると思いますが、そこで「この人ムリ!生理的にムリ!」などとなったら、他の先生にかえてもらったり、他の医院にかえても良いと思います
2-2.治療計画などの説明をしてくれる医院にする
虫歯が多い患者さんを治療するときは、治療の段取りを決めないといけません。この段取りを「治療計画」と言います。治療計画を立てないと、いきあたりばったりの治療になってしまい、良くないです
だから、
時間をとって治療計画(どこに異常があって、どうやって治す予定なのか、最終的なお口の中はこうなる)を説明してくれたり、
患者さんが「どう治すのか?」と聞いたときにさっと答えられる(頭の中で治療計画ができている)歯科医師が良いでしょう
2-3.質問をしやすい雰囲気の医院にする
歯科治療は専門的なので、説明をされても理解しにくかったり、また、治療が進んでいくと治療方針が変わったりして、患者さんは色々な疑問を抱えることがあります。
そのときに、担当医に気兼ねなく聞けたり、担当医に聞きにくかったら気軽にスタッフに聞けたりできる雰囲気の医院が良いですね
質問しようとすると、あからさまに迷惑そうにしたり、見るからに不機嫌になる歯科医師は良くないでしょう
3.患者さんが歯医者に伝えたほうが良い3つのこと
治療が本格的に始まる前に、歯医者に言っておいたほうが双方にとって良いことがあります。代表的な3つを説明します
3-1.保険と自費のどちらにするか
歯科医療には保険診療と自費診療があります
保険診療は、国に決められた範囲の治療で、保険適応(高くても3割負担)の金額になります
自費診療は、保険診療の枠を超えた良い材料や最先端の治療で、費用は保険適応外(10割負担)になり高くなります
治療計画をたてる前に、
保険のみで治してほしいのか、
自費について少し興味あるから話だけ聞きたいのか、
自費で治すつもりなのか、
伝えましょう
3-2.お金のことについて
治すと決めたから、保険内の歯科治療費は用意する!ドンと来い!
という人なら良いのですが、人には事情があるので、全員が全員そういうわけではありませんよね。引っ越しや転職、急な病気などでお金が制限されることがあります
「お金の話はしにくい…」と思うかたがいらっしゃるかと思いますが、実際は違います
具体的なことを伝えてくれたほうが治療計画を立てやすくなるので、気にせずお伝えください
- 全部治したい!だけど保険内で総額5万以内しか出せない
- 1か月の治療費は1万円以内にしてほしい
- お金に自由がきくのが2か月後だから、本格的な治療は2カ月後にしてほしい。今日は検査や応急処置してほしい
- 歯科にお金をさけないから、本当に悪いところだけ治してくれれば良い、痛いとこだけやってほしい
など、期間や値段などをずばり伝えてしまいましょう。
3-3.いつまでに治したいかについて
人によっては、いつまでに治したい、といった時間の制限がある人がいます。
- 9月に留学するからそれまでに全部治したい
- 3か月後の娘の結婚式までに、前歯だけでもきれいにしたい
- 夏休みしか日本にいないので、帰国するまでに治してほしい
- 1週間後に海外旅行に行くので、この激痛だけでもどうにかしてほしい
具体的な日数が分かっていたら、それを初診のときに伝えましょう。
しかし繁忙期で予約がいっぱいで、あまりにも短い治療期間しかないときは、患者さんが望むすべての治療することはできません。時間の制限がある人は、早めに歯医者に行って手を打つようにしましょう。
4.まとめ
いかがでしたか?
歯医者は行くのに勇気がいる人もいるかと思いますが、怖がることはありません
まずは近場で良いのでのぞいてみたりしてみてくださいね