もしかして虫歯?歯にできた白い斑点の正体と治し方

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ふと鏡を見ると、あれ?こんなところに白い斑点が…。前からあったかな?
痛くもなんともないから放っておいたけどなんだか不安。口をあけたとき目立っている気がしてうまく笑えない…。

そんな不安な気持ちをお持ちのあなた。
実はその白い斑点、虫歯予備軍の可能性があります。

でも安心してください。その白い斑点は治すことができます。
ここでは、白い斑点の正体とその治し方についてご紹介しています。ぜひ参考にしてくださいね。

1.「ホワイトスポット」といわれる歯の白い斑点

歯の表面部分に点々もしくはまだらにできた白いシミを「ホワイトスポット(白斑)」といいます。

ホワイトスポットの口腔内写真
画像:歯科求人でんたろう

このホワイトスポットができる原因は大きくわけて2つあります。それぞれ有効な対処法があり治すことが可能です。まずは、主な原因2つについてご紹介します。

1-1 初期段階の虫歯になっている

虫歯というと黒や茶色の見た目を想像されるかもしれません。実はそれは進行がすすんでしまった虫歯の状態です。ごく初期の虫歯は白く濁った色をしていることがあるのです。

お口の中では常に「脱灰(だっかい)」と「再石灰化(さいせっかいか)」がおこなわれています。脱灰とは、中性にあるはずのお口の中が食事などで酸性の状態に傾いたことで、歯の表面にある「エナメル質」といわれる部分が溶かされてしまうことをいいます。壊れてしまったエナメル質は唾液にふくまれる成分によって修復され、虫歯菌が歯に穴をあけるのを防ぎます。この自己修復メカニズムを再石灰化といいます。

この脱灰と再石灰化のバランスが何らかの理由でくずれてしまったときに、初期虫歯であるホワイトスポットが生まれてしまうのです。

1-2 幼少期の栄養不足やフッ素過剰摂取によるもの

歯が生え始めてエナメル質が完全に形成されるまでの5か月~8歳の間に以下の理由からエナメル質がじゅうぶんに育たなかったことで、ホワイトスポットができてしまうことがあります。これを「エナメル質石灰化不全症」といいます。

・栄養障害
・ビタミン不足
・ホルモン異常
・発熱
・外傷
・フッ素の過剰摂取(フッ素濃度の高い水道水もしくは歯磨き粉を飲んだ)

また両親のどちらかがエナメル質石灰化不全症だった場合、子どもに遺伝することがあります。

2.初期虫歯によるホワイトスポットは治せます

ホワイトスポットの原因が初期虫歯によるものだった場合、実は歯の自然治癒力を促進させることで治すことができるのです。これは主に自宅でのセルフケアが中心になります。ただし、初期虫歯によるホワイトスポットであっても再石灰化による自然治癒だけでは治らないケースがあります。それは、初期虫歯がエナメル質だけにとどまらず、その奥の象牙質といわれる部分まで達している場合です。このようにして進行が進んでしまった場合は、残念ながら歯医者さんで虫歯治療を行うしかありません。

また、幼少期のことが原因でできてしまったホワイトスポットも再石灰化による自然治癒では効果を発揮しません。治したい場合は歯医者さんでの治療が必要になります。

2-2 歯医者さんで虫歯の進行度チェック

自然治癒で治せる段階かどうかは素人の目だけでは判断できません。歯医者さんでは問診・レントゲン検査に加えて、ダイアグノデントといわれる機器を歯に当てレーザーを出すことで、虫歯の進行度を測ることができます。  

虫歯が進行してしまっている場合はホワイトスポットのところだけを削って白く詰めなおす(CR治療)等の治療を行って治します。
※CR治療…コンポジットレジン(CR)といわれる白いプラスチックを用いて、虫歯を削った部分を白く詰めなおす治療法。

2-3 進行予防・審美的に気になる場合は治療を

虫歯が進行していた場合はCR治療等で治していきます。一方、ホワイトスポットができたとしても虫歯が進行していない場合は放っておいても問題ありません。ただし、だからといって毎日の歯磨きを適当に済ませてしまっていると知らず知らずのうちに虫歯が進行していることもあります。また、前歯などの目立つ場所にホワイトスポットができてしまった場合、見た目が気になるということもあるでしょう。その場合は、再石灰化の力を使った自然治癒で治していくか、歯医者さんで白く詰めなおしたりする治療をするかのどちらかを選ぶ必要があります。これらの方法について次章からくわしくご説明していきます。

3.ホワイトスポットの治し方

それではホワイトスポットの治し方についてご紹介します。まずは歯の自然治癒力を活用したホワイトスポットの治し方です。進行していない状態のホワイトスポットに有効な治し方です。

3-1 自然治癒力で初期虫歯(ホワイトスポット)を治す

初期虫歯によるホワイトスポットを治すためのポイントは、お口の中の自己修復メカニズムである再石灰化を、より促進させることにあります。そのためには、唾液の分泌量を増やすこと・再石灰化を促進させる成分の入った歯科製品を歯に塗布する習慣をつくることが大切です。

①    よく噛んで唾液を増やす
食事の際には食べ物をよく噛むようにしましょう。噛む動作が唾液腺といわれる唾液の分泌を管理する部分を刺激し、唾液を出しやすくします。また、食後にキシリトールガムを噛むようにするとよいでしょう。噛む動きをつくりだすだけでなく、キシリトール自体に虫歯菌の活動を抑制する力があります。

くわしくは、『知っていますか?唾液が虫歯予防にパワーを発揮する理由』をご覧ください。

②    フッ素を塗る
フッ素ジェルやフッ素入り歯磨き粉を日常的に使うことで、歯の再石灰化促進・虫歯菌の活動の抑制・歯質強化をおこなうことができます。くわしくは、『フッ素で予防!虫歯菌に負けない歯をつくる方法』をご覧ください。

ジェルコートFの商品画像
画像:公式HP amazon購入ページ

③    MIペーストを使う
MIペーストとは普通の歯磨き粉を使ったブラッシングのあとに歯に塗布するペースト剤の製品です。ミネラル成分が豊富に入っており、再石灰化を促進する力をもっているためホワイトスポット治療に有効です。

※こちらの製品は牛乳由来成分のCPP-ACP が含まれているため牛乳アレルギーの方は使用しないでください。

MIペースト
画像:公式HP amazon購入ページ

その他には、デンタルフロスなどの補助清掃用具を使って歯の間などに入りこんだ汚れを取りのぞくことが重要です。食べカスなどの汚れが残っていると再石灰化がじゅうぶんな機能を発揮することができなくなります。くわしくは、『虫歯の自然治癒~再石灰化を上手に使って虫歯を予防する方法』をご覧ください。

3-2 歯科治療でホワイトスポットを治す

歯医者さんでおこなうホワイトスポットを治す方法です。幼少期の栄養不足等でホワイトスポットができてしまった方、虫歯は進行していないが審美的に気になるので自然治癒を待たずに治したい方に適した方法です。早ければ1回の治療で終わるというメリットがありますが、少なからず歯を削る治療法でもあるためよく考えてから治療を受けることをおすすめします。また、治療法によっては、かかりつけの歯医者さんでは取り扱っていない場合もあります。費用等もふくめ、あらかじめ確認しておきましょう。

①    一般的な歯科治療で使われるコンポジットレジン
ホワイトスポットの部分だけを削り、そこにもとの歯の色にあわせたレジン(プラスチック)をつめて治す方法です。進行してしまった虫歯治療にも使用される治療法です。削る範囲が少なくて済む・範囲によっては1回の治療で終えることが可能・比較的修理が簡単というメリットがあります。一方で、レジンは経年劣化するため定期的なメンテナンスが必要になります。また、ごく小範囲とはいえ自分の歯を削ることになります。

②    歯を削らないオフィスホワイトニング
歯の表面に漂白ジェルを塗布し強力なLEDライトを当てることで歯を白くする方法です。歯を一切削らずに白くすることができます。初期虫歯によるホワイトスポットの治療にはおこなうことができません。白くなるまで数回歯医者さんに通う必要があることがデメリットです。また、知覚過敏など歯のしみやすい人には向かない治療法です。

③    治療回数が少なくすむラミネートベニヤ
歯の表面を一層薄く削り、セラミックのかぶせ物を貼りつける方法です。施術に回数がかからない・ホワイトニングをするよりも歯を白くできるというメリットがあります。一方で、削る範囲がコンポジットレジンより広くなること・噛みあわせが悪かったり歯ぎしりのクセがあると割れたり欠けたりするデメリットがあります。

ラミネートベニヤ

④    軽度のケースに最適なエナメルマイクロアブレージョン
リン酸と塩酸の入った薬剤で研磨することでホワイトスポットをなくす方法です。軽度のホワイトスポットに最適な治療法です。削る範囲も少なくてすみます。一方で、エナメル質深くまで入ってしまったホワイトスポットには効果を発揮しません。また、一般的な歯医者さんには普及しておらず、一部の審美歯科医院でしか取り扱っていない治療法です。

⑤    エナメル質の修復もするアイコン
特殊な液体樹脂をホワイトスポット部分に浸透させ、エナメル質からミネラルが溶けだすのを防ぐ方法です。歯をまったく削らずに治療することができます。また、エナメル質を補修する作用ももっています。一方で、エナメル質石灰化不全症には効果を発揮しません。こちらも取り扱っている歯医者さんは少ない治療法です。

⑥    大切な日のためにホワイトコート
歯の表面にプラスチック素材のコーティング剤を塗って白く見せる方法です。「歯のマニキュア」ともいいます。結婚式などの大切な予定があってこの日だけは絶対白くしたい!などの要望のある方にオススメです。しかし、歯の表面に塗りこむことで天然歯の透明感が消えてしまうため、厚ぼったい人工的な見た目になる可能性があります。また、もって数日~2週間ほどであるため一時的なその場しのぎになってしまう治療法です。強く噛んだりするとはがれてしまうリスクもあります。

4.ホワイトスポットを新たにつくらないために

一度ホワイトスポットを治しても、脱灰と再石灰化のバランスがくずれることでまたホワイトスポットのできるリスクがあがってしまいます。日常生活で気をつけるべきこととはなんなのでしょうか。

4-1 間食・ダラダラ食べをしない

食事をすることでお口の中が酸性になってしまうことが脱灰の原因だと最初にご紹介しました。大切なのは食後のお口の中の状態を長引かせないことです。頻繁にお菓子をつまむ間食・ダラダラ食べは、お口の中が常に食べ物の残っている状態になり、虫歯菌にとって活動しやすい環境になってしまいます。食事にはメリハリをつけ、食後は必ず歯磨きをすることを徹底しましょう。

4-2 歯磨きは「やさしく丁寧に」を心がけて

毎食後の歯磨きを徹底しているのになぜかホワイトスポットができてしまった…。そんな方はもしかしたら「磨きすぎ」が原因かもしれません。歯磨きの際に歯にかける力が強すぎるとエナメル質が傷ついてしまい、かえって歯を弱らせてしまいます。歯磨きは1本1本時間をかけてゆっくりと磨きます。「ゴシゴシ」と音が鳴るような磨き方は力強すぎるため注意しましょう。くわしくは、『その磨き方で大丈夫?正しい虫歯の歯磨き方法教えましょう』をご覧ください。

5.まとめ

ホワイトスポットには初期虫歯によるものと幼少期の栄養不足等が原因でできてしまったものがあります。有効な治療法を選ぶことも大切ですが、新たなホワイトスポットを作らないこともとても大切です。日々の食生活や歯磨きに気を配って健康な歯を維持するようにしましょう。

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