血糖値が高い人に知っていただきたい!!歯周病と糖尿病は仲間の病気です

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糖尿病で通院していて主治医から歯医者の受診を勧められた。または歯医者で最近受けた血液検査の結果を持ってきてくださいと担当医から言われたあなた。その場では返事をしたものの、頭の中が?マークになっていませんか?

糖尿病の治療に口の中が関係しているの?

歯周病の治療で血液検査の結果が何で必要なの?

そんなあなたにぜひ知っていただきたい!!

「歯周病」と「糖尿病」は別の病気ではありません。お互いの足を引っ張って良くない方向へと引き込む、悪いお友達みたいな関係です。逆を言えば片方が更生されればもう片方も良い方向へと導かれる関係でもあります。ここでは歯周病と糖尿病の相互関係について、またそれぞれを治療することでどんな変化があるのかについてお話していきます。

 

1.「歯周病」と「糖尿病」の悪友関係

歯周病は歯周病菌という細菌による感染症です。歯周病菌は口腔内だけにとどまらず、血液を通して体全体をめぐります。そこで様々な臓器・器官に悪影響を及ぼします。歯周病とかかわりの深い病気のひとつに「糖尿病」があります。

 

1-1 「歯周病」→「糖尿病」の関係

歯周病にかかると歯肉に腫れや痛みの症状がでます。これは細菌やウイルスに感染したときに起こる炎症の兆候です。歯周病菌により歯周組織で炎症が起こると、サイトカインと呼ばれる悪いたんぱく質が生産されます。歯周病菌やサイトカインは血管に入り込み全身を巡っていきます。サイトカインは血糖値を下げる唯一のホルモンであるインシュリンの働きを低下させてしまい、それによって血液から細胞内に糖がうまく取り込まれずに高血糖の状態になります。体はそれを改善しようとしてよりたくさんのインシュリンを作り出そうとします。その状態が続くとインシュリンを作る働きをする膵臓のβ細胞がくたびれ果て、末期の糖尿病へと進行していきます。

1-2 「糖尿病」→「歯周病」の関係

糖尿病で高血糖の状態がつづくと細菌と戦う白血球の働きが低下して感染症を起こしやすくなります。先にもお話ししたとおり歯周病は歯周病菌による感染症です。

糖尿病の症状として喉の渇きや頻尿があげられますが、高血糖の状態が続くと尿が大量に出て体内の水分量が減り、それに伴い唾液の分泌量が減少します。唾液には口腔内の細菌を洗い流す自浄作用がありますが、その働きが唾液量の減少で低下するため細菌が繁殖しやすく、歯周病菌に感染しやすい状態となります。

“悪友には「肥満」もいます(-_-;)”

「歯周病」「糖尿病」には「肥満」という病気も仲間としてつるんできます。糖尿病の人は糖質の過剰摂取が考えられます。また細胞内に取り込めない糖は脂肪として蓄積されていきます。それにより体格指数を表すBMI値(※)も高くなります。生活習慣が歯周病に与える影響として、喫煙・年齢・歯磨きの回数などがありますが、それ以上に肥満度との関連性が高いことが確認されています。「肥満」=(イコール)日々の食生活を管理することを放棄している状態ということになり、それは歯周病にとって最も重要な毎日のセルフケアによるプラークコントロールも難しい、とつながってきます。

(※)BMI:体重(kg)/(身長(m)×身長(m)で計算され、18.5未満を「痩せ」、25以上を「肥満」とする 

糖尿病の人は歯周病になりやすく重篤化しやすい

糖尿病の人はそうでない人に比べて2倍強の頻度で歯周病が起きやすくなるとの報告があります。歯周病にかかる範囲や歯周病の進行を表す歯周ポケット(歯と歯肉の間の溝)の数値も、糖尿病にかかっている人の方が高いことが分かっています。糖尿病の高血糖状態は血管壁を弱くし、歯周組織の構成成分であるコラーゲンの代謝異常や修復機能を低下させることから歯周病の進行が早く重篤化しやすくなります。

 

2.「歯周病」「糖尿病」それぞれの治療によりお互いが改善し合う

 

悪友である「歯周病」と「糖尿病」は、片方が改善されることにより、もう片方も良い方向へと変化していく良好な関係に変えることも出来ます。

厚生労働省 e-ヘルスネット

2-1「歯周病」治療で血糖コントロールが改善

歯周病の治療を行うことにより、歯肉の炎症が抑えられ、インスリンの働きを阻害するサイトカインの生産が減少します。それによりインシュリンがきちんと働き、細胞内への糖の取り込みが増えていきます。歯周病治療をすることで糖尿病の血糖コントロール状態を表すHbA1c(ヘモグロビン・エイワンシー)の数値が改善されることが分かっています。

アステラス製薬

 

歯周病にはセルフケアとプロフェッショナルケア

 

お口の中を健康に保つためには、毎日のセルフケアと歯科医師や歯科衛生士によるプロフェッショナルケアが大切です。

食事をしたら歯を磨く、これは基本です。しかしながら毎日きちんと歯を磨いていてもセルフケアで完全にプラークを取り除くのは困難です。そこで定期的に歯医者を受診してのプロフェッショナルケアが合わせて必要となります。プロフェッショナルケアではセルフケアでは難しい清掃不能部位を中心にクリーニングを行います。また、セルフケアのチェックをしてもらい、お口の中の状態に合わせたブラッシング方法の指導をうけることができます。歯周病に有効な歯磨剤や状態に合わせた歯ブラシや補助的清掃用具の紹介もしてもらうことで更にセルフケアの質があがります。

 

2-2 食生活を見直して血糖をコントロール

 

糖尿病も歯周病も生活習慣病です。どちらも医者任せでは改善されません。生活習慣から起こる病気ですからご自身の行動で確実に変化がみえてきます。指導された食事内容をきちんと守り、適度な運動を行う。血糖値が下がることで歯周病を含む感染症を起こすリスクが軽減されます。

 

 

3.まとめ

 

歯周病と糖尿病は相互関係があります。それぞれを治療、改善することでお互いに効果が現れてきます。

どちらも生活習慣病ですから、医療機関の受診だけではなく、ご本人のコントロールが必要です。

歯周病と糖尿病の関係性を知っていただき、お口の中も体も健康に保つための意識改革のきっかけになれば幸いです。

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