
朝起きたときのお口の中、なんだかネバネバして不快だし、臭いも気になる…。
どうにかしたいけど、この口臭を改善する方法なんてあるのかな?
そんなお悩みをお持ちのアナタ。
寝起きの口臭は「モーニングブレス」ともいわれ、誰にも多かれ少なかれ起こるものです。
しかし、だからといって対策法がないわけではありません。
実は日中の過ごし方や寝る前の一工夫でこの「モーニングブレス」を改善することはできるんですよ。
ここでは、寝起きの口臭が起こるメカニズムの簡単な説明と、その対策法についてご紹介しています。
ぜひ参考にしてくださいね。
目次
1.寝起きの口臭の主な原因は「唾液量の減少」
なぜ寝ている間に口臭が発生してしまうのでしょうか。
それは、就寝時にお口の中で唾液の量が減ってしまうことにあります。
普段意識することの少ない唾液ですが、実はお口の中の環境を整えてくれる力を持っています。
わたしたちのお口の中は食事のたびに酸性の状態にかたむき、虫歯菌にとって活動のしやすい環境になってしまいます。
これをもとの中性に戻し、虫歯菌が出す酸によって溶けかけていた歯の表面を修復し、コーティングしなおしてくれるのが唾液のもつパワーなのです。
また、唾液はお口の中の洗浄・殺菌もおこない、口臭予防にも力を発揮してくれます。
ところが、就寝時はこの唾液量の分泌量が減少してしまいがちです。
それにより、お口の中の細菌が活動をはじめ、磨ききれずに残った食べカスなどのタンパク質を分解し、この際にでる嫌な臭いが寝起きの口臭となって現れます。
寝起きの口臭を改善するためには、唾液の分泌量を増やすこと・食べカスなどを残さないようしっかり歯磨きをすることが大切です。
2.寝起きの口臭を改善する8つの習慣
ここからは、具体的な口臭改善方法についてご紹介します。
どれも難しいものではなく、ほとんどお金をかけることなく気軽に取りいれられるものばかりです。
中には口臭改善だけではなく、歯周病・虫歯予防にも効果を発揮するものも多く含まれていますのでぜひ習慣化しましょう。
2-1 日中は水をこまめに飲む
体にじゅうぶんな水分が蓄えられていなければ、唾液も分泌されにくくなります。
唾液分泌の促進を目的にする場合、1日に1.2~1.3ℓを目安に水を飲むようにしましょう。
朝起きた際には、うがいや歯磨きなどでお口の中を清潔にしたうえでコップ1杯分(300ml)ほどの水を飲むようにしましょう。
寝ている間は汗をかいたりして、知らぬ間に体から水分が排出されてしまっています。
水分補給は飲み物ならなんでもOKというわけではありません。
コーヒーやウーロン茶などカフェインの含まれる飲み物は利尿作用があり、かえって体内の水分量が減ってしまいます。
できればお水を飲むようにしましょう。
2-2 ガムを噛んで唾液量アップ&虫歯予防
唾液は、「唾液腺」といわれる唾液分泌を管理する部分に刺激を与えることでその分泌量を増やすことができます。
ガムを噛む動作はこの「唾液腺」を刺激するのに有効です。
ガムはキシリトールガムがオススメです。
キシリトールの成分は虫歯菌にとってエサにできないため、虫歯菌の活動を抑制することができます。
また、キシリトールの甘さ自体が唾液の分泌をうながす効果をもちます。
さらに効果を得たいときは、「歯科専用キシリトールガム」を噛むようにしましょう。
こちらはドラッグストアなどで通常のキシリトールガムと一緒に売られています。
【歯科専用キシリトールガムのもつ効果】
①キシリトール含有量100%・その他甘味料0で虫歯にならない
…実はキシリトールは含有量が50%以上でないと虫歯予防に効果を発揮しません。また、甘味料としてキシリトール以外の成分が入っているものは、かえって虫歯菌のエサになり虫歯をつくってしまう可能性があります。歯科専用のものはそのような心配をすることなく、安心してお口に入れていただくことができます。
②少量でも効果はバツグン
…歯科専用キシリトールガムはさきほど述べたとおりキシリトール含有量が非常に多いため、少量を噛むだけでも効果があります。普通のガムだと虫歯予防のためには1日に14粒噛まなくてはなりません(メーカー推奨)。ところが歯科専用のものなら、日に6~8粒、朝・昼・夕食後と就寝前に2粒ずつ噛めばOKなのです。
③噛みごたえ2倍で唾液量もアップ!
…歯科専用キシリトールガムは一般的なガムに比べ、2倍ほどの硬さでつくられています。噛みごたえがあるため、その分唾液の分泌量もアップします。
画像:オーラルケア公式HP
amazon
ガムに限らず、普段の食事でもよく噛んで食べることを意識することで唾液の分泌量を増やすことができます。
また、より効果を引きだすためのガムの噛み方については、『ガムを噛んで虫歯予防!キシリトールガムで大切な歯を守る』をご覧ください。
2-3 唾液腺マッサージで唾液量を増やす
唾液の分泌量をつかさどる「唾液腺」を刺激することで、唾液分泌をうながす方法です。
道具のいらない簡単な方法なので、ぜひお風呂でリラックスしているときなどにやってみましょう。
画像:財団法人8200推進財団『はじめよう 口腔ケア』
2-4 寝る前の臭いのきつい食事・アルコールは控えめに
寝る間の食事で臭いのきついニンニクやネギ、ニラなどをたくさん食べると口臭に直結してしまいます。
量をできるだけ控えるようにし、食べたら必ず歯磨きをするようにしましょう。
アルコールは利尿作用が高いため、体内から水分が減ってしまう原因になりえます。
こちらも寝る前はできるだけ量を控えるようにするといいでしょう。
2-5 寝る前の歯磨きはとくにしっかりと!
歯磨きは毎食後しっかりおこなうのが理想ですが、日中はなかなか歯磨きに時間がさけなかったり、外出先で歯磨きをすることができなかったりもします。
しかし、そんな日でも夜寝る前の歯磨きだけはしっかり入念におこなうようにしましょう。
歯磨きのポイントは、1本ずつ丁寧にやさしく磨くことです。
「ゴシゴシ」とこする音が鳴るような磨き方は、強く磨きすぎてしまっているサインです。
歯ブラシの先が届きにくい部分(下のイラストの黄色いところ)には、歯間ブラシやデンタルフロス、タフトブラシを使うようにしましょう。
画像:ライオン
歯と歯の隙間には歯間ブラシ
歯ブラシの先が届きにくい隙間には歯間ブラシといわれる極細のブラシを使っていきます。
とくに、ブリッジを入れている方はダミーの歯の下に汚れが溜まりやすいため、歯間ブラシを使ってのお掃除が必須です。
画像:ライオン公式HP
画像:amazon
せまい隙間にはデンタルフロス
歯間ブラシの先が入らない歯と歯のせまい隙間にはデンタルフロスといわれる糸状の清掃グッズを使います。
持ち手のあるタイプよりも自分の指に巻きつかうタイプのほうが使い勝手がよく、オススメです。
画像:オーラルケア公式HP
画像:amazon
親知らずや歯並びが悪いところにはタフトブラシ
横の歯に比べ高さのない歯や、隣の歯と重なりあっている歯は普通の歯ブラシでは磨ききることができません。
そういうときにはタフトブラシといわれる先の細く小さい歯ブラシを補助的に使うようにします。
親知らずを磨く
歯並びの悪いところに使う
画像:amazon
2-6 定期的な舌磨きを
舌の表面を鏡でみたときに白いコケのようなものが溜まってはいませんか?
それは「舌苔(ぜったい)」といわれる、細菌の死骸や食べカス、粘膜からはがれ落ちた細胞などがかたまってできたものです。
この汚れが舌の表面のヒダに入りこみ定着してしまうことで、口臭を引きおこすことがあります。
ヒダの奥にまで入りこんでいるため、うがいや歯磨きでは落とすことができない汚れです。
舌ブラシを使い、定期的に舌を磨くようにしましょう。
オススメのタイミングは起床時です。
寝ている間に繁殖した細菌をお口の中に定着させないため、朝起きたら舌磨きをするようにしましょう。
磨くのは1日にこの1回で構いません。
また、朝に鏡で確認したとき舌が白くなっていなければ磨く必要はありません。
過剰な舌磨きは舌を傷つけ、かえって口臭を悪化させたり味覚を損なうことがあります。
やり方はブラシを舌の奥の方に置き、手前にやさしく引きます。
動かし方は常に奥から手前へ、一定方向でおこないます。
画像:デントケア公式HP
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舌磨きのくわしいポイントについては、『舌のおそうじで息をキレイに!正しい舌磨きのやり方』をご覧ください。
2-7 ストレスを溜めない
ストレスは自律神経に影響を与え、その結果唾液の分泌量を減少させます。
ストレスを感じたときにはできるだけ気持ちをリラックスさせるよう深呼吸を心がけ、気分転換するようにしましょう。
寝る前にベッドに入っていろいろ考えごとをしてしまうのもよくありません。
軽くストレッチをして体の疲れをとってからベッドに入ったり、ヒーリングミュージックを聞いてみたりするなど、リラックスした状態で眠りに入れる方法をさがしてみましょう。
2-8 寝ている間のお口の乾燥対策も
寝ている間にお口をポッカリ開けてしまっていることがあります。
無意識のためなかなか直しづらいですが、マスクをして寝るなどの対策法をとってお口の中の乾燥を防ぐようにしましょう。
マスクをする際には鼻呼吸がしやすいように、マスクを鼻の下までずらしてつけるようにします。
また、お部屋の乾燥にも気を配ります。きつすぎる冷暖房は乾燥の原因になるのでやめましょう。
加湿器をつけて部屋の湿度を上げるのもオススメです。
3.まとめ
気持ちのいい目覚めも口臭でイヤな気分になってしまうのは残念ですよね。何気ない習慣が寝起きの口臭を改善させてくれます。ぜひ今日から取りいれてみてくださいね。