クインテッセンス出版株式会社
Dr.もDHも!歯科医院で患者さんにしっかり説明できる本
歯を白くしたいけど、ホワイトニングってイマイチ良く分からない・・・(;´Д`)
ホワイトニングしてみたいけど、オフィスホワイトニングとホームホワイトニングのどっちがいいんだろう?
私の歯は実際に白くなるのかな・・・?
などなど・・・分からないことや不安に思っていてホワイトニングに踏み出せないでいるあなた!!
歯に対してせっかくご興味をもっていただいているならぜひとも歯科医院でご相談いただきたいところですが、いきなり相談にいくのもどーしたものかと躊躇してしまうあなたにむけて、今回はホワイトニングについて説明していきます。
目次
1.歯の変色原因には外因性と内因性がある
某社が一般の方を対象に、自分の口腔内で気になることについて尋ねたアンケートでは、ダントツ1位が「歯の色が気になる」だったそうです。
多くの方が自分の歯の色には満足していないという結果がありながらも、ホワイトニングに踏み出せている方は、そう多くはないようです。
歯の変色には、むし歯や着色汚れによる外因性のものと、歯の障害、化学物質や薬剤の作用、遺伝や代謝などによる内因性のものがあります。
1-1 外因性による変色歯
あなたの歯の変色がむし歯や着色によるものであれば、歯科医院での治療や、クリーニングによって改善することができます。治療やクリーニングを行った後の、歯本来の色を白くしたい場合には、ホワイトニングをおススメします。
画像:「歯科医院で患者さんにしっかり説明できる本」より
1-2 内因性による変色歯
内因性の変色歯の場合、原因物質が歯内に取り込まれることによって起こっています。永久歯(大人の歯)の歯冠部(歯肉から上の見えている部分)は、生まれてから6歳頃までに顎の中で作られていきます。永久歯が作られていく過程で、変色の原因物質が歯内に取り込まれることによって、「変色歯」になります。
「変色歯」を改善するためには、薬剤を歯質に浸透させるホワイトニングを行うことになりますが、変色歯のすべてが対応できるわけではないので、ご自身の歯の変色が、ホワイトニングで対応できるものなのかは、歯科医院で相談する必要があります。
画像:「歯科医院で患者さんにしっかり説明できる本」より
2.変色歯の状態によってホワイトニング効果が異なる
歯の変色は、原因物質の分子量によって色調が異なります。分子量の大きな原因物質が取り込まれた歯は暖色系(赤・オレンジ・黄に近い色)の変色が見られます。
画像:「歯科医院で患者さんにしっかり説明できる本」より
分子量が小さな原因物質が取り込まれた歯は寒色系(黒・グレー・青に近い色)への変色が見られます。
画像:「歯科医院で患者さんにしっかり説明できる本」より
原因物質が取り込まれた時期によって変色部が縞模様になることがあります。
ホワイトニングの効果は、患者さん個々によって異なります。暖色系(赤・オレンジ・黄に近い色)の変色歯の方が、ホワイトニング効果が出やすく、寒色系(黒・グレー・青に近い色)の変色歯はホワイトニング効果が出にくいと言われています。原因物質が取り込まれた時期によってできる縞模様も、ホワイトニング効果が出にくい歯の変色になります。
3.ホワイトニングは白くするだけでなく歯質強化もある
歯を白くするなんて、きれいにはなるけれど、きっと歯にとっては良くないことなんじゃないか・・・と不安に感じている方も少なくないでしょう。
そこは心配ご無用✋
ホワイトニングに使用する薬剤の主成分は、消毒薬と同じ成分が含まれていますので、歯周病菌やむし歯菌に対しても殺菌作用を得られます。また、ホワイトニング処置後は、歯質表面にフッ化物(歯質を強化する薬用成分)が浸透しやすい状態になるので、歯が白くなり見た目がよくなるだけではなく、歯周病やむし歯の予防及び歯質強化の手助けにもなる、というわけです。
4.ホームホワイトニングとオフィスホワイトニングはどう違うの?
いざホワイトニングにチャレンジしてみよう!!という決意が固まったあなたにはどんなホワイトニングがいいのでしょう。
ホワイトニングには自宅で自分自身が行うホームホワイトニングと、歯科医院に来院してもらい行うオフィスホワイトニングがあります。どちらのホワイトニングを選ぶにしても、まずは口腔内のチェックとクリーニングは必要になります。先にもお話ししたように、ホワイトニングの薬剤には消毒薬と同じ成分が使用されています。もしむし歯があった場合は、う窩(むし歯の穴)から薬剤が入り込み、激しいしみが生じたり、神経に炎症が広がって歯髄炎になってしまったりすることもあります。痛みがないから大丈夫、ではなく、痛みを伴わないむし歯もホワイトニング前には処置しておく必要があります。そのための口腔内チェックと、ホワイトニングは歯質に薬剤を浸透させるので、歯の表面が汚れていてはホワイトニング効果もしっかり得ることができませんので、事前クリーニングも必須となります。
ホームとオフィス、それぞれのホワイトニング方法と、どんな方に適しているのかをお話ししていきます。
4-1 ホームホワイトニング
ホームホワイトニングは、あなたの歯型を採り、専用のマウスピースを作ります。そのマウスピースにホワイトニング薬剤を塗布して歯に装着する処置を1日2~6時間、2週間ほど続けて行います。
効果はゆっくりですが、さまざまな変色歯に幅広く対応できるホワイトニングです。希望の白さになるまで、薬剤を追加して繰り返し行います。
通院せずに自宅で自分の好きな時間にコツコツと行えるのがホームホワイトニングです。自宅での処置ではありますが、ホワイトニング開始から1週間後くらいを目安に一度歯科医院でのチェックを受けて、ホワイトニングの進行状況の確認はしてもらいましょう。チェック時のホワイトニング効果によっては塗布する薬剤量の調整などの指導があります。より効果的にホワイトニングを行うためにも途中で経過をみてもらうために受診しましょう。歯科医院への通院時間が取れない方や自分で好きな時間にホワイトニングをしたい方におススメです。
4-2 オフィスホワイトニング
オフィスホワイトニングは、歯科医院で施術を受けるホワイトニングです。歯肉を保護したのち、ホワイトニング薬剤を白くしたい歯の歯面に塗布してから照射をする、という処置を1回の予約で3回ほど繰り返し行います。術前術後の確認のための写真撮影等も含め、1時間ほど時間を要します。ホワイトニング効果は患者さんの歯の薬剤感受性にもよりますが、1回の施術で希望通りの白さになるものではないので、こちらも希望の白さになるまで数回繰り返し施術を受ける必要があります。私が担当した患者さんの中には、1回の施術で満足される方もいらっしゃいましたが、大概の患者さんは少し白くなると、もっと白くしたい!!という願望が生まれるようで、繰り返しの施術を希望される方がほとんどです。
歯科医院に来院する時間を作れる方、自宅でコツコツと自分でホワイトニング処置を行う自信のない方はオフィスホワイトニングがよいでしょう。
4-3 デュアルホワイトニング
えっ?!ホームかオフィスかじゃないの???と思いましたよね(笑)
デュアルホワイトニングとはオフィスホワイトニングとホームホワイトニングを併用するホワイトニングです。時間もお金もかけられるのであれば、このデュアルホワイトニングが一番ホワイトニング効果が得られる方法です。
5.ホワイトニングは永久ではありません
ホワイトニングで白くなった歯は永久ではなく、後戻りはあります。ホワイトニング後のケアによっても後戻りの具合に差が出てきます。湯飲み茶わんやコーヒーカップと同じで、使用した後に毎回しっかり洗っていれば茶渋等の汚れも付きにくいですよね。ホワイトニング後の歯もお手入れ次第で、白い状態をより長く保つことができます。ご自宅でのセルフケアと定期的なメインテナンスでプロフェッショナルケアを受けることによって白くした歯を長く保てるようにしましょう。
ホワイトニング後、後戻りをしてきたときは、またその時点でホームホワイトニングまたはオフィスホワイトニングを追加で行うことで、きれいな白い歯を維持することができます。
6.まとめ
ホワイトニングには自分で好きな時間に行うホームホワイトニングと歯科医院で施術してもらうオフィスホワイトニングがあります。ホワイトニング効果は患者さんの変色歯の状態によって異なります。ホームもオフィスも、ホワイトニング前にはむし歯や歯周病有無のチェックと事前クリーニングが必要です。
歯が白くなるだけで見た目の印象は思った以上に変わります。自分の気分も変わると思います。
今まで、ホワイトニングを躊躇していた方がこの記事を読むことによって安心してホワイトニングを受けていただければ幸いです。