差し歯のところの歯茎が黒いあなたへ ~原因と治療法 教えます~

差し歯 歯ぐき 黒ずみ
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若い時にいれた差し歯の部分、歯ぐきが黒くなってしまってはいませんか?

前歯だと笑顔になるのもためらってしまいますよね。

そんなあなたの悩みを解決する方法をお教えしましょう。

歯肉変化

1.黒い部分は歯か歯茎か確認しましょう

まずは確認です。この画像を見てください。

黒ずみ

差し歯の上に茶色い層がまずありますね?そこは歯ぐきではありません。歯周病により、歯ぐきが下がったことによってみえるようになってきた歯の根の部分です。

その下の少し黒ずんだピンクの部分、それが歯ぐきの黒ずみです。

距離が近いので誤解しやすいですね?触って硬ければ歯なのでまずは確認してみましょう。

 

2.歯茎が黒くなるのは金属の被せ物のせい?メカニズムと原因

さて、歯ぐきが黒い確認をしたら次は黒ずむ原因です。

 歯ぐきが黒くなるメカニズムとしてはうえで述べた原因より二つに分けられます。ひとつは金属イオン、金属粉の沈着。もうひとつは外来刺激によるメラニン細胞の沈着です。 

 シミ

そして歯ぐきが黒ずむ原因は大きく4つに分けられます。

2-1 金属のイオンが溶けだす

差し歯というものはまず歯の神経をとった後に、保険診療であれば歯の根の中に金属の土台(メタルコア)を差します。

コア 被せ物                

その上に金属の被せ物(前歯であればその表面にレジンという白い部分が付きます)が入ります。

この金属は銀合金とよばれ、銀や亜鉛、パラジウム等が使われています。構造上金属と歯ぐきは接触せざるをえません。そして歯ぐきは常に唾液や浸出液などで濡れているため、金属がイオン化して溶け出してしまうのです。溶け出した金属イオンは歯ぐきを黒くし、さらには歯ぐきを下げる原因にもなります。

2-2 削った時の金属の粉が入り込む

上で説明したように、差し歯はまず金属の土台を根に差してから歯の形のものを被せるわけですが、土台を差してくっつけてからその土台を削って型採りをします。その金属の土台を削ったときに、金属の凄く小さな粉がでます。それが歯ぐきに入り込んでのちのち黒くあらわれてくることがあります。

2-3 先天的にメラニン色素が多い

メラニン色素とは皮膚の色を作り出している色素のことです。有害な紫外線をさえぎってくれる防衛物質ですが、異常発生するとシミになってしまいます。そのメラニン色素が遺伝子的に多いかたは黒くなりやすいです。この場合、口の中の歯ぐき全体的に黒くなります。

 

 2-4 外来性の刺激によるもの

メラニン色素が遺伝ではなく、生活習慣における外来刺激により沈着していくことがあります。主に喫煙や日焼けによるものです。こちらも口の中全体が黒くなります。

3.まずは金属の除去、そして黒ずみの治し方

では次に歯ぐきの黒ずみを消す方法を紹介します。

 

3-1 原因である金属の除去が最も大切

まずは原因になっていると思われる原因の被せ物や土台を取除きます。いわゆるメタルフリーの状態ですね。これを行うのが一番の近道になります。

外したままでは根っこだけになってしまうので、黒ずみが治るまではレジンで作った仮歯を装着します。

タバコは禁煙しましょう。

原因を取除いて金属を除去した状態で歯ぐきのターンオーバー(新陳代謝)による金属イオンやメラニンの排出を促します。

ターンオーバー

それで歯ぐきが自然に治るようであればOK!次の4にすすめます。

しかしあまりにも金属イオンやメラニン色素の沈着が激しい場合にはさらに他の方法で黒ずみを消す必要が あります。3-2にすすみましょう。

 

 なお、もし金属をとらず、歯茎の黒ずみのみを治療された場合。一度歯ぐきはピンク色になりますが、やはりまた再発してしまうリスクは抱えることになります。費用の面でもやり直すのに抵抗はあるかもしれませんが、長い未来を見据えて再発の可能性と向き合うか決めたほうがよいでしょう。

3-2 自然治癒しない場合の黒ずみの消し方

メタルフリーだけでは黒ずみが消えない場合や、内部の歯質の問題から土台を変えるのが難しい場合、歯科用レーザー、電気メス、薬品などをもちいて機械的に除去する必要があります。

3-2-1 1番おすすめ! 歯科用レーザー

まずは1番のおすすめであるレーザーです。可能であればレーザー導入されてる歯科医院を探せれたほうが皆様にためになるかと思います。黒ずんだ歯ぐきを炭酸ガスレーザーでメラニンを除去し、一度白いかさぶたにすることによって綺麗なピンク色の歯茎を取り戻すことができます。レーザー照射時はちくちくしますが、麻酔をするので安心です。

組織の損傷も少ないので、治療後の痛みも少ないです。一度のレーザー照射で綺麗になりきらなかった場合、何度か行います。費用は3回で5万円ほどです。

なお、かさぶたがはがれるまでの間は刺激物は避けましょう。一番お勧めの方法になります。

 レーザー

3-2-2 電気メス

次に麻酔をして、電気メスを用いて黒ずんだ歯ぐきを焼き、ピンク色の歯ぐきを再生させる方法です。焼いた後再生するまで、傷になるため、ヒリヒリと痛む可能性があります。組織の損傷度が高いためおすすめしません。レーザーのあるところを探した方が良いです。

電気メス

3-2-3 塗り薬

薬品(フェノール類)を塗布することによって表面を焼き、歯ぐきを再生させる方法です。塗布後痛みがあり、数日すると歯肉の表面がはがれはじめます。その後しばらく痛い状態が続きます。麻酔はいりませんし機械的な刺激も少ないですが、効果は弱く回数が必要です。

歯ぐき白く 薬品

4.もう黒くしないために、治したあとの金属のない被せ物

ピンク色の歯ぐきを取り戻したあなた!同じことにならないための被せ物を紹介します。

 

 4-1 土台編

差し歯の土台には金属を用いない材料を選択しましょう。

まず土台には保険治療ではメタルコアとレジンコア、ファイバーコアがあります。自費診療の場合でも主にファイバーコアが使われます。

上のイラストでレジンコアのネジの部分がファイバーになったのがファイバーコアです。

メタルコアはもちろん黒ずみの原因になるので却下です。

レジンコアとファイバーコアの違いは心棒がネジかファイバーかの違いですが、ファイバーコアのほうが曲げ強さが歯の根に近いため、より歯に負担をかけにくいためおすすめです。

なお保険のファイバーコアと自費のファイバーコアの違いですが、保険のファイバーコアは材質が指定されたものしか使えません。自費のほうが性能の良いファイバーを使うことができます。およそ2万円ほどかかります。

 4-2 被せ物編

次に被せ物です。こちらでももちろん金属を用いない材料を選択しましょう。保険治療では4番目と5番目の歯、小臼歯にのみCAD/CAM冠というメタルフリー材料が選択可能ですが、他は基本的に金属が使われてしまいます。自費ではオールセラミックス、ジルコニアを用いたものを選択しましょう。自費でもメタルボンドといわれているものは内面に金属が使用されているのでご注意ください。

前歯のかぶせ物の種類と治療費

臼歯の差し歯の種類と治療費

5.まとめ

  • 歯ぐきの黒ずみは金属材料とメラニンの沈着のせいで起こります。
  • 治すにはまず差し歯をはずしましょう。
  • はずしても治らなかったらレーザー治療で治すのがおすすめ。
  • とりかえないと治してもやはり再発のリスクがあります。

 

いかがだったでしょうか?皆様が綺麗なピンク色の歯ぐきでにっこり笑える日願っております。

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