CMなどでもよく耳にする「歯周病」。
ふだん生活していて、歯が痛むような虫歯の気配を感じることはないけれど、ときどき歯ぐきが腫れたり歯が浮くような変な感覚がある方はいらっしゃいませんか?
ほっておけば落ち着く症状だから…とそのままにしていることもあるかもしれませんが、もしかしたらその症状は「歯周病」かもしれません。
歯周病予防やケアに大切なのは「歯周病専用の歯磨き粉」を使うことだけではありません。
毎日の歯磨きの仕方を正しくおこなったり、自分のお口の歯並びにあわせてデンタルフロスや歯間ブラシを適宜使う必要もあります。
「自分にあった、自分だけの歯磨き方法」なんて見つけるのはとても大変ですよね?
だからこそ、定期的に歯医者さんに歯のお掃除(スケーリング)で通っていただき、先生や衛生士さんから歯磨き指導を受けることがとても大切なのです。
この記事では簡単に確認できる歯周病のセルフチェックと、歯周病ケアのコツをお教えします。
「もしかしたらこの症状って歯周病なのかも…」と思ったらぜひかかりつけの歯医者さんなどで一度診てもらうようにしましょう。
放置してしまうと歯周病は症状が進行してしまい、悪化すると歯がグラグラになってしまうこともありえます。
1.歯周病の簡単セルフチェック
自分自身でご自宅でできる歯周病チェック項目は以下のものです。
手鏡でじっくり歯をみながら、最近の生活を思い出しながらチェックをしてみてください。
画像:公益財団法人 8020推進財団
《判定》
チェックが0個…引き続き丁寧な歯磨きを心がけ、少なくとも年に1回は歯科検診を受けて専門家にお口の中をチェックしてもらうようにしましょう。
チェックが1~2個…歯周病の可能性があります。かかりつけの歯医者さんで診てもらい、適切な歯磨き方法・生活習慣の指導を受けましょう。
チェックが3~5個…初期あるいは中等度歯周炎以上に歯周病が進んでいる可能性があります。できるだけ早く歯医者さんを受診しましょう。
2.歯周病の主な原因は「磨き残し」
歯周病の原因には、歯磨き時の磨き残した歯垢(プラーク)が関係しています。
このプラークが出す毒素が歯ぐきに炎症を起こさせ、歯周病につながります。
また、間接的な原因として挙げられるのは「喫煙」「運動不足」「ストレス」「睡眠不足」「肥満」「遺伝」「薬の影響」「悪い噛み合わせ」「歯並び」「女性ホルモンの影響」など、実に多くあります。
薬やホルモンの影響などなかなか対処しにくいものもありますが、ほとんどは健康的な生活習慣を送れているかどうかが大きな関係を持っています。
まずは、変えられることから一つずつ変えていく事が大切です。
とくにすぐ対処しやすいのが、毎日の歯磨きのやり方です。
3.歯周病ケアのための正しい歯磨き法
毎日の歯磨きで大切なことは回数を多くすることよりも、1回の歯磨きをじゅうぶん丁寧におこなうことです。
歯並びが重なって磨きにくいところ、歯ブラシの毛先が届きにくいところ、そういったところには歯ブラシだけでなくデンタルフロスや歯間ブラシ、「タフト」といわれる部分磨き用歯ブラシをあわせて使うことが重要です。
磨き残しの多い場所はココ!
画像:システマ 公式HP
磨き残しがとくに多くなりやすいのが、歯ブラシが届きにくく手鏡で見ても暗くてしっかり見えない奥歯のあたりです。
①奥歯の奥
奥歯のノド側の側面は普通の歯ブラシではうまく磨ききることはできません。
タフトブラシという先端が90度に曲がった細い歯ブラシを活用することで、しっかり汚れを落とすことができます。
画像:オーラルケア公式HP
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↑ 柄(え)の部分が細いため奥歯のほうまで入れても苦しくなることがありません。この写真のように奥歯の奥の面に毛先が沿うようにして磨きます。
②歯と歯のあいだ
歯と歯のあいだはピッチリくっついているようで、実は隙間があります。
この隙間に食べカスなどが入ってしまうと、普通の歯磨きでは取ることができません。
デンタルフロスや歯間ブラシを隙間に差し込むことで汚れをかきだします。
画像:フロアフロス公式HP
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↑ フロスの使い方
画像:ライオン公式HP
↑ 歯間ブラシ。I型のものやL型の先端が90度曲がったものなどがある。
↑ 歯間ブラシの使い方
《デンタルフロスと歯間ブラシの使い分け》
画像:ライオン公式HP
③歯と歯ぐきの隙間「歯周ポケット」
歯ブラシを歯の面に当てるときの角度を90度から45度に変えて、歯周ポケットの中に毛先が入るようなイメージで当てて磨きます。
1度に磨くのはその歯1本分だけにし、小刻みにチョコチョコと左右に動かしながら磨きます。「ゴシゴシ」「キュッキュ」と音が鳴るような磨き方は力が強すぎるサインです。
強い力で磨くと歯ぐきを傷つけてしまう恐れがあるため、力加減には注意が必要です。
4.まとめ
セルフチェックで歯周病の恐れありとわかった方はできるだけ早く歯医者さんを受診するようにしましょう。
しかし大切なのは、専門機関でのチェック・指導だけではなく、毎日の自分でおこなう歯磨き習慣・生活習慣の改善にもあります。
セルフケアと歯医者さんでのケア、二人三脚で歯と歯ぐきの健康を守っていきましょう。