『臨床歯科麻酔管理指導医・臨床歯科麻酔認定歯科衛生士講習会』に参加してきました

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:こんにちは。歯科衛生士のSです。
先月、日本歯科医学振興機構主催の『臨床歯科麻酔認定歯科衛生士講習会』に参加してきました。
これは歯科衛生士が診療の補助として、歯科医師の指示のもと歯科麻酔処置を行うための講習会で、法令や麻酔学に関する講義と手技実習及び認定試験が行われました。
昨年末に受講を検討した際すでに東京開催の講習会は4月が満席!!で7月(海の日)の受講となりましたが、先日無事に認定試験の合格通知を頂くことができました☆彡
今回はその講習会の1日をご報告いたします。

1. 9:30~講義「歯科関連法令」「歯科麻酔学」

コロナ禍での開催ということもあると思いますが、手技実習等もあるためとても広い会場で行われていました。
まず「歯科関連法令」で歯科医師法、歯科衛生士法について、衛生士学校時代に学んでおぼろげになっていた記憶を呼び戻す内容の講義からはじまりました。
続いて「歯科麻酔学」では、局所麻酔に必要な基本的知識等の講義を受けました。
局所麻酔の効果と作用機序や麻酔薬の種類、血管収縮薬(アドレナリン等)の禁忌既往、全身的偶発症とその対応法について学びました。

1-1 血管迷走神経反射

歯科麻酔処置後に気分が悪くなった経験のある方はいらっしゃいますか?
歯科治療時に起こる全身的偶発症の中で、もっとも発症頻度が高いのが血管迷走神経反射です。
痛みや不安などのストレスなどで起きる、麻酔処置の際に起こりやすい偶発症で、血圧の低下や脈拍の減少、一時的に意識を失うこともあります。

血管迷走神経反射が起こった場合の救急処置は下記の通りです。
① ユニットを水平位にして下肢挙上(30cm程度足を高くする)
② モニターを設置してバイタルサインの観察
③ 気道の確保
④ 酸素投与を行う
⑤ 吐物・唾液の肺内吸引の予防
⑥ 診断と処置
⑦ 必要に応じて高次医療病院へ搬送

2. 12:00~昼食がでました(‘ω’)ノ

夕方までの講習会のためお昼をはさんで実習にうつるのですが、今回は昼食付のセミナーでした☆彡
ジャジャーーーんっ



彩りがきれい☆彡
お肉、お魚、野菜がバランスよく入っていて朝起床が早かったこともありお腹ペコペコだったので速攻完食しました。とても美味しくいただきました。
その後は午後の実習終了後に認定試験にそなえて、午前中の講義内容を見直ししてすごしました。

3.12:50~ 歯科麻酔手技解説及び実習

日々勤務先では歯科麻酔処置をみてはいますが、行う立場ではなかったため、麻酔処置を見守るというより、ライト位置やバキューム吸引等に意識がいっていました。
処置前後の準備、片付け等で麻酔自体に触れてはいますが、実際に自分自身で注射筒を把持するのは初めてのことでした。
今回のセミナーはとても広い会場でしたが、たくさんの歯科医師・歯科衛生士が参加しているため、歯科麻酔実習と偶発症の緊急時対応に分かれて実習が行われました。
私はまず歯科麻酔手技実習からで、1チーム4~5名ずつに分かれ、解説しながら実際の手技を見せていただき、その後順番にマネキンを使って実技を行いました。



麻酔時の針刺し事故防止のための注射筒の扱い方、固定指の置き方等、ポジショニング、注射針の粘膜挿入方法等実践で行いました。

4. 緊急時対応に関する実習

午前中の講義で行われた全身的偶発症における緊急時の対応について、それぞれ実習していきました。

4-1 心肺蘇生

学生時代に看護師さんの講義があり、息が上がってしまいそうになりながら胸骨圧迫練習を何度も繰り返したのを思い出しました。
傷病者に呼びかけをして反応がない場合、119番通報者、AED準備者を指示し、呼吸・脈拍の確認をします。
呼吸・脈拍なしの場合は、ただちに胸骨圧迫を開始します。胸骨圧迫30回➡人工呼吸2回をAEDが届くまで繰り返します。
AEDを装着してリズムチェックにてショック適応の音声が聞こえたら周りの人は離れて1回ショックを行い、胸骨圧迫➡人工呼吸を救急隊に引き継ぐまで、または傷病者が動き出すまで継続します。



4-2 窒息への対応法(ハイムリック法)

ハイムリック法は咽頭にものがつまっていることへの対応ではなく、窒息している場合の処置法です。
まず対象者に窒息の有無を確認し、窒息のサイン確認ができたらハイムリック法を行います。
① 片手で握りこぶしを作る
② 親指を傷病者の腹部に向けて、へそのやや上、剣状突起先端の下の腹部正中線上に置く
③ 他方の手で握りこぶしをつかみ、すばやく上方に突き上げながら腹部圧迫をする
④ 異物が排出される、または対象者の反応がなくなるまで繰り返し行う
⑤ 対象者が激しく咳き込んでいる場合は本人の努力に任せる
⑥ 背部叩打法と腹部突き上げ法を併用する



4-3 アナフィラキシーショック

化学伝達物質の即時型反応で、炎症反応を引き起こします。発赤や蕁麻疹、重篤時には血管拡張による血圧低下や咽頭浮腫による窒息のため最悪の場合死に至ることもあります。
対応法としてエピペン(注射液)の使用があります。アナフィラキシーのグレードによって使用有無を判断しますが、呼吸困難や喉や胸の強い痛み等が起こるグレード3は速やかにエピペンを使用します。今回は練習用のエピペンを使用して使用手順を学びました。:

 

5. 16:20~手続き説明・認定試験

手技実習が終わり、最後に認定試験が行われました。国家試験が蘇るマークシート方式(゚Д゚;)
受講番号をマーキングするだけで緊張MAX(笑)
国家試験の時に使った有難い太宰府天満宮の鉛筆で試験に挑み(*^▽^*)


今月あたまに合格通知が届き、ホッとしました( *´艸`)

6. まとめ

講習会を受講したからと言って、すべての人が麻酔処置を行えるわけではありません。
診療の補助は、歯科医師が歯科衛生士個々の知識や経験等を考慮して指示を与えて行うものです。
医療は日々進歩しますので、学ぶことに終わりはありません。
患者さんの立場にたって対応することができる医療人であるために、これからも精進してまいります。

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