[Dr監修]知って得する歯ぎしり予防ナイトガードの使い方

ナイトガード マウスピース 
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歯医者さんでナイトガードという言葉を聞いたことはありませんか?格闘技の選手が使うような透明の樹脂でできている、マウスピースのようなものです。ナイトガードは、歯ぎしり予防やむし歯や歯周病、かぶせ物のを破損を防止するために使います。こんなのはめて寝られないよ・・と思ったあなた。ナイトガードにははめて良くなる人と、副作用で症状をかえって悪化させてしまう人がいるんです。この記事では、ナイトガードが必要な理由とナイトガードの副作用を解説します。

これがナイトガードです。

ナイトガード マウスピース

1.ナイトガードは本当に必要なの?ナイトガードが必要な理由と使用目的

ナイトガードには、歯ぎしり予防と、ホワイトニングやむし歯&歯周病予防目的で使用する場合があります。

1-1 歯ぎしり予防として使う

原因である歯ぎしりをなくすためのものではありません。歯ぎしりは歯のすり減りによるむし歯や歯周病、かぶせ物の破損、顎関節の痛み、顎関節症や歯のすり減りなど、様々な問題を引き起こします。歯ぎしりによって誘発される、むし歯や歯周病、かぶせ物が壊れる、顎関節痛になる、などのリスクを減らす対症療法の目的で使用します。この装置を入れることによって、顎や歯は強い噛みしめでかかる力から保護され、顎関節症特有の顎周囲の筋肉の痛みなども軽減される場合があります。

この場合には、基本的にハードタイプ素材で作製し、装着後もかみ合わせの調整が必要になります。

→歯ぎしりについて知りたい方は歯だけじゃない!体にも悪影響を与える「歯ぎしり」の正体とは

1-2 ホワイトニングやむし歯&歯周病予防として使う

ナイトガードの内面に漂白剤やむし歯予防の薬剤を入れるフレームとしても使います。この場合には軟らかい素材で、薄くナイトガードを作製します。

注意!!ナイトガードを自分で作ってしまうリスクとは?

ナイトガードには市販のものがあります。自分でマウスピースを作製する場合に、一部の歯にはフィットしているが、一部の歯にはあっていないことがあります。合わないマウスピースを無理に使用しているとかみあわせがおかしくなり、かえって歯ぎしりがひどくなる場合があります。マウスピースの作製は必ず歯医者さんで行いましょう。

2.ナイトガードは2種類、ハードタイプとソフトタイプ

ナイトガードには、材質によって、硬い素材と軟らかい素材の2種類があります。どちらも装着および装着後にかみ合わせのチェック、副作用の確認が必要になります。

2-1 ハードタイプ(スタビライゼーションスプリント)

アクリル製樹脂からできていて、主に上顎に装着して使用します。ハードタイプは硬く、手で曲げよプとしても曲がりません。歯ぎしりによる歯や歯肉やかぶせ物の破壊、破損予防にはハードタイプを使用します。

スタビライゼーションスプリントは、日本顎関節症学会でも推奨されており、軟らかいナイトガードより違和感が少ないという報告もあります。装着後に必ずかみ合わせの調整、装着による副作用(頭痛、筋痛、開口障害)のチェックが必要です。

ナイトガード スプリント

2-2 ソフトタイプ

熱可塑性の樹脂を歯型に圧接して作製します。作製、装着が簡便な反面、劣化が早く、修理が困難なのが欠点です。ホワイトニング材やむし歯&歯周病予防薬剤を入れて使用する場合には、なるべく厚みを薄くした方が患者さんの違和感が少ないようです。成長期の小児には、ソフトタイプが顎の成長を阻害しづらいため、第一選択になります。

ナイトガード ホワイトニング

3.知らないと怖い!ナイトガードによる副作用

一般的に患者さんは、ナイトガードを入れれば歯ぎしりは治る、と考えられているようです。

確かに、ナイトガードをすると、「一瞬、今まであった不調や、不快感が取れ、とても体調がよくなった気がする」方も多くいらっしゃいます。しかし、ナイトガードをつけることで症状がよくなっていたとしても、根本的な解決がなされたわけではないのです。歯ぎしり予防のナイトガードは対症療法で用いるため、原則短期間の使用が望ましいです。また装着後も歯科医師、関連医科による調整、指導が必要です。

3-1 顎や顎の周りの筋肉が装着前より痛くなった

人間には個々に適応できるかみ合わせの位置があります。個人の適応許容範囲を、ナイトガードの厚みが越えてしまった場合、装着後に顎や顎の周りの筋肉が前より痛くなってしまうことがあります。この場合には両側に症状が出る場合が多いです。

この場合には、使用をすぐ中断し、担当医と診察を受ける必要があります。

3-2 かみ合わせが変わってきた

ナイトガードを中期~長期使用していると、歯の位置が本来あるべきところから移動してしまうことがあります。患者さんの症状としては、気づきにくいのが特徴です。ナイトガードは対症療法なので、短期間の使用にしてください。

3-3 夜寝づらくなった

ナイトガードの厚みが、熱くなると、お口の開口量が増え、気道を圧迫していくので、いびきや呼吸障害が起こる場合があります。ナイトガードに似た装置に睡眠時無呼吸症候群に用いる口腔内装置がありますが、この場合には上下顎に装置を装着し、下顎を前方に誘導して装着します。ナイトガードを装着後に、寝づらくなった、いびきがうるさくなった、などがあれば使用を中止して担当医と相談してください。

4.ナイトガードの作製ステップと費用

ナイトガード作製には2~3回歯科医院に通院が必要で、保険診療で50007000円ほどかかります。

かみ合わせをチェックできる装置を用いてプラスチックを流し込む方法と、樹脂を圧接して作製する方法があります。ここでは前者の作製ステップを紹介します。前者の場合にはかみ合わせを採るために通院回数が1回増えて計3回の通院が必要です。

歯の汚れをきれいに落とした後、歯型を取ります(通院1日目)

石こう模型にして、かみ合わせの装置に装着します。

ナイトガード 咬合器装着

ワックスを軟化し、模型に築盛します。

ナイトガード ワックス圧接

ワックスを取り出して、樹脂を流し込みます。

ナイトガード スタビライゼーションスプリント

トリミングします。

ナイトガード トリミング

お口の中に装着して、かみ合わせを調整します(通院2日目)

ナイトガード装着

ナイトガード装着の注意点として、装着時に違和感がともなう、材質が樹脂なので定期的に新製が必要ということが挙げられます。また必ずかみ合わせの調整、装着後に副作用のチェックが必要です。

4.ナイトガードのお手入れ方法

ナイトガードを使っていると、臭いや黄ばみがついてしまう場合があります。お口の中の細菌や、食べ物飲み物の色素が原因です。ナイトガードはきちんと洗ってお手入れしましょう。

4-1 洗浄方法

基本はぬるま湯、手洗いでOKです。マウスガードはハードタイプ、ソフトタイプともに樹脂でできていますので、研磨剤入り歯みがきや歯ブラシなどで洗うと、表面に小さな傷がついてしまいます。また、60度以上の熱湯で洗ったり、お湯につけてしまうのは劣化させるので避けてください。ぬるま湯につけるか、洗浄用スプレーで手洗いするようにしましょう。

4-2 おすすめナイトガードのお手入れケアグッズ

ここではハードタイプ、ソフトタイプ別にナイトガードお手入れケアグッズを紹介します。

ハードタイプにおススメ つけ置き洗浄剤 リテーナーシャイン 顆粒150g 1個  (ロッキーマウンテンモリタ )

ハードタイプはプラスチック樹脂でできているので、タッパーなどど同じで吸水しやすく乾燥すると破損しやすくなります。そのため、使わないときは、水につけておくなどの感想防止対策が必要です。リテーナーシャインはつけ置きしているときに、除菌&消臭してくれるので、ハードタイプのナイトガードのお手入れにおススメです。
リテーナーシャイン顆粒は、その名の通り顆粒になっていますので、水に溶けるのが早く、洗浄効果も早く発揮します。顆粒150gで1000円程度です。

リテーナーシャイン

「リテーナーシャイン」についてはこちら

ナイトガード表面を傷つけない優しい泡みがき 入れ歯洗浄剤 ポリデント 泡のハミガキ (入れ歯・矯正用リテーナー・マウスガード 洗浄) (ポリデント)

ポリデント泡のハミガキはナイトガードを泡でブラッシングするタイプの洗浄剤です。ニオイの原因菌を60秒で99.9%除菌します。研磨剤無配合なので、ハードタイプはもちろん、ソフトタイプのナイトガードでも傷つけにくいです。ソフトタイプではブラシでなく、手洗いで90秒洗浄してあげると表面の劣化を防ぐことができます。125mlで600円程度です。

ポリデント泡のハミガキ

ポリデント「泡のハミガキ」についてはこちら

 

お出かけ先でも手軽に使えるスプレータイプ マウスガード除菌 ・ 洗浄スプレー (アース製薬)

ハードタイプ、ソフトタイプともにナイトガードに直接スプレーするだけで、その場で簡単に除菌・洗浄ができます。外出先などでも、 ナイトガード装着前後に使用すると潔な状態に保てます。  爽やかなペパーミントの香りです。マウスガード樹脂に影響を及ぼしません。1回の使用を10プッシュとすると約50回使用可能 です。100mlで1200円程度です。

マウスガード洗浄スプレー

 

マウスガード「除菌・洗浄スプレー」についてはこちら

5.まとめ

歯ぎしりは原因がわからず、音などを他人から指摘されないと気づけないために、放置してしまいがちです。お口に関するトラブルはなかなか元に戻すことができません、早い段階で見つければ治すのも簡単です。

ナイトガード自体はすぐに作ることができるので、歯ぎしりでお困りの方は、必ず歯医者さんに相談するようにしましょう。

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