はじめての入れ歯も怖くない!起こりやすい5つの症状と解決法

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虫歯や歯周病で歯を抜いて出来た隙間。
あなたに最適な補綴物(欠損して部分を補う人工物)について、歯科医師と相談し、入れ歯(義歯)を入れる事に決めたのに、初めての入れ歯が不安で仕方ない。

入れ歯なんて入れていられるのだろうか。
見た目は? どんな感じなのだろう。

考えれば考えるほど不安になってくる。
最初の入れ歯を入れるときは、多くの方がこんな不安な思いを持たれるのではないでしょうか。

今回は部分義歯(バネのある入れ歯)を入れた後に、多くの方が体験する主な症状と改善方法について考えていきます。

1.入れ歯を入れた後に起こる主な症状

入れ歯が出来上がってお口の中に入れた瞬間から、その入れ歯が馴染んで快適に使えるようになるまでの期間は個人差があり、多くの方は様々な不都合を感じます。

「何とか噛める」ようになるには、数回の調整(入れ歯を削ったりすること)が必要です。

入れ歯の大きさや口腔内の歯肉や骨の状態、噛み合わせの状態などの違いから、一回の調整で馴染む方から、何度も調整を繰り返してやっと使えるようになる方まで様々です。
根気強く調整に通うことが必要です。

1-1 入れ歯が当たって痛い

入れ歯を入れてほとんどの方が感じる症状は「当たって痛い」です。

軟らかい歯肉(粘膜)の下には硬い骨があります。
小さな骨の出っ張りに入れ歯が当たったり、歯肉がこすれて傷が出来て赤くなったりします。

歯科医師はその場所を特定し、入れ歯の当たっているところを慎重に少しずつ削ります。

特に歯を抜いて間もない時に作った入れ歯は、骨が変化するので当たる場所が変わっていくので調整も数回必要です。

入れ歯 当たる

矢印

入れ歯 当たる

入れ歯の調整は歯医者さんにお任せを!

患者様の中にはDIYが得意でプロ顔負けの工具を持っていて、入れ歯をご自分で削ってしまう方がいます。
これは絶対にしてはいけません。入れ歯は少し削るだけで装着した感覚は大きく変わります。
一般の人が削るとたいていは削りすぎてしまい、薄くなることで割れやすくなったり、粘膜との間に隙間ができて食べ物が入りやすくなったりします。入れ歯は繊細なものなのです。
入れ歯を熟知した歯科医師や歯科技工士におまかせください。

1-2 話がしにくい

話をしたり飲み込んだりする動作には、舌の動きが要になります。

入れ歯を入れると、口腔内が多少狭くなるので舌がスムーズに動かなくなり、うまく話が出来なくなることがあります。
欠損の本数が多くなるほどに入れ歯も大きくなり、話しにくさに比例します。

入れ歯の構造上、床(しょう)と言われるピンクの部分が広いほど安定が良く、最初は大きめに作ることが多いので、歯科医師に相談して少し小さく削ってもらうと解決するかもしれません。

1-3 噛めない・食べ物がまずい

健康な歯は体重と同等の力を加えて噛む動作を繰り返しています。
噛みしめる癖があったり歯ぎしりをする方の歯は噛み合わせの面がすり減ったり、欠けたりすることがあるほどです。
それだけの力を入れ歯で噛むには大変です。

部分義歯は片側、両側または反対側の歯にバネをかけて安定させますが、沈み込んだりするとうまく力が伝わらず、噛みにくいかもしれません。

レジンという材料で作った入れ歯は独特なにおいがかすかにあり、敏感な人は慣れるのに時間がかかる可能性があります。

1-4 バネが外れやすい・ガタつく

食後には入れ歯を外して、きれいに洗い、歯も磨き、また口腔内に入れる。
これを一日数回繰り返していくうちに、少しずつバネが広がり、外れやすくなってきます。

舌を動かしたり、頬の筋肉が動くだけで外れてしまうこともあります。
食事中外れて噛んでしまい破折したり、誤飲の危険があるので、バネを調整してもらいましょう。
ガタつきも改善できます。

自分で曲げるとバネが折れる可能性があるので歯科医師におまかせしてくださいね。

1-5 違和感が強い

お口の中はとても敏感です。
ほこりや髪の毛が入っただけでもすぐにわかる程です。

1本の義歯から両側に歯がある義歯まで大きさや形態は様々ですが、いずれにしても異物がお口の中に入るのですから、違和感はあって当然です。

初めての入れ歯ならなおさらです。
歯科医師に症状を相談し、床を小さくしたり、厚みを薄く削ってもらったりして、徐々に慣れていきましょう。

《部分義歯は本数で形、大きさが変わります》

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2.入れ歯が早く慣れるためのおすすめの工夫

入れ歯を入れたからと言って、すぐに硬いおせんべいやナッツ類など、なんでも食べられるようになるわけではありません。

歯科医院で調整を繰り返すと同時に、ご自分でも生活の中で出来る事があります。
早く慣れるために実践してみましょう。

2-1 軟らかい物から食べてみる

まず軟らかい物から食べ始め、徐々に硬いものに食べ慣らしていきます。
食材の大きさも小さく切ったり、厚みを薄くしたり、切込みを入れたりすると食べやすくなります。

切り方を工夫するとかなり違いが出るので試してみてください。
こんにゃくやイカやタコ、パンや粘着性のある餅などは慣れてからでないと難しい食品です。

2-2 入れている時間を徐々に長くする

入れ歯を入れた初めは、慣れるために短時間入れればOKです。
慣れてきて違和感が少なくなってきたら、ちょっとずつ時間を延ばしていきましょう。

入れていない時間が長期になると、欠損している場所の周りの歯が少しずつ動いてしまい、入れ歯が入るスペースが狭くなって、入れ歯が入らなくなってしまいます。

寝る前に外して朝入れるときにもきついと感じる方もいるくらいです。
違和感が強くても一日に何度かは入れてみてください。

3.入れ歯と上手く付き合っていく為に必要なお手入れ方法

入れ歯を入れたら毎日必ず行うお手入れが必要になります。
面倒くさいからといってさぼってしまうと、入れ歯に汚れが付き、雑菌が分厚く繁殖します。

歯肉の表面に細菌で蓋をした状態になり、炎症を起こす原因になります。
お手入れが悪いと入れ歯に匂いが付き口臭となります。

3-1 食後は必ず外して洗い、歯も磨く

食事をすると食べかすが付いてしまうので、必ず外して水道の流水の下でブラシを使用して洗います。

特にバネの周りは汚れが溜まりやすいので、丁寧に洗いましょう。
専用の義歯ブラシを使用すると洗浄も簡単です。


普段の歯磨きも忘れずに行いましょう。
バネのかかる歯は特に虫歯になりやすいので多方向からブラシを当てることが大切です。

《義歯ブラシの使い方》

義歯ブラシ
義歯ブラシ 義歯ブラシ
画像:amazon

《専用の洗浄液で爽やかに》

フレッシュクレンズ
画像:amazon

3-2 夜は入れ歯を外して水に入れ粘膜を休める

夕食の後、歯みがきと入れ歯をきれいに洗ったら、水を入れたコップやタッパーなどの容器に入れておきます。
義歯は乾燥すると歪んでしまいます。就寝中は粘膜を休めましょう。

また、小さな入れ歯を付けたまま寝てしまうと、外れて飲み込む危険もあるので必ず外します。
その時義歯洗浄剤を使用すると、殺菌効果により清潔に使う事ができます。

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画像:amazon

4.どうしても入れ歯が合わなかったら

お口の中は個人で差があり、残っている歯が何本あるか、動いてないか、顎の骨はどんな状態かなどで最終的な補綴物が最適なのかを歯科医医師は提案します。

相談の結果納得して入れ歯を選択しても、実際使用してみると、どうしても使用が困難な方もいます。

その時は歯科医師に相談して、その時の口腔内の状況で可能な他の補綴物を考えてみることもできます。

4-1 ブリッジ

欠損したところの両隣の歯を削って、連結したかぶせ物をかぶせます。

歯科用の接着剤で歯に付けてしまうので、取り外しの手間もなく、自分の歯と同じように使えます。

すでにかぶせ物をしている歯は一度外して、型を取りかぶせ直しをしますが、健康な歯の場合は、歯を金属の厚み分削らなくてはいけないので、神経の治療が必要になることがあります。

土台になる歯が歯周病だったり、本数が多い場合は希望に添えないことがあります。

ブリッジ

4-2 インプラント

歯の無い部分に人工的な金属を直接骨に埋め込んで、その上にかぶせ物をします。
周りの歯はそのままで削ることもありません。

メンテナンスは定期的に続ける必要がありますが、最も「噛める」補綴物です
しかし、費用が高額で、埋め込んだ金属が骨にしっかり固定されるのに長い期間がかかります。

埋め込む部分の骨の厚みや密度など精密検査が必要で、だれでも簡単に選べる選択肢ではないのが、難点です。

インプラント

詳しくは『歯を抜いたあと何で治す?ブリッジ、入れ歯、インプラント、徹底比較!』の記事をどうぞ!

そもそもなぜ歯科医師は保険の入れ歯をすすめるのか

使い勝手や、その後の手入れのしやすさで言えばブリッジをおすすめすることが多いですが、両隣の歯に問題があったり、すでに高額な自費のかぶせ物をしている場合は、作製の工程が比較的簡単で、費用も抑えられる保険の入れ歯をご提案します。自費で作る「ばね」を使わないノンクラスプデンチャーを希望する方もいらっしゃいますが、入れ歯が自分に合っていて今後使用していけるかわからないと、高額な入れ歯を使っても無駄になってしまいます。ですから、まずは保険の入れ歯で試してみることをおすすめするわけです。

《ノンクラスプデンチャー》

ノンクラスプデンチャー ノンクラスプデンチャー

5.まとめ

初めての入れ歯に対する不安の解消に少しでもお役に立てたでしょうか。

入れ歯でも何でも食べられる患者さまはたくさんいます。
痛いところを何度も調整したり慣れるまでには時間もかかり大変だと思いますが、徐々に「使える入れ歯」になっていきます。

めざせ!なんでも食べられる入れ歯!

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