アルコール飲料と虫歯の関係って?虫歯予防のための正しいお酒とのつきあい方

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毎日晩酌を楽しむ日課がある、最近ひんぱんに飲み会に参加してお酒を飲む量が増えた…。

甘いお酒とかって虫歯の原因になったりしないのかな?
アルコールは飲みすぎると体に悪いけど、歯にも悪影響なの?


そんな疑問をお持ちのアナタ。

虫歯を作りたくないと思っているなら、お酒の飲み方にも注意をはらう必要があります。
ここでは、お酒と虫歯の関係性や虫歯予防のための正しいお酒とのつきあい方についてご紹介しています。

1.「アルコール」自体は虫歯の原因にはならない

気になるアルコール飲料と虫歯の関係性ですが、実は「アルコール」自体に虫歯を作りやすくするといったはたらきはありません。
したがって、お酒を飲みすぎたからといってその分虫歯ができやすくなるといったこともないのです。

しかし、アルコール飲料にはジュースなどと同じように「糖質」が多くふくまれています。
この「糖質」は、お口の中にいる虫歯菌のエサになってしまいます。

糖を食べた虫歯菌は「酸」をだします。
この酸が歯の表面を溶かし、虫歯を作りやすくするのです。

虫歯というのは、お口の中にいる「虫歯菌(ミュータンス菌)」・虫歯菌のエサとなる「糖質」と、「歯質(歯をつくる成分)」の弱さの3つが重なりあう時間が長いほど生まれやすいのです。


虫歯ができる原因
画像:ライオン公式HP

2.虫歯リスクを高めるアルコール飲料TOP3

アルコール自体が虫歯の直接の原因になることはなくとも、虫歯菌のエサである「糖質」をふくんでいることは間違いありません。
それでは次に、虫歯リスクを高めてしまうアルコール飲料の種類を見ていきましょう。

糖質をふくむアルコール飲料、その中でも歯を溶けやすくしてしまう「酸」を多くふくむ酸性のアルコール飲料にはとくに注意が必要です。

酸性の飲み物は「ph(ペーハー)」という数値でその酸性の強さを測ることができます。

基準点である中性の状態がph7になります。これよりも数字の小さいものはより酸性が強く、ph5.5~5.7以下になると歯が溶けやすくなる危険性が生まれます。
一方、ph7より数値が大きいものはアルカリ性が強くなり、歯の質に直接悪影響を与えるということはなくなります。

とくに気をつけたいアルコール飲料TOP3は以下のものです。

1.ワイン(ph2.3)

2.梅酒(ph2.9)

3.チューハイ(ph3.0)

ワイン・梅酒はアルコール飲料の中でもとくに酸性が強く、次いで酸性の強いチューハイは甘みがあり、糖も多くふくむため注意が必要です。

その他の酸性が強い飲み物は以下のとおりです。

マッコリ(ph3.8)
ビール(ph4.0)
日本酒(ph4.3)
ウイスキー(ph5.0)

一方、歯質に直接の悪影響を与えることのないアルカリ性のアルコール飲料は、

ドライジン(ph8.3)
焼酎(ph8.0)
ブランデー(ph6.3)

になります。

自分のお好きなお酒があまり酸性の強いものでなかったとしても油断は禁物。
お酒の飲み方によっては、虫歯リスクを高めてしまうものがあります。

あなたは次のようなお酒の飲み方をしてはいませんか?

3.虫歯リスクを高めるお酒の飲み方3つ

飲むとリラックスできて楽しい気分になれるお酒ですが、何も考えずに飲んでいると実は知らぬ間に虫歯の影がせまっているのです…。
これからご紹介する4つのことは虫歯予防のためにぜひ守っていただきたいことです。

3-1 ダラダラ飲み・ダラダラ食べはNG!

お家でテレビを観ながらゆっくり晩酌したり、居酒屋の食べ飲み放題2時間コースでおしゃべりしながらお酒を飲んだり…。
どなたにも覚えがあることかと思います。

実は、これらのお酒の飲み方は虫歯のリスクを高めてしまいます。

最初にご紹介したように、食べ物をお口の中に入れるとそこにふくまれる糖質を虫歯菌がエサにし、酸をだします。
こうした虫歯のできやすい酸性にかたむいた環境がお口の中にできてしまいます。

これをもとの中性の状態に戻し、溶けかけた歯の表面をコーティングしてくれるのが「唾液」の役割です。
食事のたびに唾液は、歯が虫歯にならないようにがんばってくれているのです。

ところが、ダラダラ飲み・ダラダラ食べをしていると常にお口の中が酸性の状態になってしまい、唾液のはたらきが追いつかなくなってしまうのです。

3-2 お酒の飲みすぎで吐き戻しをしてしまう

つい飲みすぎてトイレで吐いてしまったり、そんな経験はありませんか?
実はこれも歯の表面のエナメル質といわれる部分を溶かしてしまう危険性があるのです。

歯の表面は「酸」によって溶かされてしまいます。
酸は食べ物や飲み物など、体外から摂取するだけではありません。

吐いたことで胃酸、体の中の酸が逆流し、その酸にふれたことで歯が溶けだしてしまうのです。
食べものを過剰に摂取したあとで意図的に嘔吐する「過食嘔吐」をする人の歯はボロボロになりやすい、というのを聞いたことはありませんか?

一度や二度の嘔吐で急に歯が溶けだすようなことはありませんが、飲み会のたびについ吐くまで飲むクセがついてしまっているとそのたびに少しずつ歯質に負担をかけることになってしまいます。

お酒は適量を楽しむように心がけましょう。

3-3 お酒を飲んだあとに歯を磨かずに寝る

飲食をしたあとに歯磨きをせずに寝ると虫歯になりやすい、というのはご理解いただきやすいかと思います。
しかし、お酒を飲んだあとはとくにキケンというのはご存知でしたか?

先ほど「唾液」にはお口の中を虫歯になりにくくする力があるとご紹介しました。
この唾液、実はアルコールを飲んだあとだと分泌量が減りやすいのです。

これは、体内でアルコールの成分を分解する際に大量の水分が必要になることに原因があります。
アルコールを体の汗や尿と一緒に外に出そうと利尿作用がはたらくため、アルコールを飲んだあとは脱水症状に陥りやすくなります。

その結果、体内の水分が少ないために唾液をつくりだすことができず、分泌量が少なくなりやすいのです。

唾液の持つ抗菌・殺菌作用が有効にはたらかないため、お口の中は虫歯菌が活動しやすい環境になった状態になります。
そのまま歯磨きをすることなく一晩過ごせば、その間ジワジワと歯は虫歯菌にむしばまれてしまいます。

4.虫歯対策のためのお酒の飲み方

お酒を飲んでも虫歯のリスクを高めないためにはどうすればよいのでしょうか。
まずは全章でご紹介した良くないお酒の飲み方をひかえること、次にこれからご紹介する虫歯対策を守っていただくことです。

4-1 お酒だけじゃなく水もしっかり飲む

体から失われた水分を補い、唾液の分泌をうながすためにもお酒を飲んでいるときはお水もしっかりとるようにしましょう。
また、お口の中の乾燥対策として寝る際には加湿器をつけたり、マスクを鼻の下まで下げた状態(お口だけを覆った状態)で眠るのもオススメです。

4-2 おつまみなどはよく噛んで食べる

噛む動作は「唾液腺」といわれる唾液の分泌を管理する器官に刺激を与え、唾液をだしやすくします。
お酒をゴクゴク飲むのにつられてついおつまみや飲み会の食事もあまり噛まずに飲みこんでしまいがちですが、一口ひとくちよ~く噛んでから飲みこむことを意識しましょう。

4-3 飲んだあとにガムを噛む

こちらも噛む動作をおこなうことにより、唾液の分泌をうながします。
口臭対策になるため、飲食後はハッカ飴などよりはガムを噛むようにしましょう。

さらに歯科専用キシリトールガムを噛めば、唾液の分泌・口臭対策だけではなく、虫歯予防にも大変効果的です。
キシリトールの成分は虫歯菌にとってエサにならず、さらには虫歯菌の活動を抑制する力も持っています。
キシリトールの甘さ自体が唾液の分泌をうながしてくれる効果も持っています。

歯科専用のキシリトールガムは、一般製品のガムよりも2倍の硬さでつくられており、噛みごたえがある分唾液の分泌量を増やすことができます。


画像:オーラルケア公式HP
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4-4 歯磨きをしっかりしてから寝る

面倒くさくても寝る前の歯磨きはしっかりおこないたいところです。
お口の中をスッキリさせてから寝れば、虫歯予防はもちろん翌朝良い気分で目を覚ますことができるでしょう。

虫歯予防に効果的なフッ素入りの歯磨き粉を使って1本1本丁寧に磨きます。
オススメの歯磨き粉は高濃度のフッ素配合(950ppm)の『ジェルコートF』です。
研磨剤無配合のため、酸にふれてもろくなりかけている歯の表面を傷つけることなく磨くことができます。

ジェルコートFの商品画像
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お酒は液体であるため、お口全体に行きわたってしまっています。
その分虫歯のできやすい範囲も広くなっていますので、1本ずつ丁寧に磨くことが大切なのです。
余力があればできればデンタルフロスや歯間ブラシなどの清掃補助グッズを使って歯磨きをするようにしましょう。

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5.まとめ

お酒が大好きな方にとって虫歯予防のために禁酒をするのはおつらいですよね。
でも、上手なお酒とのつきあい方をふまえた上でしっかり虫歯予防をしていく方法はあります。

歯の健康、体の健康をこれからも維持していくためにも今回ご紹介したことを守って、楽しくお酒を飲んでくださいね。

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