日本人の死因TOP5に必ずはいる脳血管疾患。
そのなかでも脳梗塞は特に死亡率が高く、生活習慣病で発症のリスクがあがります。
そして歯周病は生活習慣病の一つです。
今回はそんな歯周病と脳梗塞の関係性についてお話していきます。
目次
1.脳梗塞には3つのタイプがある
まず脳梗塞には3つのタイプがあります。
- 太い血管(頸動脈など)が動脈硬化で詰まるタイプ(アテローム血管性脳梗塞)
- 細い血管が詰まるタイプ(ラクナ梗塞)
- 心臓でできた血栓がとんで脳で詰まるタイプ(心原生脳塞栓症)
どれも血管が詰まって脳組織が壊死してしまい、麻痺や障害が起こります。
この中で赤文字の、太い血管が動脈硬化で詰まる症状の人だけ、普通の人に比べて歯周病の菌が1.4倍ちかく多かったそうです。
2.動脈硬化と歯周病菌の関係
歯周病で歯ぐきから出血するということは血管に穴が空いているということ、そしてその穴から細菌が入ってきてしまうということです。
歯ぐきから細菌が侵入し、血流に乗った歯周病菌は血管のなかで固まり、血液の流れを阻害します。これが動脈硬化になるのです。
歯周病が悪ければ悪いほどこのリスクは高まります。
3.歯周病は脳梗塞後の合併症にも
脳梗塞になり、脳組織が壊死すると壊死した部分によって様々な障害(運動障害、嚥下障害、言語障害など)をおこします。
3-1.手足に運動障害を起こしてしまった場合
脳梗塞により、半身麻痺や筋肉の緊張で手足が緊張しうまく動かせなくなります。
すると歯ブラシをきちんと握って歯を磨くのが難しくなりプラークコントロールができず歯周病になりやすくなります。
3-2.唇や舌に運動障害を起こしてしまった場合
脳梗塞で唇や舌などが麻痺し、お口の機能が低下してしまうときちんとゆすいだりすることができなくなり汚れがお口の中にたまってしまいます。そのため歯周病になりやすいお口になってしまいます。
3-3.嚥下障害が起こってしまった場合
脳梗塞により、嚥下障害を起こしてしまうと食べ物がうまく飲み込めなくなります。そのため栄養不足になり、免疫力の低下を招き、歯周病になりやすくなります。
4.脳梗塞を予防するには
脳梗塞の主な原因は高血圧、高脂血症、糖尿病です。基本的には日々の生活を見直しましょう。
お酒、たばこはやめ、適度な運動をし、偏った食生活をしないようにしましょう。
5.歯周病を予防するには
脳梗塞のリスクを下げ、歯周病を予防し、お口の中を健康に保つためには、毎日のセルフケアと歯科医師や歯科衛生士によるプロフェッショナルケアが大切です。
食事をしたら歯を磨く、これは基本です。
しかしながら毎日きちんと歯を磨いていてもセルフケアで完全にプラークを取り除くのは困難です。そこで定期的に歯医者を受診してのプロフェッショナルケアが合わせて必要となります。
↑歯の裏の歯石は自分ではとれない
プロフェッショナルケアではセルフケアでは難しい清掃不能部位を中心にクリーニングを行います。また、セルフケアのチェックをしてもらい、お口の中の状態に合わせたブラッシング方法の指導をうけることができます。
歯周病に有効な歯磨剤や状態に合わせた歯ブラシや補助的清掃用具の紹介もしてもらうことで更にセルフケアの質があがります。
そして定期的にきちんとメンテナンスに通いましょう。
6.まとめ
いかがでしたでしょうか?
歯周病と脳梗塞の関係性が少しでも皆さんに分かりやすく伝わってくれると幸いです。