心臓、、、それは人が生きていくために必要な、脳の次に重要な臓器です。
心臓に病気が起こると、突然死の危険性もあります。
そんな怖い心臓の病気と日本人の約8割がかかっている歯周病
この2つには密接な関係があるとされています。
日本人の8割がかかっている病気と心臓の関係性、気になりますね。
今回はその関係について分かりやすく説明しましょう。
目次
1. 歯周病は心臓病のリスクの1つ
結論から言ってしまうと、歯周病だから絶対心臓病になる、というわけではありません。
心臓病は多数の原因が相互に関係し合って発病します。
歯周病はその‘多数の原因’の一つになりうる、ということなのです。
なので歯周病を治療したからといって必ず心臓病にならないということではないのですが、それでも‘多数の原因’の一つを潰しておくというのは免疫の面でも有効です。
2. 歯周病と関係が深い3つの心疾患
それでは心臓病のなかでも特に歯周病と関係の深い病気3つを説明していきましょう。
その前にまず知っておいていただきたいことは、歯周病で歯ぐきから出血するということは血管に穴が空いているということ、
そしてその穴から細菌が入ってきてしまうということです。
2-1.感染性心内膜
歯ぐきから侵入し、血流に乗った歯周病菌が傷ついた心内膜(心臓の内側の膜)や弁(心臓の血液の逆流を防ぐ装置)に入り込み、炎症を起こします。
そして炎症が広がり心臓の器官を破壊し、心不全を誘発します。
2-2. アテローム性動脈硬化症
アテロームと言われる脂肪性物質の塊が太い血管の内側にたまり大きな血栓となって血液の流れを悪くする病気です。
アテロームは傷ついた血管にひっかかりたまります。その傷つく原因の一つとして歯周病が絡んでいます
発作的な痛みやけいれんをおこすことがあります。
2-3.虚血性心疾患
虚血性心疾患は2-2の動脈硬化が心臓の冠動脈に起こり、心臓に血液が行かなくなる病気です。
血液が行かなくなった心臓は酸素不足となり心停止してしまい危険な状態になることもあります。
3. 歯周病と関係する心臓病以外の全身疾患
歯周病は心臓病のリスクだけでなく、他にも様々な病気のリスクとなりえます。
その病気について簡単に説明しておきましょう。
3-1.糖尿病
糖尿病には腎症、神経障害、末梢血管障害などのたくさんの合併症があり、そのなかのひとつに歯周病が最近ノミネートされてきています。
歯周病の炎症で生まれるサイトカインと呼ばれる物質が、血糖値を減少するのに必要なインスリンの効果を阻害してしまうのです。
3-2.脳梗塞
脳梗塞は2-2で説明したプラーク(アテローム)が脳にとんでしまい、脳の血管が詰まる病気です。
歯周病の方はそうでない方の2.8倍脳梗塞を起こしいやすいというデータがでています。
3-3.その他
歯周病には他にも誤嚥性肺炎、骨粗鬆症、メタボリックシンドローム、早産などの原因になっています。
気になる方は調べてみましょう。
4. セルフケアとメンテナンスはやっておきましょう
心臓病のリスクを下げ、お口の中を健康に保つためには、毎日のセルフケアと歯科医師や歯科衛生士によるプロフェッショナルケアが大切です。
食事をしたら歯を磨く、これは基本です。
しかしながら毎日きちんと歯を磨いていてもセルフケアで完全にプラークを取り除くのは困難です。そこで定期的に歯医者を受診してのプロフェッショナルケアが合わせて必要となります。
↑歯の裏の歯石は自分ではとれない
プロフェッショナルケアではセルフケアでは難しい清掃不能部位を中心にクリーニングを行います。また、セルフケアのチェックをしてもらい、お口の中の状態に合わせたブラッシング方法の指導をうけることができます。
歯周病に有効な歯磨剤や状態に合わせた歯ブラシや補助的清掃用具の紹介もしてもらうことで更にセルフケアの質があがります。
そして定期的にきちんとメンテナンスに通いましょう。
5. まとめ
いかがでしたか?皆さんのなかで歯周病治療と心臓病の関係が少しでも分かっていただけると嬉しいです。