最近いつ歯科検診に行きましたか?
新型コロナウイルスの影響で、受診予約を延期したままになっている方もいるのではないでしょうか?
歯科検診の目的は、むし歯や歯周病の早期発見・早期治療に加え、専門家によるプロフェッショナルケアを受けることにあります。毎日のセルフケアではなかなか落としきれない汚れを、お口の専門家によるメインテナンスで取り除いてもらいます。
別のブログで何回もお伝えしているように、お口の中の健康を保つためには、セルフケアとプロフェッショナルケアの両輪が必要です。比重としては自分自身で行う日々のセルフケアがとても大切です。
4カ月毎に歯科検診に行くとして、プロフェッショナルケアは年間のうち3日だけ。残りの362日はセルフケアにかかっていることを忘れないでください。
今回は自宅で行う毎日のセルフケアにおいて、気を付けて磨いていただきたいリスク部位についてお話していきます。
目次
1.リスク部位とは
磨き残しが多く、汚れがたまりやすい場所をリスク部位と言います。
歯並びや個々のブラッシングのクセによってもリスク部位は異なりますが、みなさんに共通するリスク部位も存在します。今回は口の中の構造上、みなさんに共通して言える汚れがたまりやすい部位についてお話していきます。
2.誰にでも共通する2つのリスク部位
日々来院される患者さんの口腔内を見ていて、全部が磨けていない人なんて滅多にいません。
(たまにビックリするお口に遭遇することもありますが・・・(゚Д゚;)💦)
毎食後、歯磨きしてるのにまた磨けてないところを指摘された(T_T)と凹んでいるそこのあなた。
リスク部位を意識して磨くだけで、あなたのセルフケアは確実に変わります!!
2-1 臼歯の隣接面
永久歯(大人の歯)の場合で説明します。
中央1番目から3番目の犬歯までが前歯部、4番・5番目が小臼歯、その奥が大臼歯といいます。
4番目以降の臼歯部隣接面が1つ目のリスク部位です。
隣接面とは、隣同士の歯が接っする面のことです。
画像:tuft clubホームページより
切歯部(前歯部)<小臼歯部<大臼歯部と、隣接面が大きくなるのが分かります。この面が大きければ大きいほど細菌がたまりやすくなります。
大臼歯は歯の根っこが2本、上顎大臼歯は3本あり、歯の形状が複雑なためさらに細菌がたまりやすい部位になります。
画像:tuft clubホームページより
2-2 下顎の舌側歯頚部(ぜっそくしけいぶ)
次にリスクが高いとされているのは、下顎の舌側歯頚部:裏側の歯と歯茎の境目部分です。
どうして下顎の方が細菌がたまりやすいのでしょうか?
下の図をご覧ください。
画像:tuft clubホームページより
下顎の舌側面(裏側)は舌が当たらない場所のため、磨かない限り自然にプラークがとれることはほとんどありません。
歯を磨く際にも角度的に歯ブラシが入れづらく、さらに舌が邪魔をするため歯ブラシの毛先が磨きたい歯頚部(歯と歯茎の境目)に当てにくい部分です。意識して歯ブラシを当てて磨かないと汚れが残ってしまいます。
3.リスク部位にはワンタフトブラシがおススメ
ワンタフトブラシとはひとつの毛束でできている補助的清掃用具です。
歯並びが悪い方や、矯正装置を付けている方に多く使われていますが、このワンタフトブラシは、落としたいプラークに狙いをつけてピンポイントに効率よく清掃することができるので、歯があるすべての口腔内におススメの補助的清掃用具なのです。
お部屋の掃除をする場合、全体的に掃除機をかけ、部屋の隅や家具の隙間は先端のノズルを変えてお掃除しますよね。
お口の中も同じく、広い面は歯ブラシで磨き、汚れがたまりやすいリスク部位は補助的清掃用具を取り入れます。
3-1 リスク部位を先に清掃する
歯ブラシとワンタフトブラシはどっちが先がいい?
おススメはワンタフトブラシでリスク部位を先に集中ケアすることです。
磨き始めの意識が高いうちに細菌がたまりやすいリスク部位からワンタフトブラシを使用して磨いてください。その後いつものように全体を歯ブラシで清掃する方が効率よく成果も実感できます。
ぜひ試してみてください。
ワンタフトブラシは色々なメーカーから出ていて、ドラッグストアでも見かけます。
しかしせっかく使用するのであればぜひ使っていただきたいのが株式会社オーラルケアの『プラウト』です。
画像:株式会社オーラルケア ホームページより
画像:株式会社オーラルケア ホームページより
3-2 ワンタフトブラシの使用方法
画像:株式会社オーラルケア ホームページより
4.その他の補助的清掃用具
歯ブラシと併用する補助的清掃用具としてワンタフトブラシをご紹介しましたが、ワンタフトブラシ以外にもデンタルフロスや糸ようじ、歯間ブラシなど、口腔内の状態に応じて補助的清掃用具を取り入れていきましょう。まずは、自分の口腔内の状態のどこがリスク部位なのか。自分特有のリスク部位を歯科医院で確認してもらいましょう。
5.まとめ
歯ブラシだけで口の中をすべて清掃するのは困難です。リスク部位を知り、適した補助的清掃用具を使用することで、セルフケアの成果がアップします。いつまでも自分自身の歯で楽しく美味しく食事を楽しむために、ぜひセルフケアの見直しをしてみてください。
また、毎日丁寧に歯磨きをしても、取り除けない汚れがみなさんありますので、定期的に歯科医院を受診してプロフェッショナルケアを受けることを習慣化してください。