スマホ依存ぎみの人は要注意!無意識の噛みしめグセは「歯列接触癖」かも?

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いつも私たちの身近にあるスマートフォン。
仕事からプライベートのことまで、1日にスマホをいじる時間は現代ではとても多くなっています。

中には少し時間ができるとつい目的もなくスマホをいじるクセがあったり、動画やSNS、アプリゲームをするために何時間もスマホ画面を眺めつづける習慣がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

最近では、「スマホ老眼」や「スマホ巻き肩」、「スマホ指(腱鞘炎や指の変形)」といった言葉も生まれているように、長時間スマホに向かい合うことは少しずつ健康状態を損なうこともあります。

しかし実は、目や体の不調だけではなく、お口の健康にまで影響を及ぼすことがあるのです。

あなたは今こうしてスマホやPCの画面を眺めているとき、上下の歯が触れあった状態になってはいませんか?

そのような状態が慢性化している場合、「歯列接触癖」になっている可能性があります。

上下の歯が軽く触れあっているだけで一体どんな悪影響があるの?と不思議に思われる方もいらっしゃるかもしれません。

この記事では、スマホなどをいじっているときに起きやすい歯列接触癖の特徴と原因、危険性についてご紹介しています。

最後には改善法もいくつかご紹介していますので、ぜひ噛みしめグセに心当たりのある方は参考になさってくださいね。

1.「歯列接触癖」とは長時間にわたる歯の噛みしめグセ

歯を噛みしめるクセ、というと歯ぎしりなどを想像されるかもしれません。

歯ぎしりはおもに就寝時、上下の歯をギリギリ…と音が鳴るくらいこすり合わせたりカチカチっと噛み合わせたりなど、断続的に強い力がアゴや歯にかかることになります。

一方、「歯列接触癖」(Tooth Contacting Habit:TCHともいいます)はそれら歯ぎしりの症状とは異なり、就寝時にかぎらず日中でも起きることがあります

歯列接触癖の場合は、上下の歯が少し触れあっているという弱い噛みしめの状態が長時間にわたり起きることになります。

実は、何もしていない状態のお口の中は上下の歯のあいだに1~3mmあいているのが正常であることをご存じですか?
食事や会話のときなど、必要があって上下の歯が接触するのは本来、平均して1日に20分以下とされています。

ふとした瞬間にも歯がしっかり上下噛みあってしまっていることは、お口にとっては正常なことではないんですね。

 ここで「歯列接触癖」のセルフチェック! 

無意識のうちに引き起こしがちな歯列接触癖。
ここで一度、ご自分にもそのようなクセがないかチェックしてみましょう。

①画面から目を離し、リラックスした状態で顔をまっすぐ前に向けてみてください。

上下の歯のあいだはどれくらい開いていますか?
隙間なくカッチリと噛みあってしまってはいないでしょうか?

②次に、手鏡などでお口の中を確認してみてください。

頬の内側に、歯並びの形に沿ったような白い圧迫痕はありますか?
また、下の写真のように舌の形が下の歯の並びに沿って、まるで波うつような形になっていないでしょうか?

舌 圧痕

この2つの特徴は必ずしも歯列接触癖であることを証明するものではありません。
(以上のことに当てはまらなくても歯列接触癖となっているケースはありますのでご注意ください)

しかし、いずれにしても跡が残ってしまうほど上下の歯に力をかけて噛みしめているクセがあることに変わりはありませんので、深刻な症状が出る前に対処していく必要があります。

2.スマホはとくに要注意!姿勢の悪さが引きおこす歯列接触癖

先ほど顔をまっすぐ前に向けて、上下の歯が接触してしまっていないかチェックしていただきました。

そのとき、ちゃんと上下の歯のあいだが1~3mmあいていた人も注意がまだ必要です。
今度は顔を下向きに、アゴを引いて手元のスマホを眺めるときのような姿勢をつくってみてください。

ごく自然に、上下の歯が接触しやすくなってしまいませんか?

このように手元のスマホやゲーム機を長時間見ていると、機械を持つ腕が疲れてきて少しずつ下に下がり、首も疲れと頭の重みが手伝って顔は少しずつ下向きに傾き、結果として上下の歯がカッチリ噛んだ状態で固定されてしまいやすくなります。

画面に集中してしまっていると口元に力が入っていることにも自分では気づきにくく、そのまま長時間アゴと歯、首や肩に負担をかけた姿勢が続いてしまうのです。

人によってはパソコンに向かって考え事をしているとき、料理をしているとき、机に向かって勉強をしているときなどに無意識に上下の歯を接触させてしまっていることがあります。

また、緊張などの精神的なストレスが原因となって無意識に歯を噛みつづけているケースもあります。

これらのクセは歯ぎしりに比べて弱い力の噛みしめであるため、一見大きな影響はなさそうに感じてしまいます。
しかし、歯列接触癖はジワジワとお口と体の健康をむしばんでいく可能性がある症状なのです。

3.歯列接触癖が引き起こすお口と体のトラブル

弱い力であっても長時間にわたって持続的に歯を噛みしめ続けると、お口周りの広範囲の筋肉が常に使われていることになります。

こうした緊張状態が続くと咀嚼筋・顔面筋・顎関節には少しずつ疲労が溜まり、それがアゴの関節などに痛みを生みだすことがあります。

また、歯にかかる圧力が少しずつ歯そのものや歯を支えている歯周組織(歯肉や歯槽骨)にダメージを与えるようになります。

圧迫され続けたこれらの組織は血行不良の状態や神経障害につながります。

また、ダメージを与え続けてしまった結果、歯の表面の部分にヒビが入ってしまうことがあります。

その場合、冷たいものが凍みるといった知覚過敏の症状が出たり、歯の一部が欠ける、被せものの金属などが外れるといったトラブルをも引き起こすことがあります。

何気ない習慣からさまざまな健康トラブルにつながる可能性のあるスマホを見ながらの噛みしめグセ。

すぐに実践できる改善法がありますので、ぜひ日々の生活の中に定着させていくようにしましょう。

4.「歯列接触癖」を改善する3つのステップ

特別な道具などは必要なく、自分の意識を変えることと体の休息をこまめに取る習慣をつけることで歯列接触癖は改善できるケースがあります。

4-1 歯を噛みしめているときのお口の状態を知る

まずは、歯を噛みしめているときにどれくらいお口周りの筋肉を使用しているかを理解する必要があります。

試しに、手の平を両頬にあてながら何度か軽く噛む動作をくり返してみてください。
思ったよりも、広範囲のお口の筋肉が動いていることがわかるのではないでしょうか?

歯を噛みしめた状態で固定してしまうと、その筋肉はそのあいだずっと力みつづけていることになります。

何気ない噛みしめのクセが、知らずしらすのうちにお口に大きな負担をかけてしまっていることを感覚的に知っていただけたと思います。

4-2 同じ姿勢が長時間続いたらリフレッシュタイムを

次に、仕事中やスマホをさわっているときに「もう何分も同じ姿勢のままだな」「集中して力が入りすぎていたな」と気づいたときには、一度作業を中断しリフレッシュタイムを取ることをオススメします。

画面からは一度離れて、立ち上がって体全体のゆるやかなストレッチをしたり、コーヒータイムをはさむなどして気分をいれかえましょう。

その際、深呼吸をすることで緊張状態にあった体にじゅうぶんな酸素を取りこみ、リラックスした状態でまた作業に戻れるようにすることも大切です。

首と肩の力を抜いて、目は遠くの景色を眺めるようにしつつ、鼻から大きく息を吸います(約1秒間)。
今度は、口を少しあけて一気に息を吐きだします。そのときに上がっていた肩をストンッと一緒に落とすようにして、肩まわりの緊張をとくようにしましょう。

ほんの少しの時間であっても、リフレッシュタイムを取ることはとても大切です。

普段からこうした習慣をつけられるよう、意識しましょう。

4-3 付箋に「噛みしめない」とメモして目につくところに貼る

一見単純すぎるアプローチ法のように思えますが、実はとても効果があります。

ポストイットなどに「歯は噛みしめない!」「集中しすぎたら深呼吸&ストレッチを!」などと書いて、デスク周りはキッチンの壁など、集中しているときも目に入りやすい場所に貼るようにします。

噛みしめていないか?ということは気をつけていても、つい無自覚のままにおこなってしまうことがありますので、このような対策が必要になってくるのです。

※ どうしても噛みしめグセが治らない、歯や歯ぐきやアゴの関節に痛みが出てきている、歯の表面にヒビが入っていたり被せものの金属が外れかけている…といった場合は、できるだけ早めに歯医者さんを受診するようにしましょう。

 

5.まとめ

スマホ依存は歯とお口周りの健康にも害を及ぼす可能性があります。
適度な距離感なつきあえるように、スマホやPC画面から離れる時間も大切にしてくださいね。

アゴがあきにくい、あけるときに音が鳴ったり痛みがあるというお悩みをお持ちの方は顎関節症の疑いもありますので、まずは『アゴの異常は「顎関節症」かも?主な症状はこの3つ!』をご覧ください。

 

 

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