歯の表面や歯の裏側に付いている着色(ステイン)。
皆さんは気にして鏡を見たことがありますか?
その色は薄い茶色から真っ黒なものまで人によって異なります。
着色が付く原因も様々で、その人の年齢や普段の食生活、歯並びや正しい歯磨きが出来ているかどうかなどで違ってきます。
定期的に歯のクリーニング(歯のお掃除)に歯科医院に通い、ご自分でも丁寧に歯磨きを行って日々注意をしているのに、2か月もするとうっすら色が付き始めてしまう方がいます。
一方で、何年も歯科医院に治療に来る機会がなくクリーニングもしていないのに、着色が全く付いていない方もいます。
その「差」がどこにあるのかは最初に挙げた通り様々な要因が考えられ、残念ながら一概には言えません。
しかし、着色が付くのを減らす事は出来ます。
今回は歯の着色で悩んでいる方のお役に立てればと思い、改善方法などを考えてみたいと思います。
目次
1.歯科医院で行う着色ケア
今付いている着色汚れをすぐに取りたいのならば、歯科医院でクリーニングをするのが、一番確実できれいになります。
歯と歯の間の狭い隙間に入り込んだ汚れや、歯と歯肉の間に付いた汚れなどを落としていきます。
歯科医院によっては自費での扱いになる場合があるので確認しましょう。
1-1 歯石除去などのクリーニング
保険の範囲でクリーニングを行う場合は、歯周病の治療を目的として行うため、歯周病の検査をすることが決まっています。
レントゲンの撮影や、歯周病の検査を含めて3,000円ほど必要です。
保険外(自費)で行う場合はPMTCと言って、歯石除去のあとのきれいな状態で、専用のペーストと器具とを使って歯を丁寧に磨き、フッ素やトリートメント剤を塗っていきます。
① 60代男性
② 50代男性 ↓ 薄くとも着色していることがわかります
1-2 ブラッシング指導
せっかく歯石やステインを除去しても、ご自宅での歯みがきが上手に出来ていないと汚れはすぐに付いてしまいます。
歯の表面に繁殖する細菌の塊(プラーク)が歯みがきで取り切れないと、約48時間で歯石に変わっていきます。
ザラザラした歯石には着色も付きやすいのです。
《歯並びの悪い部位は特に着色が付きやすい》
下の図の茶色で示したような、歯並びがでこぼこしているところは、歯みがきがうまく出来なかったり、着色の成分が留まりやすいので他の歯よりも、濃い色の着色が付いたりします。ヘッドの小さな歯ブラシを使い、縦みがきをして、良く磨きましょう。
画像:いずれもライオン公式HP
2.自宅で出来るおすすめの着色ケア
歯の汚れを取ろうとして硬い金属などでガリガリこすってしまうと、歯の表面を覆っているエナメル質を傷つけてしまいます。
冷たい物がしみて痛みを感じる「知覚過敏」を起こす可能性があるのでやめましょう。
これから紹介するグッズは、普段の生活の中に取り入れて、継続して使用することが大切です。
歯のクリーニングをした後の着色を取り除いた、きれいな歯の状態で使用をスタートするのがおすすめです。
2-1 「ルシェロ 歯みがきペースト ホワイト」
歯の表面に細かい傷があると着色の色素が入り込んで、着色が目立ってしまいます。
汚れを取ろうとして研磨剤が多く含まれた歯磨き粉を使うのは逆効果です。
「ルシェロ 歯みがきペースト ホワイト」は汚れを浮かして取りやすくします。
歯科材料を扱うGCの製品で多くの歯科医院で取り扱いがあり安心です。
《効果的な使い方》
歯みがきペーストは、歯ブラシにたっぷり乗せてステイン(着色汚れ)が気になるところから磨きます。
歯みがきは力を入れず、毛先が歯にフィットするように優しく磨きましょう。
画像:公式HP
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2-2 「ルシェロ 歯ブラシW―10」
ステインを効率良く除去するために、毛先がひし形毛になっているのが特徴です。
「ルシェロ 歯みがきペースト ホワイト」と一緒に使用すると、より効果が期待できます。
画像:公式HP
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2-3 「キューブホワイト」
歯の裏側はともかく、笑った時に見える歯の表側だけでもきれいにしたい…と思うのは当然です。
汚れが気になった時に手軽にステイン除去するための歯科用スポンジです。
軽い力で汚れをこすって落とします。
画像:amazon
2-4 まめにうがいをする
口の中に着色の成分が残っていて、歯の周りにその成分が留まってしまうと着色しやすくなります。
歯を磨くまでの短い時間であっても、水を一口飲んだり、うがいをすることで洗い流すことが出来ます。
些細なことですが試す価値は大いにあります。
3.歯の着色汚れの種類
ステイン(着色)の原因になるものはいくつもありますが代表的なものを挙げていきます。
これらを知っておくと着色の予防に役立ちます。
日頃の生活を見直すと良いですね。
3-1 たばこ
ステインの中で一番濃く(黒く)頑固に、歯の表面にこびりつくように付いているのがたばこのヤニ(タール)です。
最近は電子たばこの愛用者が増え、禁煙した方も多いので、真っ黒な歯をしている方も随分と減ったとは言え、着色の代表です。
3-2 食品によるもの
毎日の食事や飲み物に含まれる色素が、着色の原因になっているものがたくさんあります。
たばこと違って、性別、年齢に関係なく多くの方に関係しています。
① お茶(タンニン)
お茶に含まれるタンニンが色素や茶渋が歯の着色の原因になります。
中でも紅茶にはタンニンが最も多く含まれていて、ウーロン茶、緑茶の順になります。
ほうじ茶、麦茶、そば茶はタンニンが少ないお茶なのでおすすめです。
《お茶の飲み方のコツ》
茶葉から入れたお茶とペットボトルのお茶では、色素の濃さに違いがあります。
ペットボトルの方が少ないのでおすすめです。
また、熱いお茶は時間をかけてゆっくり飲むので、口の中に含んでいる時間が長くなり、その分着色もしやすくなります。
② コーヒー ・赤ワイン ・チョコレート(ポリフェノール)
ポリフェノールが唾液の中の「ペリクル」という歯を保護するたんぱく質の薄い膜と結合して色素が定着して歯が着色します。
③ カレーライス(ターメリック)
カレーライスの黄色い色は天然の着色料として良く知られています。
時間がたつと茶色に変化していきます。
水を飲むなどして、時間をおかずに洗い流すと良いでしょう。
④ 色素の濃い調味料
しょうゆやソース、ケチャップなど色の濃い調味料も着色の原因になります。
そのまま口の中に入れる事は無いと思いますが、食事のあとは水を飲んで、歯みがきをしましょう。
4.着色ではない歯の汚れ
一見すると、確かに歯に色が付いているのだけど着色ではない歯の汚れがあります。
4-1 歯石
歯石は磨き残したプラークが、唾液の中のリンやカルシウムと結びついて硬くなったものです。
表面がザラザラしているので歯石の上に着色が付いていることが多いのですが、歯石を除去すればきれいな歯の表面が現れます。
4-2 エナメル質の厚さ
加齢とともに長い年月歯を使い続けてくると、歯が摩耗したり、磨きすぎでエナメル質が薄くなったりすることで、その下の層の象牙質の色が透けて見えてきます。
象牙質は元々黄色味がかっているので、歯の色が黄ばんで見えることがあります。
4-3 虫歯
虫歯は初期のものは薄い茶色で、進行と共に色が濃くなってきます。
根元や歯と歯の間に出来た虫歯は着色の汚れに似ている場合もあります。
虫歯の治療をした後の詰め物の周りのわずかな段差に着色が入り込んで取れないことがあります。
段差を研磨をしたり、詰め替えることできれいになります。
4-4 歯そのものが変色している
歯をぶつけて神経が死んでしまって歯が徐々に変色したり、テトラサイクリンの薬を服用したことで、特有の色に変色することがあります。
その場合は表面から色を変えることは難しいです。
神経の治療をして歯の内部に薬を入れて、歯の漂白をしたり、場合によってはホワイトニングをします。
どんな施術が有効なのかはいずれも歯科医師とよく相談して進めていきます。
5.まとめ
歯の着色の原因になる食べものは身体に良い効果を持っているものが、多くあります。それらの食べものを避けることではなく、日ごろのメンテナンスを心掛けましょう。歯の汚れはストレスにもつながります。着色を防いで明るい笑顔で過ごしていただけたら幸いです。