仕事が何日も立てこんでいたり、ストレスが溜まっていたり、風邪などで体調が弱っているたびに口内炎がポツポツできてしまう。
ただえさえ疲れてるのに、口の中もチクチク痛んでますます憂鬱…。
そんなお悩みをお持ちのアナタ。
疲労やストレスが原因による口内炎は、確かに治療薬をつけたり歯医者さんでレーザー治療などをしてもらえれば治すことができますが、根本的な原因を正さないかぎりまたすぐに口内炎が生まれてしまう可能性がありますよね?
今できてしまった口内炎への対処ももちろん必要ですが、生活習慣や食生活の乱れがないか自分の毎日の生活を見直すことで「口内炎ができにくい体づくり」に貢献できるようにしていきましょう。
目次
1.まずは口内炎ができた原因をあらためて考えて
お口の粘膜が赤く腫れたり、白いできものができてしまうことを口内炎といいます。
疲れているとできやすい、というイメージが強いかもしれませんが実は口内炎ができる原因には5つのことが考えられます。
(※この記事ではストレスや疲労によって体の免疫力が低下することでできる「アフタ性口内炎」をメインにして、生活習慣の面から改善していく方法をご紹介していきます。)
その他のことが原因になっている口内炎については、それぞれまったく別の対処法をとることが必要です。
そのため、ここ最近の過ごし方や生活習慣をふりかえってみたときに、自分はどの原因に該当するか検討をつけることが正しい対処法をとるキッカケになります。
もちろん原因が1つではなく、いくつも該当しているケースもあります。
自分ではうまく判断ができない、もしくは口内炎が2週間以上たっても治らないといった場合はできるだけ早めに歯医者さんを受診して相談することが大切です。
疲労やストレスによる「アフタ性口内炎」の特徴
・心身の疲労やストレスが蓄積しているとき、風邪を引いているとき、胃の調子を壊しているときにできやすい
・慢性的な睡眠不足やかたよった食生活によるビタミン不足でも起こる
・見た目は、赤または白のふちどりのされた丸いくぼみ(2mm~1cm)ができる
・食べものや舌など、異物が触れたときに痛む
・放置していても10日~2週間ほどで自然に治ることが多い
白い矢印の先にあるプクっとしたできものが「アフタ性口内炎」です。
1か所だけではなく同時に2、3か所できることもあります。
画像:日本口腔外科学会
そのほかの口内炎の種類はコレ!
●物理的な刺激による傷が原因の「カタル性口内炎」
頬をうっかり噛んでしまった、歯ブラシが強く当たってしまった、入れ歯や矯正器具のかどが当たっている…こうした物理的な刺激によってできてしまった傷に細菌が入りこみ、繁殖することでできる口内炎です。見た目は赤く腫れたり、白い水疱(すいほう)ができます。口内炎の輪郭線が不明瞭なことが特徴です。
●細菌感染による「ウイルス性口内炎」
おもに「ヘルペス性口内炎」と「カンジダ性口内炎」の2つがふくまれます。ヘルペス性の場合は同時に高熱やリンパの腫れの症状を引きおこすことがあります。カンジダ性は頬の内側だけでなく、ノドの奥や舌にも広がってできることがあります。
●特定の食べ物や金属による「アレルギー性口内炎」
アレルギーを引きおこす食べ物や、お口の中の金属のつめもの、抗生物質や鎮痛剤が原因となってできます。原因となる物はたいていお口のさまざまな部分に触れるため、できた口内炎も広範囲にあらわれやすいのが特徴です。
●喫煙習慣による「ニコチン性口内炎」
タバコを吸うことでお口の中が長時間熱にさらされることが原因でできる口内炎です。タバコの煙による口内の乾燥も原因になりえます。見た目は白いくぼみや赤い斑点となってあらわれることが多いです。
くわしくは、『痛~い口内炎!5つの原因と対処法を知って素早く治す』(←クリックで移動)をご覧ください。
それぞれの種類の口内炎の、よりくわしい写真と治療方法についてご紹介しています。
2.アフタ性口内炎を生活習慣から治す!気をつけたい4つのこと
疲労やストレスによってできてしまったアフタ性口内炎。
治りを早くさせたり、また新しく作らないためには一度生活習慣を見直すことが大切です。
2-1 緑黄色野菜が中心のバランスの良い食生活を
まずは毎日の食生活から少しずつ健康状態を正していきましょう。
緑黄色野菜を豊富にとる食生活が大切です。
また、ビタミンB2・ビタミンB6・ビタミンCの摂取もアフタ性口内炎には有効です。
以下の食材を少し意識的に摂るようにしてみてください。
ビタミンB2…レバー、塩サバ、ウナギ、卵、納豆、牛乳など
ビタミンB6…カツオ、大豆、ほうれん草、バナナ、ピーナッツなど
ビタミンC…ピーマン、ブロッコリー、甘柿、キウイ、いちご、オレンジ、小松菜、じゃがいも、キャベツなど
食事の中でまんべんなく摂ることはなかなか難しいと思いますので、その場合はサプリメントなどで補うことも必要です。
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※口内炎ができているときは、お口の中に強い刺激を与えるようなものは避けましょう。口内炎の症状を悪化させ、痛みを強める危険性があります。カレーやキムチなどの香辛料が強く味つけの濃いもの、糖分の多い食べ物やお酒などビタミンを破壊するものはあまりオススメできません。
2-2 丁寧な歯磨きでお口の中を清潔に保つ
口内炎が痛むからといって歯磨きをおろそかにしていると、お口の中の衛生状態が悪化し、ますます口内炎の治りが遅くなることがあります。
歯ブラシの毛先やヘッド部分が口内炎に当たらないように上手く動かしながら、口内炎の近くに生えている歯もできるだけゆっくり丁寧に磨くようにしましょう。
歯ブラシで磨いたあとにはデンタルフロスや歯間ブラシなどを使って、歯の汚れや食べカスを取りのぞくことも効果的です。
画像:ライオン公式HP
歯ブラシ以外の歯磨きグッズを使う習慣がないと、なんだか面倒くさくて手を出しにくいかもしれません。
しかし、たとえば歯ブラシのみを使った歯磨きの場合、歯と歯の間の歯垢除去率は約58%ほどしかないといわれています。
これが、歯ブラシ+デンタルフロスになると除去率は約86%、歯ブラシ+歯間ブラシとなると約95%まで高めることができます。
画像:ライオン公式HP
もう1つ2つの手間で歯をグッとキレイにすることができます!
これを機に、ぜひデンタルフロスや歯間ブラシの導入も検討してみてくださいね。
くわしくは、『磨き残しの気になるアナタに!歯磨きのコツとおすすめデンタルグッズ5つ』をご覧ください。
また、毎回の歯磨きのあと・夜寝る前に洗口液でお口をグチュグチュゆすぐことも、お口の衛生状態を改善するには効果的です。
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※口内炎ができているときは、リステリンなどの刺激の強いアルコール成分がふくまれた洗口液の使用は避けるようにしましょう。場合によっては傷口をより刺激し、痛みが増す可能性があります。
2-3 ストレスの発散・睡眠不足の解消
根本的な原因となっているストレスや疲労はすぐに改善をすることが難しいかもしれませんが、とても重要なことです。
ストレスを上手く発散する方法を見つけたり、1日の終わりには湯船にゆっくり浸かって休息タイムをつくったり、夜更かしせずに早く寝る習慣をつけることで健康状態を回復していくことが何よりも効果的な対処方法です。
2-4 口内炎にはさわらないこと
ついプクっと盛り上がった口内炎の部分が気になってしまって、舌や指先でさわってしまいがちです。
しかし、お口の中には複数の菌が常駐しており、洗い立てでない指にもさまざまな有害な菌が付着している可能性があります。
そういった状況で口内炎にさわってしまうと、雑菌が傷口に入り、さらに口内炎の症状を悪化させたり治りを遅くする可能性があります。
「そろそろ治ってきたかな~」と気になって舌でさわって確認したくなる気持ちはわかりますが、グッとこらえて鏡などで見て確認するようにしましょう。
また口内炎の塗り薬を塗る際には、しっかりと手洗いした指でおこなうようにするか、綿棒を使って塗るようにしてください。
3.まとめ
薬や歯医者さんでの口内炎治療に頼ることも必要ですが、自分で改善できる範囲で生活習慣を正すことも、新たに口内炎をつくらないようにするための大切な手段です。
また、もし口内炎が口の中全体や唇、鼻のほうにまで広がってきてしまった・同時に発熱や体のだるさの症状がある・生活習慣を改善したり市販薬をつけても2週間以上治らないという方は、できるだけ早く歯科・口腔外科・耳鼻咽喉科などの医療機関の受診をするようにしてください。