唾液検査で分かる~あなたのお口の虫歯予防の仕方~

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唾液検査、という検査があることを知っていますか?
最近テレビなどで少しずつ知られてきています
果たしてどんな検査なのか、どんな人が受けた方がよいのか、なにをするのか、説明していきましょう 

1.唾液検査とは

僕たちが虫歯になるにはたくさんの理由があります。
「歯磨きをしないから」、「甘いものばかり食べているから」などの理由がすぐでてきますが、これだけではありません。
このような歯磨きや食生活に加えて唾液の量や力、細菌、フッ素を使っているかなど様々な要因が重なって起きているのです。
ですが唾液の量や性質、細菌の量などは普通目に見えません。その見えない部分をあきらかにしてくれるのが
唾液検査
なのです。

2.唾液検査をすると分かる3つのこと

まず唾液検査をすることで分かるあなたのお口の中のこと、そしてその効能から説明していきます
自分では決して分からない自分の唾液の能力、、気になりますね 

2-1.とても大切!唾液の量

まずは唾液の量です。検査では制限時間内にガムのようなものを噛みながら唾液を出し続けてもらい量を測ります。唾液は食べかすや虫歯菌を洗い流したり、歯を再石灰化(補修のようなもの)してくれたり、細菌の繁殖を抑制してくれたり虫歯予防になくてはならないもの。分泌量が多いほどその効果は高まります。

逆に唾液の量が少ない人は虫歯になりやすい状態です。生まれつき少ないこともありますが、緊張やストレスなどの心理的要因もあります。
また歳を重ねて唾液の量が減ってきたような気がするかたも是非調べてみましょう。

つば

2-2.菌に抗う!唾液の力

唾液を専用の紙に垂らして色の変化を見ることで、唾液の力、中和作用が分かります。

食べ物を食べた後、お口の中は虫歯菌の生み出す酸により歯が溶けやすい酸性の状態に傾いていきます。しかしそれを唾液は中性の環境に戻してくれます。これを中和作用といいます。

唾液の力の強弱で中性に戻るスピードは変わります。もちろん強いほうが良いです。これは歯の再石灰化が始まる時間に影響するため、「唾液の力=歯の質」とも言えるでしょう

免疫

-3.虫歯菌の代表格!ミュータンス菌とラクトバチルス菌の数がわかる

お口の中には大量の細菌が存在していますが、唾液の中の菌を培養することで、ミュータンス菌とラクトバチラス菌の数を調べることができます。もちろんこんな菌は少ないに越したことはありません。

ミュータンス菌が多いと虫歯になりやすい

ミュータンス菌とは虫歯のきっかけを作る菌です。歯の表面の汚れ(プラーク)を温床として増殖し、歯の表面を溶かしていきます。つまりこの菌が多いということは単純に虫歯になりやすいお口の中、ということになってしまいます。餌となるプラークを歯磨きやクリーニングで取り除き、虫歯のリスクを減らしましょう。

ラクトバチルス菌が多いと虫歯が悪化しやすい

ラクトバチルス菌は腸の中にもいる乳酸菌の一種です。歯の表面に付着する力はないですが、虫歯の中に住み着くことができるため、ミュータンス菌に開けてもらった穴に入り込んで中から虫歯を進行させていきます。

この菌が多いということはすでに虫歯が口の中に存在しているかもしれません。また、糖分が大好きなので、糖分を控えるなどの配慮が必要です。

3.唾液検査の5つの流れと注意事項

それでは唾液検査はどのようなことをするのか、オーラルケアさんのデントカルトというキットを使って順番に流れを説明していきましょう。

3-1.唾液からミュータンス菌のサンプル採取

まずパラフィンワックスを1分間噛みます。お口の中で転がしながらいろんなところで噛みましょう
それから検査キットの板状のストリップスを舌の表面に繰り返し押し当てて唾液中のミュータンス菌のサンプルを採取します。
このときワックスは口にいれたままにしておきます。
ストリップスは検査液の入った容器に入れて培養します。48時間ほどかかるので結果は後日になります。

デントカルトSM

3-2.唾液を出して量を調べる

先ほどのワックスを5分間噛み続け、出てきた唾液をひたすらメートルグラスに入れます。
そしてどれくらいの唾液が出たか量を測定します。基準となる値は年齢により異なります。

メートルグラス

3-3.検査紙で唾液の力(中和作用)を調べる

今度は先ほど溜めた唾液を一滴、測定キットの紙に垂らします。するとリトマス試験紙のように検査紙の色が変化していきます。
黄色
緑色青色
と中和作用の力が強いと変化していきます。黄色のままだと相当弱いことになります。

デント

3-4.最後は唾液からラクトバチルス菌を調べる

最後はラクトバチルス菌ようのキットに残りの唾液を流しかけます。そしてミュータンス菌の時と同じように培養します。
こちらの検査結果が出るのは遅く、48時間後です。

デントカルトLB

3-5.検査結果を聞き指導を受ける

菌の培養も終わったころに来院していただき、検査結果を聞きます。自分の唾液の能力、虫歯になりやすさを知り、その結果を踏まえて指導をうけましょう。

唾液の量が少なければ唾液腺マッサージの仕方をならったり、唾液の力が弱ければ補うためのブラッシング指導や含嗽剤の使用など、色々教えてもらいましょう。

3-6.検査を受ける前に気をつけること

なお、検査の前には注意事項がございます。

  • 検査前1時間以内に飲食、喫煙、歯磨きをしない。
  • 直前に激しい運動をしない。
  • 検査前5-6時間以内に殺菌作用のある成分を含む歯磨き剤や洗口液などを使用しない。
  • 口紅やリップクリームなどはつけない。
  • 検査前1カ月以内に常用薬以外の何らかの薬を服用していたり、唾液中に血液が含まれているなら検査は延期する

以上です。検査を受ける皆さんは気を付けましょう。

4.歯科医が唾液検査を勧める人とは

唾液検査は行うことで、その人が虫歯になりやすい状況かどうかを確かめることが最大のメリットです。
そのメリットを最大限に利用したほうが良いと歯科医が判断する人はどのような人か、紹介していきます。

4-1.虫歯になりやすい人

歯をきちんと磨いているのに虫歯になる、定期健診に行く度に虫歯を指摘される、そんな方におすすめです。
自分のお口の中が虫歯になりやすいか分かりますし、もしなりにくいお口だった場合、自分の磨き方や口腔内ケアが間違っているということも分かります。
どこに問題があるのかを探るのにも有効ということですね。

虫歯

4-2.乳歯から永久歯に萌え変わる子供

永久歯は生え変わりのころは幼若永久歯と呼ばれ構造的に虫歯になりやすい状態になっています。
すのでこれから永久歯に生え変わり始める、また生え変わっている最中のお子さんにはとてもおすすめです。
お口のなかの状態を知っておく事で、虫歯になりやすい時期を乗り越えるための予防をしっかりできるかもしれません。
さらに8歳まで口の中に虫歯菌がいなければ18歳くらいまで虫歯になることはないというデータがありますので、いるかいないか知っておくのもいいですね。

きれいな歯

4-3.妊娠中の女性やこれからパパになる人

虫歯となるミュータンス菌は母親父親から赤ちゃんに感染します。そのため赤ちゃんが生まれる前に、自分たちがどれだけ虫歯になりやすいのかを調べてミュータンス菌を減らす工夫をしましょう。それが赤ちゃんの虫歯予防にもつながるのです。

妊婦

4-4.口が渇く様になってきた高齢の方

歳を重ねていくと口の中に分泌される唾液の量がだんだん減っていきます。最近口の中が昔と比べて乾いてきたと思われる方、一度唾液検査を受けてご自分の唾液の量を調べてみてはいかがでしょう。

虫歯

5.5分で完了!?最新の唾液検査キットとは

今回はオーラルケアさんのデントカルトというキットを使った説明をしましたが、最近になってすぐ結果の分かる唾液検査がでてきました。その一つがこのアークレイのスポットケムSTです

スポットケム

このスポットケムSTは検査紙に唾液を垂らしセットするだけで、たった五分で7つの項目を調べることができます。

虫歯菌、酸性度と緩衝能(中和作用)、赤血球、白血球、タンパク質、アンモニアの7つです。さらにそれをレーダーチャートとともにビジュアル化し分かりやすくしてくれます。

赤血球と白血球、タンパク質は歯茎からの出血などないかが分かり、アンモニアは口臭の度合いなどがわかりますまだでてそんなにたってない商品ですが5分という短さで検査が終わるのは魅力的ですね

6.だいたいいくら?唾液検査の値段

唾液検査は保険診療では行うことができません。
なので自費診療になります。故に歯医者ごとに値段のばらつきがみられます。もちろん検査キットの種類により値段もかわってくるのですが、だいたいが5000円以内で受けられます。
興味のある方は行く予定の歯医者さんに値段を聞いてから行きましょう。

7.まとめ

いかがでしたでしょうか?唾液検査とはどういうものかお分かりいただけましたか?
興味が出た方はぜひ近所でやってる歯医者さんをさがしてみましょう。

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