学校検診で虫歯あり!歯医者ではなし!これってなんで?

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歯医者で「虫歯ないですね」と言われたのに、お子さんが学校の検診で“例の紙”をもらってきてしまった…
そんなことってありませんか?

虫歯ないって言ったのにどうしてだろう?

そんな疑問に対して、説明をしていきたいと思います

1.そもそも学校検診とは

学校検診と歯医者の検診は、求められる役割が違います。その差から、虫歯がある・なしのくいちがいが出てきてしまうのです

それでは順番に説明をしていきます

1-1.学校検診は疑わしい子を歯医者に行ってもらうために行う

学校検診は、疑わしい所見がある子を歯科医院につなぐ(行ってもらう)ためにおこなわれており、虫歯かどうかをはっきりさせるために行われていません

どういうことかというと、学校にいるたくさんのお子さんの中から、歯科的なトラブル(虫歯・かみ合わせ・歯肉炎)がおこりそうな子を発見する、つまりスクリーニング(ふるい分け)しているのです
このスクリーニングは、ぱっと診て大丈夫かそうじゃないかと判断する簡易的なものなので、歯科医院で行うちゃんとした診察とはまったく違うのです

1-2.設備・時間制限がある

歯科検診を受けられた人ならわかると思いますが、歯科医師は限られた時間でたくさんの生徒さんを診なければなりません。1分も口の中をみてもらわなかったのではないかと思います。

なんでちゃんと診てくれないんだろう…

と思うかもしれませんが、もしも1人に5分などかけてしまったら、生徒さんの授業は押しに押し、昼休みや帰宅時間に影響がでてしまうこともあり得ます。あくまで歯科検診は集団検診(スクリーニング)なので、1人に何十秒しかかけられないのです。

また、設備も簡易的ですよね

学校検診

学校検診では上の図のように、面向かいになって、スポットライトで口の中を照らして行います。

このスポットライトは、正直なところ、暗くてよく見えません。歯科医院で使う治療専用の椅子(ユニット)に取り付けられているライトに比べたら、奥歯はほぼ見えていないようなものです。

そして、道具もミラー(お口の中専用の鏡)でしか確認できません。

このように、学校検診は時間と道具の制限のもと行われているので、歯科医院で行う診察とはまったく違うのは明らかですね

1-3.学校検診は精密な診断ができない

上で説明したとおり、学校検診は時間と設備の制限があるもとに行われるので、疑わしい所見があっても、治療が必要なのかどうかまでは診断できません。そもそも、スクリーニング検査なので、精密な診断までの役割まで求められていないのです。精密な診断は、歯科医院で行います

2.歯科医院の検診とは

歯科医院は医療の場なので、医療的に精密に検査をして、悪いところを治していく場所です

つまり、スクリーニングで疑わしい所見を持っているお子さんが、治療が必要なのか、異常がなかったのか。異常はあるけど積極的な治療をしなくて良いかどうか、はっきりさせる場所になります

2-1.専門の設備でしっかり検査する

歯科検診は設備の制約がありましたが、歯科医院は専門器機がそろっています

疑わしい所見に診断を下さないといけませんので、専門の治療の椅子や道具のほかに、エックス線なども使用していきます

2-2.子供の歯を長期的に管理する

 歯科医院では、明らかに手を加えないといけないような所見があったら、削ったり磨いたりして治していきます

しかし、虫歯になりかけている歯や、ごく浅い虫歯などは、削らずに定期的にフッ素を塗ったりなどして経過観察(長期的に虫歯にならないかどうか管理)することがあります。そういったときは削ったりはしません。

参考「虫歯を自力で治す~治せる虫歯と治せない虫歯の見分け方~

歯医者で「虫歯なし」と言われたけど、学校検診で「虫歯あり(要観察歯あり)」と言われてしまうくいちがいが起こるのは、虫歯になりかけている歯でおこりやすくなると考えられます

3.“虫歯あり”とされるかもしれない5つのパターン

それでは、どういった歯に判断のくいちがいがでてくるのか説明していきます

3-1.着色

お茶やコーヒーなどを飲むお子さんは、歯に着色してしまいます。
歯科検診は薄暗いスポットライト下で行われるので、黒いところを「虫歯かな?」と判断され、虫歯ありとされてしまうことがあります

3-2.虫歯になりかけの白い虫歯

白濁

白濁

CO

虫歯になりかけている歯は白い色をしており、歯のカルシウムがとけてしまう(脱灰する)ことによって起こります。穴はあいていません

脱灰

脱灰した歯は、カルシウムを取り込む(再石灰化する)ことでもとに戻ります。再石灰化は毎日の歯磨きや、フッ素塗布などによっておこります。

再石灰化

例えば、白い虫歯があって口の中に汚れがたまっているお子さんがいたとしたら、学校検診の先生は
「ちゃんと歯医者に診てもらって虫歯になる前に管理してもらったほうが良いな」
と思い“虫歯あり”や“要観察”と判断することがあります

3-3.小さな虫歯

小窩裂溝う蝕

上の図を見ると、歯の溝のところが少し黒くなっています。これは着色なのか、それとも歯の表面のエナメル質というところの虫歯なのか、判断が難しい所見になります

こういった判断が難しい歯も、学校検診の先生が「ちゃんと調べたほうが良い」と判断したら“虫歯あり”とされます

3-4.食べかす

朝ごはんのあとだったり給食のあと、食べかすが歯にはさまっていることがあります。明らかに食べかすだとわかる場合ならともかく、奥歯にはさまっているときは虫歯と見間違えることがあります

これは、学校検診が限られた設備の下でおこなわれているため起こることであり、学校検診の先生の能力がないというわけではありません

3-5.黒い歯石

 歯石には白い歯石と、黒い歯石があります。黒い歯石が虫歯と見間違えられてしまうことがあります

4.まとめ

説明したとおり、学校検診と歯科医院での検診はまったく違います。

もし、かかりつけの歯医者で虫歯なしとされていたのに検診でひっかかっても、そういうことが起こりえることをご了承ください

紙をもらったら、歯医者に行って来院したという記録をしてもらわないといけないので少し面倒くさいかもしれませんが、お手数ですがどうぞご来院ください

学校歯科検診マニュアル

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