ブリッジ治療をした後に痛みが出てしまった時どうする? 

知覚過敏
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みなさんブリッジ治療をした歯が痛くなったことはありませんか?

ブリッジ治療は歯を失った場合の治療法ですが、その治療には適応症と禁忌症があったのです。

ブリッジ治療の禁忌症でブリッジ治療を選択してしまった場合には、ブリッジ治療した後に痛みが出たり、最悪の場合にはブリッジ全体が抜けてしまうこともあります。

あなたがブリッジ治療をした後にそうならないよう、ここでは解説していきます。

1.ブリッジ治療後に発症する痛みの特徴と原因とは?

ブリッジというのは橋という意味です。橋にはそもそも過積載〇kgまでなどといった表記があるのをご存知でしょうか?橋げたや橋が壊れないように渡れる車の重さを制限しているのです。ブリッジで治療でも同じように、かみ合わせが強い人や、橋げたにする歯が弱っている場合にはブリッジ治療が禁忌症になるケースがあります。その場合には、ブリッジ治療後すぐに痛みやしみなどが生じてきます。橋に設計が必要なようにブリッジ治療にも適応症と禁忌症の見極めがとても重要になります。

橋の構造イラスト

1-1かむと痛い

ご自身のブリッジを見てください。抜いた歯の周りの歯が差し歯のようにかぶさっているでしょう。

ブリッジは3本以上の歯をつなげて作るので、抜いた歯が受けていた力の分まで橋げたの歯が力を負担している状態です。ですから、かむ力が強すぎる、歯ぎしりをするなどで外傷を生じ、その結果痛みが発症する場合があります。

またかむ力が正常でも、橋げたの歯が弱くなっている場合には、かむと痛くなる場合があります。

 噛んだ時の歯にかかる力

1-2水やお湯がしみる

ブリッジ治療後に水やお湯がしみる場合には2つの可能性があります。

1-2-1 歯の神経の炎症によるしみ

1番目は、ブリッジ治療は隣の歯を削って行うため、削った刺激により歯の神経が炎症を起こしてしまう場合です。

しみが強くない場合には、1か月程度様子を見て、症状が落ち着いて来れば、ブリッジはそのままで問題ではありません。一方、しみがだんだん強くなってずきずきとして痛むようなら、歯の神経の急性炎症発作のため、神経の治療が必要になります。その場合にはブリッジを一度はずす必要が生じます。

1-2-2 歯に外傷を生じたことによるしみ

1-1で解説した通り、ブリッジ治療により橋げたの歯には過大な力がかかります。その力により歯の周りや内部の組織が外傷性の炎症をきたし、治療後にしみを感じることがあります。この場合には初期には軽いしみだったものが、日がたつにつれてかむと痛いといった症状を伴ってくることが多いです。

歯の神経のイラスト

1-3歯ブラシをあてると痛い

ブリッジ治療前に歯周病といわれた経験はありませんか?ブリッジ治療をしたことで、橋げたの歯に過大な力がかかってしまった可能性があります。歯周病の歯にブリッジ治療をすることで、歯周病も悪化してしまいます。その場合にはブリッジしている歯の歯肉がはれたり、膿みが出てきたりしてしまいます。

 ポンティックしたのプラーク

1-4その他

その他、痛みはないが違和感がある、口をあいたときに痛い、朝だけ痛い(夜だけ痛い)、など様々な痛みが出る場合があります。ブリッジ治療してから年数が経過している場合には、ブリッジの下で虫歯になっていたり、くっつけたセメントの劣化して外れかかっていることによる痛みの可能性もあります。

 

2.痛みが出た時の対応法

どの痛みに対しても、痛みに対しての対症療法を行います。それでも痛みが取れなければブリッジを除去する必要が生じます。ですから、治療中痛みがあった、ブリッジ調整時に違和感があって不安な場合には、主治医の先生に症状を伝え、2週間程度はブリッジを仮りに着けてもらったほうがよいでしょう。

2-1かむと痛いときにはかみ合わせの調整をしてもらいましょう

かむと痛い場合には、まず対症療法として歯医者さんでかみ合わせの調整が必要になります。歯医者さんにかかるまではブリッジでは食べ物をかまないようにしてください。かみ合わせの治療で痛みが取れれば予後を注意深く観察していきます。残念ながら、かみ合わせの調整で症状が変わらなければ、ブリッジを外して橋げたの歯にかかる力を減らしてあげなければなりません。この場合にはブリッジによる再治療でも同じ結果になってしまうため、他の代替治療を検討されることをおすすめします。

2-2水やお湯がしみるときにはぬるま湯で歯ブラシしましょう

2-2-1歯の神経の炎症によるしみ

ブリッジ治療は隣の歯を削って行うため、削った刺激により歯の神経が炎症を起こす場合です。

しみが強くない場合には、知覚過敏予防薬などを塗布して1か月程度様子を見て、症状が消退してくるか経過観察します。一方、しみがだんだん強くなってずきずきとして痛むようなら、歯の神経の急性炎症が疑われるため、神経の治療が必要になります。

 

2-2-2 歯に外傷を生じたことによるしみ

基本的な対応法は2-1と同様です。このしみは、ブリッジが受けるかむ力によって外傷を生じたことで歯の周りおよび内部の組織が炎症を引き起こしてしまったことが原因です。それゆえ、2-1の処置に加え、歯の周りの治療(歯周病治療)や歯の神経の治療(歯内治療)が必要になる場合があります。

2-3歯ブラシをあてると痛い時は軟らかめの毛先のブラシでマッサージしましょう

歯茎が軟らかくなっている場合には、歯ブラシでごしごし磨いてしまうのは逆効果です。それよりも、柔らかい歯ブラシの毛先や歯間ブラシで歯茎をマッサージして血行を良くしてあげてください(ローリング法、スティルマン改良法)。この場合も症状が続く場合には、一度ブリッジを除去して、ブリッジ以外の治療を検討していくことになります。

 ローリング法によるマッサージ歯間ブラシ使い方

2-4その他

どの痛みや違和感に対しても、痛みが消えなければ最終的にはブリッジを壊す必要が生じます。

一方、ブリッジ治療してから年数が経過している場合の痛みや違和感の場合には、ブリッジ治療に適応していたケースが考えられます。同じブリッジを再装着するか、同じ橋げたの歯で同じ設計でブリッジを新しく作り直してもブリッジ治療後に痛みが出る可能性は低いでしょう。

 

3.そもそもブリッジ治療とはどんな治療?

ブリッジ治療とは歯を抜いた後の隣の歯を削ってつなげて治す治療です。

ブリッジ治療には2つの注意点があります。

歯科ブリッジの構造

3-1歯を抜いた後の隣の歯を削らなければならない

すでに隣の歯が削ってある状態であればいいのですが、そうでなければ、わざわざ治療のために健康な歯を削らなければなりません。多くの患者さんは健康な歯を削ることはとても嫌がりますし、私もおすすめしません。

3-2つなげて治さなければならない

本来であれば成人は全部で28本の歯があり、それぞれがつながらずに単独で存在しています。ブリッジ治療は虫歯や歯周病で歯を失った後に、その状況が悪かった歯の近くの歯に力を借りてつなげていきます。治療当初は取り外しがないため患者さんは違和感なく過ごせて快適です。しかし、少しでも歯ブラシを怠ってしまうとつなげて治してしまうがゆえに、ブリッジ全体が痛み出してしまいます。かえって抜歯前より状況が悪化してしまうことがあります。

歯科ブリッジ下のプラーク

4.痛みを出さないためのケアについて

ブリッジ治療の後に発生した痛みの原因と対応法についておわかりいただけましたでしょうか?

ここではブリッジ治療後に痛くならないように、そのためのケアに対してご説明します

4-1 抜歯した歯の原因を理解する

ブリッジ治療になった歯の抜歯の原因を知ることは再発防止のための第一歩です。歯周病なのか、虫歯なのか、硬い食べ物を食べて歯が割れてしまったのか、歯ぎしりなどで歯が揺れてしまったのか、などを担当医から説明を受けてその原因を理解することが重要です。その原因によってはブリッジ治療が禁忌症になってしまうことがあります。

4-2ブリッジを支える歯の歯ブラシ方法をマスターする

ブリッジを支える歯は24時間365日ブリッジにかかる力を受け続けます。ですから、抜歯前以上にブリッジを支える歯の汚れをきれいにしなければなりません。特に汚れやすいのがポンティックといって、抜歯した歯のダミーの歯の下の部分と、隣接する歯の部分です。ここは歯間ブラシといって、歯ブラシ以外の補助清掃用具できれいに磨いてあげる必要があります。

清掃後の歯科ブリッジ

4-3噛んで痛いときは早めに歯医者さんでかみ合わせの調整をしてもらいましょう

ブリッジはつなげて治す治療法のため、単独な歯より噛んだ時に受ける力が大きくなります。ですから様子を見ていると、通常より歯や歯を支える組織に対するダメージが大きくなってしまいます。ブリッジの部分が痛くなった時には、早めに歯医者さんに診てもらうことが大切です。

4-4ブリッジ治療が合わないときには他の代替治療を検討する

歯が抜けた後にはブリッジ治療の他にインプラント治療、義歯(入れ歯)治療があります。それぞれが患者さん個々で

適応症と禁忌症があります。ブリッジ治療後に痛みが出た場合には、歯医者さんとよく相談してブリッジ治療以外の治療に変更しないと痛みが止まらないケースがあります。

 ブリッジの代替治療

4-5 その他の注意点

痛みが出たブリッジを指で触ったり、つまんでゆさぶる行為はさらに痛みがひどくなる場合があります。

また長期間ブリッジとは反対側で食事していると、食事している側のかぶせ物が外れたり、歯が痛くなって両側で食事することができなくなってしまいます。痛みがある場合にはなるべく早期にブリッジ治療を受けた歯医者さんで診察を受けることをおすすめします。

5.まとめ

ブリッジ治療後に発症する痛みの特徴と原因がおわかりいただけましたか?

ブリッジ治療は本来ならお口の中に存在していなかった3本以上の歯をつなげてしまう治療方法です。ですからブリッジ治療には適応症と禁忌症が存在していたのです。抜歯に至った原因、歯を失った後の治療にはどのような治療が自分に合っているかを歯医者さんとよく相談したうえで、治療を選択することが重要です。また、ブリッジ治療を選択した場合にはブリッジ周りのおそうじ方法を知って、ブリッジを支える歯が悪くならないように定期的に歯科医院でメンテナンスを受けてください。

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