妊娠してから、今までまったく平気だった歯磨き粉の匂いがなんだか気になる…。
歯ブラシを口に入れただけで気分が悪くなってしまって、うまく歯磨きができない…。
妊娠中は外出するのにも一苦労だし、できれば歯医者さんに行かなくて済むように虫歯はつくりたくない!
だけど毎日満足に歯磨きもできない…。
そんなお悩みをお持ちのアナタ。
ここでは、妊娠中でも快適にオーラルケアをおこなうことができるコツをご紹介しています。
ニオイや味に敏感になりやすく体調にムラがでやすい妊娠中でも無理なくおこなうことができ、歯周病・虫歯予防に効果の高い歯磨き方法7つをお教えしましょう。
体調や気分に無理のない範囲でできる方法がありましたら、ぜひ取りいれてみてくださいね。
目次
1.妊娠中も快適に歯磨きをするための7つのコツ
つわりで気分が悪くなってしまう、体調がすぐれず歯磨きに時間をかける余裕がない…。
そんなときはこれからご紹介する7つのコツをどれか1つでも実践してみましょう。
実は、重度の歯周病にかかってしまうと、歯周病でない人に比べて早産のリスクが非常に高くなることがわかっています。
画像:「早産の発現率」クリニカ公式HP
生まれてくる赤ちゃんのためにも、そしてもちろんご自身のお口の健康のためにも、妊娠中でもできるだけオーラルケアはしっかりおこなうようにしましょう。
1-1 歯ブラシはヘッド部分が「薄い・小さい」ものを
まずは歯磨きの道具選びからです。
つわりで吐き気を感じやすい状態のときは、歯ブラシの異物感が吐き気を誘ってしまうことがあります。
歯ブラシはヘッド部分が薄くて小さいものを選べば、奥歯のほうに入れても頬の内側や舌にふれにくいため気分が悪くなりにくいのです。
柄(え)の部分も細めのものを選びましょう。
オススメは「クリニカ アドバンテージハブラシ」です。
画像:クリニカ公式HP
「極薄ヘッド」のこちらの歯ブラシは一般的な歯ブラシと比べても毛の高さが低く、ヘッドの横幅も狭くなっているため、理想的な「薄い・小さい」ヘッドを実現してくれています。
ヘッドのサイズは「超コンパクト」と「コンパクト」の2タイプあります。
1本ずつ丁寧に磨きたいなら「超コンパクト」、できるだけ歯磨きの時間を手短かに済ませたいなら「コンパクト」を選ぶのがよいでしょう。
毛の並びは全体的に細長い「スリム形状」の毛先3列タイプと、先が細くなっている「先細形状」の毛先4列タイプがあります。
毛のかたさは「ふつう」「かため」「やわらかめ」の3タイプあります。
妊娠中の歯ぐきは腫れやすく出血もしやすいため、この商品にかぎらず歯ブラシは「やわらかめ」を選ぶようにしましょう。
1-2 歯磨き粉は「香料ひかえめ・泡立ちにくい」ものを
味覚や嗅覚が敏感になりやすい妊娠中は、味・匂いがマイルドな歯磨き粉を選ぶようにしましょう。
泡立ちやすい一般的なペーストタイプの歯磨き粉は、磨いているうちにどんどんお口の中が泡でいっぱいになってしまい、気持ち悪くなりがちです。
泡立ちの少ないジェルタイプのものや発泡剤無配合の歯磨き粉を選んで使うようにしましょう。
さらに、フッ素(フッ化化合物)が高濃度で配合されているものが虫歯予防に大変オススメです。
フッ素の濃度はパッケージに「ppm」という単位で表記されています。
「ジェルコートF」は、発泡剤・研磨剤無配合のジェルタイプの歯磨き粉です。
刺激の強すぎないさわやかなミント味で、フッ素が950ppmと高濃度で配合されているのがオススメポイントです。
1-3 歯と歯の間の汚れには片手で使えるY字フロスを
歯ブラシは歯の面の汚れを取ることはできますが、歯と歯のせまい隙間に入った食べカスは取りのぞくことができません。
通常はデンタルフロスなどの補助清掃グッズを使って、歯間の汚れを取りのぞきます。
しかし、両手の指に巻きつけて使用する一般的な糸状のデンタルフロスだと、指をお口の中に入れるためにお口を大きく開く必要があるため大変です。
そこでオススメしたいのが、Y字タイプのデンタルフロスです。
片手で持つことができるため、手鏡などを見ながら使えるのも利点です。
こちらの「クリニカアドバンテージ デンタルフロスY字タイプ」は洗ってくりかえし使うことができます。
鏡で見ても目立たない歯と歯の間の汚れですが、目立ちにくいからこそついそのままにしてしまい、その結果虫歯になりやすい部位でもあるのです。
普通の歯磨きのあとにデンタルフロスを使ったお掃除をすると、歯垢(プラーク)の除去率が30%もアップするといわれています!
これは妊娠中にかぎらず、ぜひ普段から取りいれたい歯磨きグッズですね。
「歯間部の歯垢(プラーク)除去率」
画像:すべてクリニカ公式HP
1-4 つわりの軽い時間帯に歯磨きをする
歯磨きは基本的に毎食後おこないますが、妊娠中つわりの症状が強いときは無理をする必要はありません。
食後は軽くお水で口をゆすいで食べカスを流すだけでとどめておき、体調のよい時間帯があれば歯磨きをおこなってみましょう。
テレビを観ながらなど、気がまぎれる「ながら磨き」もオススメです。
入浴中などリラックスしているときに試してみるのもいいでしょう。
1-5 歯磨き中は顔を下に向けると気持ち悪くなりにくい
お口の中に歯ブラシを入れると気持ちなりやすい場合は、一度この方法を試してみてください。
背を丸めてアゴを引き、顔を下に向けて歯磨きをおこなうと気持ち悪くなりにくいです。
歯ブラシのヘッドが舌に当たると吐き気を誘うことがあるので、奥歯を磨くときは歯ブラシを小刻みにチョコチョコ動かすようにしましょう。
ジェルタイプの歯磨き粉の場合、液状のため下を向いているとたれやすくなります。
洗面所で立って歯磨きするときには問題ありませんが、短時間でも立っているのがツラく、座って歯磨き粉をしたいときもあります。
そんなときには小さめの洗面器を用意して、それを受け皿にして歯磨きをしてみましょう。
1-6 マウスウォッシュは手軽にできるオーラルケア
高い殺菌力のあるマウスウォッシュでブクブクうがいをすることで、歯周病・虫歯予防ができます。
ただし、アルコール成分の入った海外のマウスウォッシュなどは匂いが強いため避けましょう。
歯磨き粉と歯ブラシを使った歯磨きがどうしてもツライ…という方には、こちらの手軽にできるオーラルケア方法をオススメします。
「コンクールF」は、コップ1杯の水に本製品を数滴まぜてブクブクうがいすることで、高い殺菌効果が約12時間持続します。
マイルドミントのさわやかな味です。
画像:ウエルテック公式HP
こちらは1本で360~700回使えるため、産後のオーラルケアの際にもぜひ継続して使っていただきたい商品です。
妊娠中に普通の歯磨きが無理なくおこなえる方でも、普通の歯磨きのあとにこちらのブクブクうがいをプラスすることで、より歯周病・虫歯予防に効果的なのでオススメですよ。
製品公式HP(ウエルテック)より「ご使用上の注意」
- 本剤又はグルコン酸クロルヘキシジンでアレルギー症状を起こしたことのある人、口の中に傷やひどいただれ等のある人は使用しないでください。
使用中にじんましん、息苦しさ等の異常があらわれた場合には直ちに使用を中止し、医師、歯科医師又は薬剤師に相談してください。
特に、アレルギー体質の人や、薬等で発疹等の過敏症状を経験したことのある人は、十分注意して使用してください。
1-7 起きあがれない時は歯磨きシートとキシリトールガム
どうしても起きあがるのがダルイ…。
でも食べたあとにちゃんと歯を磨かないと虫歯になってしまうし、何よりお口の中が気持ち悪い。
そんなときには、歯磨きシートというものを使ってみましょう。
うがいの必要がないため、起きあがらずにお口のケアができます。
キシリトール配合・クールミント風味のウェットシートが個包装で入っています。(5枚入り)
歯ぐきをあまりこすらないように注意しながら、やさしく歯の表面をこするようにして汚れを落とします。
そのほかに、寝ているままでできるオーラルケアとしてキシリトールガムを噛むことをオススメします。
ガムを噛む動作というのは、「唾液腺」といわれる唾液を管理する器官を刺激するため、唾液の分泌量を増やしてくれます。
唾液は虫歯予防に高い効果を発揮してくれます。
それではなぜ「キシリトール」のガムがよいのでしょうか?
それは、キシリトール成分に虫歯菌の活動を抑制する効果がふくまれているためです。
甘味料の入った甘いお菓子ガムでは唾液の分泌量は増えますが、含まれる「糖」をエサに虫歯菌の活動が盛んになってしまうのです。
選ぶなら「糖類0g・キシリトール50%以上配合」のガムを選ぶようにしましょう。
たとえキシリトール自体が配合されていても、実は配合量が50%未満の場合は虫歯予防の効果は期待することができないのです。
オススメは歯科専用のキシリトールガムです。
画像:オーラルケア公式HP
amazon購入ページ(パウチタイプ21粒入り)
糖類0gでキシリトール含有量はなんと100%!これ以外の甘味料をいっさい配合していません。
一般的なキシリトールガムよりもおよそ2倍の硬さで作られていて噛みごたえがあるため、その分唾液の分泌量も増えやすくなります。
こちらも妊娠中にかぎらず、普段の虫歯予防にぜひ取りいれていただきたい商品です。
2.歯医者さんの定期検診でお口のチェックをしよう
歯周病チェックや虫歯の早期発見のためにも、歯医者さんで定期検診を受けるようにしましょう。
虫歯があった場合は、体調や虫歯の進行度にあわせてどういった検査・治療をおこなうか歯医者さんが治療計画を立ててくれます。
抜歯などの大がかりな処置は出産を終えるまで見送ることがほとんどですが、1回で簡単に治せる治療であれば妊娠中期の体調が安定してきている時期であれば妊娠中にもおこなうことができます。
治療にあたりレントゲン撮影をおこなうことがありますが、これによる胎児の被ばくの心配はありません。
どうしても心配な場合はレントゲン撮影をおこないたくないことをお伝えください。
また、歯科治療で使用される麻酔は無痛分娩の際に使われる麻酔であるため、こちらも胎児への悪影響のご心配はありません。
ただし、麻酔後気分がすぐれないということがあるようであればすぐに担当医に伝えるようにしてください。
くわしくは、『妊婦でも虫歯治療は受けられる? 不安解消のために知っておきたいいくつかのこと』をご覧ください。
★妊娠中に歯医者さんを受診される際には、母子手帳をご持参ください。
産婦人科の担当医からの注意事項などがある場合は、必ず治療前にお伝えいただきますようお願いします。
3.まとめ
妊娠中のお口のケアはとても大変ですが、これらの方法を取りいれていただくことで虫歯予防の効果を高めることができます。
決して無理はせずに体調的にも精神的にも無理のない範囲で、歯磨きをがんばってみてくださいね。