お薬手帳は患者さんを守る大切なもの。歯医者に持っていくべき2つの理由

お薬手帳
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病院やお医者さんに行くときはお薬手帳を持っていくけれど、歯科に行くときは持っていかない、、そんな患者さんが多くいらっしゃいます。

歯科で薬もらうことなんてあまりないしいらないのでは?と思う方もいらっしゃると思いますが、実は歯医者さんもお薬手帳を見せていただくととても助かります

今回は何故歯科にお薬手帳が必要か、どのように歯医者さんが活用するのかご説明しましょう。

1.歯医者さんがお薬手帳をみたい2つの理由

歯医者さんは患者さんからお薬手帳を見せてほしい理由が2つあります。内容としては問診票や口頭でも聞くことはできるのですが、お薬手帳を見せていただくほうが手っ取り早くかつ正確にわかるのです。

お薬手帳

1-1.患者さんの持病を把握する

患者さんの持病の把握はとても大事です。歯周病が治りにくい病気や、抜歯を選択するのが難しくなる病気もあります。把握せずに治療をすすめてしまい患者さんの不利益になってしまうのは絶対に避けたいです。そのためにもお薬手帳をみて患者さんの病態を把握したいのです。

医師

1-2.持病の常備薬を把握する

たとえば血液サラサラの薬を飲んでいることを知らずに抜歯してしまい、血が止まらず大慌て!

みたいな事態が起こるかもしれません。歯科医師が適切な配慮をして安全な医療を患者さんに提供する。そのためには正確な常備薬の情報が必要不可欠です。高齢の方などは飲んでるお薬の種類も多くなりがちで、ご自身で把握するのは大変です。でもお薬手帳を見せていただければすべて書いてあるのです。

薬

2.持病別、お薬手帳から歯医者が気を付けたいこと

それでは歯医者がお薬手帳をみて、何を気をつけるのかを病気別に説明していきましょう。

2-1.糖尿病の場合

糖尿病はインスリン作用の不足により、慢性の高血糖状態になってしまう代謝疾患です。
糖尿病のかたに対して歯科で気をつけるべき点を簡単にまとめました。

インスリン注射

アイコン 歯周病になりやすい

糖尿病のかたは歯周病の炎症が起きやすく、治りにくくなります。定期的に歯医者さんに行きメインテナンスを受けることで歯周病になりにくい口腔内を作りましょう

関連記事「血糖値が高い人に知っていただきたい!!歯周病と糖尿病は仲間の病気です

アイコン 傷が治りにくく、感染しやすい

口腔外科手術後や抜歯後の傷がなおりにくく感染しやすくなります。抗生物質などが処方された場合、きちんと飲むようにしましょう。

アイコン 血液サラサラの薬を飲んでいると

糖尿病の合併症である心血管疾患の治療で抗凝固薬や抗血小板薬などのいわゆる「血液さらさらのお薬」を飲んでいると、外科処置後になかなか血が止まらなくなることがあります
レーザーで焼いてかさぶたをしっかり作るなどの止血処置を念入りに行う必要があります。

アイコン 低血糖発作を起こすことがある

血糖値のコントロールがうまくいかず低血糖発作を起こすことがあります。自己判断で休薬したり、食事を抜くなどの行為はしないようにしましょう。

アイコン 糖尿病のこの薬に注意

痛み止めとして歯科でよくだされるロキソニン。このロキソニン、糖尿病のお薬で代表的なスルホニル尿素薬の働きを阻害してしまいます。
歯科医側は痛み止めをだすときに薬の種類をきちんと選ばなければなりません。

2-2.高血圧の場合

高齢者のかたに多い高血圧。
基本的に食事療法や常備薬をきちんと飲んでいただけていれば、普通に治療が受けられますが多少気をつけるべき点があります。

血圧

アイコン 出血しやすい

血圧のコントロールが不完全だと、歯周ポケットの深いところをお掃除したり、外科処置をしたときに血がでやすい傾向になります。

アイコン 血液サラサラの薬を飲んでいると

糖尿病の件と同じですが、高血圧の合併症である心血管疾患の治療で抗凝固薬や抗血小板薬などのいわゆる「血液さらさらのお薬」を飲んでいると、外科処置後になかなか血が止まらなくなることがあります
レーザーで焼いてかさぶたをしっかり作るなどの止血処置を念入りに行う必要があります。

アイコン 血圧が急上昇しやすい

もともとの血圧が高いので、高血圧のかたは歯科治療への緊張でめまいやふらつきを起こしやすいです。
気分が悪くなったらすぐに周りのスタッフに知らせましょう。

2-3.骨粗しょう症の場合

骨粗しょう症は骨密度が低下して骨がすかすかになってしまう高齢の女性によくみられる病気です。
その治療薬であるBP剤(ビスフォスフォネート製剤)ですが、歯科において気を付けなければならない副作用を持っています。

骨粗しょう症

アイコン 抜歯をすると骨が壊死する!?

このBP剤、抜歯などの傷をきっかけに骨が壊死することがあるという副作用を持っています。
服用している方は必ず歯科医師に申告しましょう。歯科医師側もお薬手帳のチェックや問診などでこの情報を聞き漏らさないようにしています。

アイコン 予防がとにかく大切

口の中には細菌がたくさんいて歯周病などの感染症がおきていると骨にも感染が起きやすくなり壊死のリスクが高まります。
骨粗しょう症のかたはとにかく抜歯などの大きな治療になることのないよう、メインテナンスをきちんと受けて予防に力をそそぎましょう

2-4.喘息の場合

喘息のかたは長くこの病気と付き合ってらっしゃると思います。発作の時期や程度をしっかり歯科医師にお伝えください。歯科で気をつけることももちろんあるのです。

吸引

アイコン お使いの吸入薬は忘れずに

治療中に口の中にお水がたまり、むせてしまったときに喘息の発作が起きてしまうことがあります。
お使いの吸入器は必ずお持ちください

アイコン アスピリン喘息のかたは注意

歯科でだす痛み止めにアスピリン系の痛み止めがあります。発作が起きては一大事ですのでかならず歯科医にお伝えください

3.ステロイドをお使いの方は注意

ステロイドはアレルギーや喘息、リウマチなどのつらい症状を抑えてくれる薬です。このステロイドには長期間使用していると免疫機能の低下を起こすことがあります。
歯周病の治療や抜歯などの処置をする際に、感染しやすくなってしまうためにあらかじめ抗生剤の予防投与をする場合があります。
抗生剤が処方された際は必ず歯科医師の指示にしたがって飲んでください。

ただ歯科治療を受けるからといって、かってにステロイドの使用をやめるなどの行為はおやめください
かならず主治医に相談しましょう。

ステロイド

4.抗がん剤、放射線治療を受ける方へ

抗がん剤治療、放射線治療はからだの免疫機能を強力に抑え込む治療です。

正直、はじめてしまうと普通の歯科治療はとても難しいです。大学病院などの全身管理のきちんとできる病院で治療をうけていただくしかないでしょう。

なので基本的に抗がん剤治療、放射線治療をする前に、お医者さんから歯科治療をするよう要請されるパターンが多いです。きちんと歯科治療を終えてから放射線治療を開始することで、口内炎や肺炎などのリスクを減らすこともできます。

高度医療

5.胃が悪い方へ

胃の弱い方は歯科でだす痛み止めや抗生剤で胃を痛めやすいです。
胃薬を同時に出すなどの配慮をいたしますので歯医者にお伝えください。

胃痛

6.まとめ

いかがだったでしょうか?
歯医者さんに行くときにお薬手帳を忘れずに持っていきましょう。
あなたを守ることにつながりますよ。

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