虫歯の自然治癒~再石灰化を上手に使って虫歯を予防する方法

虫歯 再石灰化
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ガムのCMやドラッグストアでよく聞く「再石灰化」。一度虫歯で溶けてしまった歯が元に戻るってどういうことなの?などよくわからないことも多いと思います。

ここではどのように虫歯になるのか、と再石灰化の仕組みを上手に利用した虫歯の予防法について解説します。

1.再石灰化が起こるプロセス

通常、お口の中ではこのようなプロセスで再石灰化が起こります。ポイントは唾液とプラークコントロールです。

1-1 歯が溶ける脱灰

虫歯は、①歯の表面にプラークと一緒に虫歯菌がくっつく→②プラーク(バイオフィルム)内で虫歯菌が糖をとりこむ→③虫歯菌が酸を出して歯を溶かす、ことで発症します。pHが5.7以下になると歯が溶け出します。この現象を「脱灰(だっかい)」といいます。

脱灰

1-2 プラークが除去される

プラークが歯の表面についていると、歯の表面からミネラル成分(カルシウムやリン酸イオン)が失われ続けてしまいます。また、唾液からのミネラル成分が歯に取りこまれづらくなります。プラークを除去するにはプラークコントロールが大切です。プラークコントロールとは細菌の塊であるプラークを除去して、再び歯にくっつかないようにすることです。

歯みがき時の出血

1-3 再石灰化で歯が健康な状態に戻ります

唾液が酸と接触してプラークが除去されて歯の表面と唾液が中和されることで、溶出したミネラル成分(カルシウムやリン酸イオン)が歯に戻ってきます。このことを再石灰化といいます。石灰化が起こるとエナメル質のミネラル成分が新しく形成され、元の健康な状態に戻ります。

再石灰化

2.再石灰化を利用した3つの新しい虫歯予防法

    1. フッ素が歯に取りこまれることで、酸によって歯のミネラル成分が溶け出しにくくなります。フッ化物の働きとして、再石灰化を促進して歯を修復するだけでなく、虫歯菌の活動をおさえ、歯質を強化します。また、う蝕(虫歯)治療のガイドラインには初期の根面の虫歯に対して1100ppm以上のフッ化物配合歯磨剤の使用で再石灰化できる可能性があると記載されています。

2-1 フッ化物を応用する

フッ素が歯に取りこまれることで、酸によって歯のミネラル成分が溶け出しにくくなります。フッ化物の働きとして、再石灰化を促進して歯を修復するだけでなく、虫歯菌の活動をおさえ、歯質を強化します。また、う蝕(虫歯)治療のガイドラインには初期の根面の虫歯に対して1100ppm以上のフッ化物配合歯磨剤の使用で再石灰化できる可能性があると記載されています。

フッ素の効果

こちらも参考にしてください 「フッ素で予防!虫歯菌に負けない歯をつくる方法」

2-2 デンタルフロスで歯と歯の間をきれいにする

再石灰化を起こすには、プラークを除去しなければなりません。通常の歯の周りのプラークであれば歯ブラシで除去されます。しかし、ある部分だけは歯ブラシだけではプラークは落ちません。それは歯と歯の間のプラークです。

歯と歯の間はデンタルフロスや糸ようじでプラークを落としてあげる必要があります。

デンタルフロスの使い方

こちらも参考にしてください 「虫歯を自力で治す」

2-3 ガムで唾液の量を増やしてお口中に唾液を届かせる

再石灰化を起こすには、唾液のミネラル成分が必要です。ガムをかむことで唾液の量を増やすことができます。

同時に、ガムをかむことで歯や頬や舌を動かし、お口全体に唾液を届かせることができます。

キシリトールガムや、最近ではミネラルとフッ素が配合されたガムまで販売されています

キシリトールガム

詳しくはこちら 「ガムを噛んで虫歯予防!」

3.再石灰化のためのおすすめ3アイテム

3-1 クリニカアドバンテージ歯みがき

日本では2017年3月から従来の1000ppmの上限から、予防歯科大国のスェーデンなどと同じ国際基準(ISO)の1500ppmの上限に引き上げられました。ただし、6歳未満のお子様への使用は控える、と表記がされていますので、ご注意ください。130gで300円程度です。

クリニカアドバンテージ歯みがき

お求めはこちらから

3-2 オーラルケア フッ素付きフロス フロアフロス

汚れをとりながら効率よくフッ素が塗布できます。歯肉に優しく、384本の繊維が歯肉を傷つけずに痛くなくプラークを除去できます。水分を含むと繊維がふわっと膨らみ、プラークを一度にすみずみまでからめとります。このフロスにはフッ素が250ppm含まれています。ネット購入で700円程度です。

フロアフロスの商品画像

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3-3 POs-Ca成分と緑茶エキス(フッ素含有)入り江崎グリコポスカF

POs-Caとフッ素は唾液中の軽い済むイオンの濃度を高め、口内環境を整えます。さらに味が濃いため、ガムを長時間噛むことができるため、唾液がたくさん出て唾液中のフッ化物イオン濃度を高めることができます。緑茶エキスは、ポリフェノールを低減してフッ素が唾液に溶けやすいように工夫された素材です。歯科専用で1袋1200円程度です。

江崎グリコ ポスカF

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4.再石灰化を起こりにくくする原因とは?

再石灰化を起こりにくくしてしまう原因には、細菌の数が多い、唾液が少ない、炭水化物や糖分の摂取回数が多い、などがあげられます。これらの要素が複数重なり合うとむし歯が「ハイリスク」なお口の中になります。「ハイリスク」の場合には、自分の歯みがきだけでむし歯を予防するのは難しく、歯科医院で歯のクリーニングをしてもらったり、食事指導や、歯みがき指導などメンテナンスを受ける必要があります。

むし歯になりやすい原因

自分がハイリスクかどうか知りたい方は「虫歯のセルフチェック」

5.まとめ

フッ化物、歯みがき(プラークコントロール)、ガムを上手に使うことで歯の脱灰を防ぎ、再石灰が起こりやすくなります。日本では2017年3月から予防歯科大国のスェーデンなどと同じ国際基準(ISO)の1500ppmの上限に引き上げられました。この機会をのがさずに、再石灰化を上手に利用して虫歯をしっかり予防しましょう。

 

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