赤ちゃんが正しく口を動かせるようになる離乳食の始め方について

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母乳ばかり飲んでいる赤ちゃんも、5カ月くらいになると離乳食が始まります。

母乳を吸う吸啜(きゅうてつ)という行為は本能に組み込まれています。お母さんのお腹の中で羊水を飲んだり指をしゃぶったりして、赤ちゃんは誰かに教わったわけでもなく産まれたときから母乳を吸うことができるのです
しかし、ご飯を食べる行為はそうではありません。練習をして、ご飯を咀嚼(そしゃく)することを学んでいかなければなりません

今回は、歯科的な観点から、正しいお口の使い方を獲得するための離乳食の始め方を説明したいと思います

1.離乳食を始める4つの目安

まず、離乳食を始めるのはいつからか?という問題に直面します
これは赤ちゃんが何週で産まれたのか、また、発達の程度はどれくらいなのかという事も関係します。だからおおよその目安で判断していきましょう。
もしネットの情報だけでは心配なら、3~4カ月検診でお医者さんにかかると思うので、その時に離乳食の始める時期を教えてもらいましょう

筆者は「体重も重しい、身長も高いから5カ月スタートで良いですよ」と具体的にアドバイスしてもらい、安心して離乳食スタートすることができました

1-1.おすわりができる

まず、赤ちゃんの首が座ってお座りができるかチェックしましょう
一人でしっかり座れなくても、支えがある状態で座れるのなら大丈夫です

1-2.子供がごはんを食べたそうに見てくる

大人がごはんやおやつを食べているときに、赤ちゃんがじっと見つめてくることはありませんか?物欲しそうによだれをダラダラ出してしまう子もいるかもしれません
そんな風に、赤ちゃんがごはんに興味が出てくる時期が離乳食スタートの目安の1つになります

1-3.生後5~6カ月であること

離乳食開始の時期については色々な説がありますが、今回は5~6カ月くらいが目安、と説明させていただきます

食物アレルギーの発症を予防するために開始時期を遅くしたほうが良いと言われた時期もありますが、今はその説を覆す研究結果も出ており、アレルゲンを乳児期に食べさせないほうが食物アレルギーのリスクをあげると言われています
このことについては3.でも説明をしますが、食物アレルギーにさせないためにも、遅すぎない時期に正しい量を食べさせましょう

1-4.口の中にスプーンを入れても舌を出さない

赤ちゃんは母乳を吸う時に舌を突き出して飲みます。この反射があるとスプーンを口に入れた時に舌でスプーンを押し出してしまいますよね。
しかし、5~6カ月ほどすると突き出すことをしなくなってきます。そうなったら赤ちゃんが離乳食を食べる準備ができた、ということになります

2.最初の離乳食は午前中の平日から始める

一番最初の離乳食は、アレルギーの心配が少ない10倍粥を午前中にあげましょう。できれば平日のほうが安全です
平日の午前をすすめる理由は、もし、何かあったときに病院が開いており安心だからです。
食べさせた後は赤ちゃんを観察し、顔や体の皮膚が赤くなったり息苦しそうにしていたら、すぐにかかりつけ医に連絡しましょう

3.初めて食べさせる食材の量は1匙からスタート!

赤ちゃんに初めて食べさせる食材は、平日の午前、1匙だけ食べさせましょう
1匙が大丈夫だったら、次の日に2匙、その次の日には3匙、と段階的に増やしましょう
お粥から始まり、1週間後には人参やかぼちゃなどの野菜を1匙あげます。そして野菜をあげた1週間後には白身魚などのタンパク質をあげてください

離乳食の進め方

筆者は、パン粥を6カ月の子供にあげたら30分後くらいにこめかみあたりに蕁麻疹がでるという経験をしました。患部の写真をとってネットの情報を検索したのですが、素人判断でどうにかする暇があったらプロに聞いたほうが良い!と思い直し、かかりつけ医にダッシュで行きました。結局大したことではない、となったのですが、もし病院が開いてなかったらと思うと恐怖です!

このように、子育て中には不測の事態が起こるので、離乳食始めたばっかの時、や新しい食材を上げる時は病院があいている午前中におこないましょう

4.食べさせる時のポイント

離乳食をあげるときに、あげるときのスプーンの入れかたや、赤ちゃんの口の動かし方が歯科的に大切になります
なんとなくあげていると、赤ちゃんが楽をして、食べる練習ができないまま変な癖を覚えてしまう可能性もあります
それでは、1つずつ説明していきます

4-1.背筋が伸びて足がつく椅子に座らせる

まず、赤ちゃんを食べさせるときの姿勢が大切になります
できれることならば、背筋がのびて足が床につく椅子にすわらせてあげましょう
足がついていないとブラブラしてしまい集中できないと言われています。また足を踏ん張れることでちゃんと噛むことができます

 

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4-2.スプーンに乗せる量は1/3~1/2

スプーンにのせる量は、スプーンの先1/3~1/2にしましょう。あまりたくさんお口の中に入れると、舌を動かせなくなってしまい食べる練習ができなくなります。また、赤ちゃんが嫌がって離乳食を出してしまったりして、食事がうまく進まなくなることもあります

4-3.赤ちゃんが口をあけるのを待つ

スプーンを唇の前に置いて「アーン」と言いしょう。お母さんも口を開けると赤ちゃんが真似をしてくれることもあります。赤ちゃんがお口をあけたらスプーンを入れましょう。
お口を開けていない赤ちゃんのお口にスプーンをねじ込むようなことはしないでくださいね

4-4.スプーンを口の奥にいれすぎない

スプーンはお口の奥にいれすぎないようにしましょう。奥にいれすぎるとオエっとなってしまいます。スプーンの半分くらいをお口にいれて、赤ちゃんが上唇を閉じるのを待ちましょう

4-5.スプーンを上唇になすりつけない

ここが重要なのですが、スプーンをお口から抜くときに、上唇になすりつけないでください。スプーンを抜くときは横にすっと抜いてください
上唇になすりつけてしまうと、赤ちゃんは「口を閉じなくてもごはんって食べられるんだ」と思ってしまい、食べる練習をしなくなってしまうのです
だから、離乳食をあげるときは、赤ちゃんがお口を開けるのを待って、唇を閉じるのを待ってといった、「待つ」ということが大切になります。

4-6.食べてる赤ちゃんの顔を見ながら母親も口を動かす

赤ちゃんがお口の中に物を入れているときに、赤ちゃんのほうを見てニコニコしながらモグモグお口を動かしてみましょう。最初はなんのことか分からなかった赤ちゃんも、次第にお母さんの真似をして口をもぐもぐと動かしてくれます
また、作り笑顔でも良いので、ご飯を食べているときにお母さんが笑顔でいると赤ちゃんも笑って、離乳食の時間が楽しいものだと思ってくれます

5.まとめ

離乳食が始まると忙しい子育てが更に忙しくなります
どうやったらいいのか、お母さんは色々悩んでしまう事かと思います

歯科的には赤ちゃんが正しく食べてほしいなぁ、と思いますが、それ以上に大切なのはお母さんが機嫌がいい事です

上で説明したことを実行してみて、赤ちゃんが嫌がったり、お母さんが疲れてしまったら、楽なようにやってみてください。赤ちゃんが機嫌が良く、お母さんにも余裕があるときに1つ1つやってみてくださいね

「授乳・離乳の支援ガイド」の策定について 厚生労働省のホームページ

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