一般的に乳歯は生後8ヵ月頃、下の前歯から萌出します。
授乳中もガーゼなどでの口腔内の清掃を母親教室等で指導されていると思われますが、この下の前歯がはえ始めたら本格的な口腔清掃=歯磨きの開始です。
大人の歯にバトンタッチするまでの間使い続ける小さくてかわいい乳歯たち。どうせ永久歯にはえかわるのだから虫歯になっても大丈夫、なんてとんでもありません!!
乳歯の虫歯が進行すると、歯並びやあとからはえてくる永久歯にも影響が出てしまいます。
ここでは、歯磨きを嫌いにさせない工夫や、仕上げ磨きの方法および注意点などについてお話ししていきます。
小さい頃に習慣化されたものはその後も難なく続けられるはずです。
ぜひ、歯磨きが大好きなお子さんになってもらいたいと願っています。
目次
1.歯磨きを好きになってもらう3つのポイント
歯磨きのたびに毎回ギャン泣きされながら行うのでは、ただでさえ疲れているお母さんには苦痛な時間になってしまいますよね。
磨かれる側のお子さんもそれは同じです。この毎日行われるお母さんとのコミュニケーションが嫌いな時間であってはしっかりしたケアも難しくなります。
1-1 歯ブラシを嫌なものにさせない
まずは口の中に歯ブラシやガーゼが入るのを慣れさせましょう。
歯がはえる前から使える優れものをご紹介します。
歯がはえ始める前のムズムズ解消の「おしゃぶり」として、またしっかりと強い歯・歯ぐきにするための「歯がため」として、そして歯ブラシ好きになってもらうための「歯磨きトレーニング」用としての3役をこなすシリコン歯ブラシです。
赤ちゃんが握りやすい持ち手で、喉まで届かない設計のため安心です。
シリコン歯ブラシ ぴから 734円 ファイン株式会社HP
最初はお母さんが手を添えて使用し、次第にお子さん自身が自発的な歯磨きトレーニングになるように。
ブラシ部分はやわらかめになっています。こちらも小さな手でも持ちやすく、喉まで届かない安心設計です。
POSYリング歯ブラシ 486円 ファイン株式会社HP
1-2 不快感を与えない、痛くさせない
一度痛い思いをするとお子さんは嫌がり歯磨きが嫌いになってしまいます。
歯ブラシはやさしくあてて磨いて下さい。
特に注意していただきたいのが、上唇小帯(上唇と歯肉をつないているスジ)で、歯ブラシがあたると痛がるので、その部分を歯ブラシを持っていない方の指で覆ってブラシがあたらないようにしてあげてください。
基本の歯磨き方法は下記を参考にしてください。
1-3 お母さんの表情が大事!!楽しく手早く丁寧に磨く
磨くのに一生懸命になりすぎて、お母さんの顔が真剣になってしまわないように注意しましょう。
お子さんはお母さんの表情に敏感です。
お母さんが楽しそうにしていればお子さんも楽しい時間になるはずです。
好きな音楽を流しながら、またはお子さんが気に入っている歌を口ずさみながら、歯磨きタイムを楽しい時間にしてあげてください。
また、慣れるまでは特に、お子さんが飽きて機嫌が悪くならないように、短時間で済ませるように心がけましょう。数をかぞえたりするのもおすすめです。終わりがわかることでお子さんも頑張れます。
お母さんの歯磨きを見せるのもいいですね。
子供は保護者、ことに母親の影響を顕著に受けることが多いです。
お母さんの行動、表情をとても敏感に察知します。
忙しいとは思いますが、歯磨きはお子さんの前で楽しそうに行ってみてください。お母さんが楽しそうに行っているものは、きっと楽しく受け入れられるはずです。
まずはお母さんがお子さんの見本になってあげてください。
2.乳歯の虫歯ができやすい場所はここ!!
乳歯列期の虫歯は年齢により発生しやすい部位があります。
歯磨きの際には注意して行ってください。
スプーンを使い始めるころには自分で歯ブラシを持ち始め、自分で磨く行動を始めると思いますが、そこで仕上げ磨きが重要になってきます。
保護者が必ず虫歯になりやすい部位を中心に仕上げ磨きを行ってあげてください。
① 2歳頃まで・・・・・上顎乳切歯唇側面(上の前歯表側)
② 2~3歳頃まで・・・上顎乳切歯隣接面(上の前歯の歯と歯の間)
③ 3歳すぎ・・・・・・上下顎乳臼歯の咬合面(上下奥歯の咬み合せの面)
④ 3歳6ヵ月以降・・・上下顎乳臼歯の隣接面(上下奥歯の歯と歯の間)
2-1 仕上げ磨きおすすめ歯ブラシ
お母さんが磨いてあげるときに使用する歯ブラシは仕上げ磨き専用が使いやすいです。
柄の部分がながめになっているので操作しやすくできています。
はえたての歯は、やわらかめの「S」がおすすめ。
歯や歯肉を傷つけないように毛先の1本1本がなめらかにカットされています。
一般的な歯ブラシと比べて、毛の密度もあり、しっかりしたコシがあるのでプラークを効率良くかき出すことができます。
オーラルケア タフト マミー17
3.歯がはえてきたら定期的に歯医者さんへ
市町村からお知らせが来るお子さんの最初の歯科健診は1歳6ヵ月検診かと思われますが、その頃には乳歯がだいぶはえそろってきています。
この時期の検診でむし歯がみつかり歯医者を受診しても、むし歯が進行していて対応が困難なこともあります。
ぜひ歯科医院へは1歳より前からの受診をおすすめいたします。
お母さんや家族の人以外にお口の中をみせる練習は、いざ治療が必要なときにとても大切です。
歯科医院は気になるところができたら・・・ではなく、定期的に受診することを心がけてください。
何か異常があったとしても早期に発見することで、対応が可能になり、お子さんの負担も軽減できることになります。
4.まとめ
歯がはえはじめたら毎日しっかり磨いてあげること、それと合わせて定期的な歯科受診を行うようにしてください。
毎日行う歯磨きだからこそ、嫌々ではなく、ぜひ楽しい歯磨きタイムにしていただきたいと思います。
そして永久歯にはえかわるまでの大切な乳歯をしっかりケアしてあげてください。