皆さんは「よく噛んで食べなさい」と言われたことがありますか?
家族に言われたり、ドラマのセリフで聞いたり…誰でも一度はあるのではないでしょうか。
では、よく噛むって何回くらい噛めばよいのか考えたことはありますか?
一口で「30回」。正解です。
では、一口で30回なら一度の食事だと何回噛むのかわかりますか?(答えは後ほど)
良く噛んで食べるだけで、身体に良い効果をたくさん得ることが出来ます。
普段何気なく行っている「噛む」という動作を見直して自分と家族の健康を手に入れましょう。
目次
1.よく噛むことで得られる効果6選
よく噛む事が良いということは、なんとなくわかりますのね。
では何にどんな風に良いのか具体的にお話していきましょう。
1-1 唾液の分泌が良くなる
噛む回数が増えると、唾液がたくさん分泌されます。唾液には脅威のパワーがあります。
①自浄作用・・・唾液の流れがあることでお口の中の汚れや細菌がが、自然に洗い流されます。
② 抗菌作用・・・傷の治りを促進させる物質を含んでいます。
③ 消化作用・・・唾液に含まれるアミラーゼという消化酵素がでんぷんを分解します。
④再石灰化、中和作用・・・唾液の中のミネラルが初期虫歯を修復し、酸を中和して歯を守ります。
⑤ 免疫作用・・・感染症から身体を守ります。
⑥円滑作用・・・口の中が潤うことで食べ物を円滑に飲み込むことが出来ます。
虫歯、歯周病、口臭を予防する
唾液がたくさん出ると「自浄作用」の働きで虫歯や歯周病の細菌が洗い流され、歯の周りの細菌が減少します。
「再石灰化、中和作用」が自然に行われることで、酸から歯が守られます。
「消臭、殺菌効果」で口臭が予防されます。
消化を助ける
唾液中の「アミラーゼ」が食べ物を分解して、消化を促進させます。
同時に良く噛む事で食べた物が小さくなるので胃や腸の消化吸収がスムーズになり、負担が減ります。
1-2 顎の骨が大きくなる
乳歯から永久歯に歯が生え変わる時に、きれいな歯並びになってほしいと思うなら、顎の骨が十分発達しているかどうかが大きな鍵です。
生え代わりの順番は一般的には「下の前歯」→「上の前歯」→「6歳臼歯」というように前と後ろで永久歯が出てから、間のスペースで残りの乳歯と永久歯が生え変わります。
しかも永久歯は乳歯より大きいので顎の発達していないと歯が重なってしまいます。
1-3 味覚が発達する
良く噛むと食べ物を一つ一つじっくり味わうことになるので、食材の味そのものがわかります。
特に発育期の子供には薄味にすることで味覚が発達します。
1-4 ダイエット効果がある
良く噛んで食べると、脳にある満腹中枢が働いて、少しの量でも満足感が得られます。
ゆっくり食べることで食べすぎを防止しましょう。
1-5 脳の活性化、認知症の予防
脳の神経細胞は「よく噛む事」で活性化します。
その結果物忘れなどの老化現象の改善や、記憶力の向上が期待できます。認知症にならずに元気で過ごせたら幸せですね。
1-6 免疫力がアップする
たくさん噛むと副交感神経が刺激されて、白血球の中のリンパ球が増えて免疫力が高くなります。
2.1回の食事で2000回噛むのが目標
噛む事でたくさんの効果があることはおわかりいただけたと思います。
今度は噛む「回数」を具体的に考えていきましょう。
一口30回噛む、ということは最初に書きましたが、軟らかくて口当たりの良い食べ物が好まれる現代では、一口30回噛むことも難しいかもしれませんね。
画像:東京都福祉保健局 『歯と口の健康からはじめる 食育サポートブック』
上の表からもわかる通り、噛む回数が弥生時代で約6.5倍、戦前でも約2倍。
現代は食べる時間も大幅に減っています。
冒頭のクイズの答えはズバリ!1回の食事では「2000回」噛むのが理想です。
しかし、一口30回として単純計算してみると、約67口食べないといけないことになります。
食事にかかる時間も品数も結構大変ですね。
でも「無理だ」なんて諦めないでくださいね。
3.噛む回数を増やすために出来る工夫
2000回噛むのは思ったよりも難しい思ったあなた。
いつもの食事でいろいろ工夫すると、噛む回数を増やすことが出来ます。
3-1 硬い食材を取り入れる
普段の食事に「噛む必要のある食材」を使用することで噛む回数は格段にアップします。
例えば白米を玄米に変える、ゴボウやニンジン大根など根菜類を使う、ゴマやピーナッツ、アーモンドなどのナッツ類をふりかけて噛み応えのある食材をプラスしてみる。
子供のおやつを甘いお菓子やスナック菓子から、小魚やするめ、リンゴやなしなどにしてみるなど。
健康度もアップすること間違いないですね。
3-2 食材を大きめに切る
切り方を変えるだけで噛む回数が変わります。
野菜は薄切りから大きな乱切り、肉も薄切りから厚切りにするなどしてみると、自然と噛む回数が増えます。
3-3 時間をかけて食べる
忙しく慌てて食べてしまうと、良く噛まないで飲み込んでしまいます。
食事の時間はゆったりとリラックスして味わって食べるのが理想です。
3-4 飲み物で流し込まない
食事中水などの水分を一緒に取ると、十分に噛まないうちに流し込んでしまいます。
また、飲み込みにくいように焼き物や炒め物にすると、唾液を出そうと無意識に噛む回数が増えます。
わかりやすい例でいうと、食パンとトーストしたパンはトーストの方がよく噛まないと飲み込みにくいですね。
しっかり噛んでから水分を取ることがポイントです。
3-5 ガムを噛んで回数アップ
食事以外でも噛む回数を増やすことは可能です。
ガムを噛む事で同様の効果が期待できます。
ただし甘味料に砂糖ではなくキシリトールが100%使われているものを選びましょう。
キシリトールには虫歯菌を減らす効果があり虫歯予防に繋がります。
食後30分以内に噛み、味が無くなっても20分くらい噛むのが理想です。
画像:グリコHP
amazon購入ページ
4.まとめ
良く噛んで食べる。身体に良い事は知っていてもこれほどたくさんの良い効果があるなんて、びっくりですね。
普段から少しでも多く噛む事を意識することは簡単に出来る事です。
今日から実践して健康な未来を手に入れましょう。