
普段の歯磨きには、歯磨き粉&歯ブラシだけ使う…そんな方が多いと思います。
しかし、実はそれだけでは取りのぞくことのできない歯の汚れがあるのです。
歯ブラシの先が届きにくい場所に残ってしまった汚れは放っておくと歯石になってしまい、口臭や歯周病、虫歯につながることがあります。
ここでは、そうした歯ブラシだけでは届きにくい場所の汚れを取るのに効果的な歯磨きの清掃補助グッズなどをご紹介しています。
これを使うのと使わないのでは大違い!ぜひお口のケアのためにも、取りいれられるものから使ってみてください。
目次
1.歯磨きをするときに知っておいてほしいコト
毎日やっている歯磨き。習慣化してつい適当に磨いてしまっていませんか?歯磨きはただ単に食後のお口の中を爽快にするためだけに行うのではありません。1本1本の歯を歯周病や虫歯から守るために必要なことなのです。「なんとなく」で磨くのではなく、すみずみまでキレイにできているか意識的に見ながら磨くことが大切です。
1-1 歯磨きをしっかりできていないとどうなるの?
歯磨きでしっかり磨ききれなかった部分には、少しずつ歯垢(プラーク)が溜まっていきます。歯垢は歯磨きによって除去することができます。しかし、放置しているとおよそ2~3日後には歯垢は石灰化し、「歯石」になってしまいます。歯石は自宅の歯磨きだけでは除去することができません。歯医者さんで専門の器具で取りのぞいてもらう必要があります。
だからこそ、普段の歯磨きをしっかり行うことが大切なのです。
下の前歯の裏についた歯石

1-2 歯の汚れが残りやすい場所はココ!
実はお口の中には歯の汚れ(歯垢 プラーク)が残りやすい場所というものがあります。歯と歯の間・歯茎と歯の境目・デコボコに並んでいる歯・奥歯の嚙み合わせる面・生えかけで周りのより高さがない歯はとくに汚れが残りやすいのです。
画像:ライオン
こういった場所は、歯ブラシを当てる向きや角度を工夫する必要があります。
歯と歯茎の境目には、歯茎に対し歯ブラシを45度の角度にして前後にやさしく動かすと歯ブラシの毛先が歯と歯茎の境目に入り、汚れをかきだしてくれます。
デコボコに並んだ歯には、歯ブラシを縦に持ち、1本ずつ当てた歯ブラシを上下に動かしながら磨きます。
生えかけの歯など、周囲の歯よりも高さがなく普通に磨いているだけでは歯ブラシがあたらない歯には、歯ブラシを斜めの角度から入れて磨きます。
1-3 歯ブラシだけでは磨ききれない場所もある
歯ブラシをうまく使って磨くことで届きにくい場所のお掃除もすることができます。しかし、どうしても歯ブラシのサイズや毛先の太さから、届きにくく磨けない場所というのもあります。さきほどご紹介した磨き残しの多い場所では、歯と歯の間や奥歯の噛み合わせの面、ほかには親知らずの歯や一番奥の歯の奥側の面などです。また、ついスルーしがちですが、舌のお掃除をすることも口臭防止などには必要です。こうしたところには歯ブラシ以外の清掃グッズを使用することをオススメします。
1-4 清掃補助グッズを使うことが大切!
今回ご紹介する6つの清掃グッズは、それぞれが歯ブラシでは届きにくい場所のお掃除を可能にしてくれるものです。もちろんできるだけ多く取りいれていただきたいですが、いざ何個も手をだしてみても歯磨きにあまり時間をあてられなかったり面倒だったりして結局歯磨き粉と歯ブラシだけに戻ってしまう…そういうことがあるかもしれません。無理はせず、まずは気軽に取りいれられそうなものを1個だけ使ってみたり、とくに悩んでいる場所の清掃補助グッズだけを使ってみたりなど、ゆっくりと清掃グッズになれていきましょう。
また、次に紹介する「染め出し液」によってわかった自分の歯の歯垢のつきやすいところ、歯ブラシが届きにくい場所に効果的な清掃補助グッズを選んで使うのもオススメです。
2.まずは染め出し液で普段の磨き残しをチェック!
歯磨きでしっかり取りのぞきたい歯垢は見た目には白く、一見どこについているかわかりにくいことがあります。そんなときに使えるのが、「染め出し液(歯垢染色剤)」です。小学生のときに学校で使ったことがある方もいるかもしれません。
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歯垢染色剤を使用した歯

これを歯の表面に塗布すると、歯垢の部分にだけ色がつき、普段の磨き残しを簡単にチェックすることができます。染めだされた場所によっては歯と歯の隣接している面など歯ブラシの先が届かないことがあります。
そんな場所には以下にご紹介する補助清掃グッズの中の「デンタルフロス」や「タフトブラシ」、「歯間ブラシ」を使っていきましょう。
[注意!]
・染め出し液は皮膚や衣服についてしまうと簡単には取れません。使用する際には汚れてもよい衣服に着替えたり、お顔周りにタオルを置くなどしてじゅうぶん注意して使用しましょう。
・染め出しを行ったあとのお口の中は赤(または青)色に染まってしまいます。数回の歯磨きを経て少しずつ色は落ちていきますが、できれば外出の予定がないお休みの日などに行うようにしましょう。
・染め出し液は毎回の歯磨きの前に行う必要はありません。一度染め出して自分の歯のしっかり磨けていないところがわかったら工夫した歯磨き方法をその後継続して行ってもらい、1~2週間たってからまた染め出しをして再チェックをしてみましょう
3.普段の歯磨きにプラスしたいデンタルグッズ5つ
これからご紹介する清掃補助グッズは主に普段の歯磨きのあとに使用するものです。自分のお口の悩みにあったものを選んでいきましょう。
3-1 せまい歯と歯の間の汚れをかきだすデンタルフロス
デンタルフロスとは細い糸のような清掃器具で、歯と歯の間に入れて汚れをかきだすものです。もとからプラスチックの持ち手に糸がつけられたタイプのものもありますが、直に自分の両手の指に巻きつけて使用するタイプのほうが使い勝手がよいためオススメです。
毎回の歯磨きのあとに使用し、1回1回使い捨てます。
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フロスを通したときに歯ぐきから出血する場所は、とくに歯垢が溜まりやすい場所で歯ぐきが炎症をおこしている可能性があります。痛みがない場合はフロスの使用を継続し、炎症の原因である歯垢を除去するようにしましょう。
しかし、フロスを通したときに歯ぐきに押しつけすぎたために歯ぐきが傷つき出血している場合もあります。二週間フロスを使用しても炎症がおさまる気配がない、歯ぐきに痛みを感じる等はある場合はできるだけ早くかかりつけの歯医者さんを受診するようにしましょう。
●ジェット水流で歯間の汚れを除去する「ウォーターピック」
電動デンタルフロスともいわれる「ウォーターピック」は水流によってお口の中を洗浄する機械です。歯と歯の間の歯垢を除去するだけではなく、水圧による歯茎マッサージも同時におこなうことができます。パナソニックやフィリップスなどのメーカーから商品がでているので興味のある方はぜひお求めください。
パナソニック 口腔洗浄器 ジェットウォッシャー ドルツ 白 EW-DJ61-W
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3-2 ブリッジをいれている方は歯間ブラシでの清掃を
歯間ブラシは、プラスチックの持ち手の先に細いブラシのついた製品です。デンタルフロス同様、歯と歯の間の清掃に使用します。また、ブリッジを入れている方はダミーの歯の下を清掃するときにこちらを使っていただくのがとてもオススメです。
毛先はゴム製のものとナイロン製のものがありますが、歯垢除去にはナイロン製適しています。また、毛先がまっすぐについたタイプとL字タイプのものがありますが、前歯にも奥歯にも使いやすいL字タイプのものを選びましょう。
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歯間ブラシの交換時期は1~2週間です。ワイヤーが折れてしまったり磨いていてコシがなくなり力を入れにくくなってしまったときはすぐ交換しましょう。また、歯間ブラシが通らない狭い歯間にはデンタルフロスを使用するという使い分けも必要です。
●ブリッジ専用のフロス
ブリッジのダミー部分のお掃除には、歯間ブラシだけではなく、ブリッジ専用のフロス「スーパーフロス」を使用するのもオススメです。スーパーフロスは普通のデンタルフロスとは異なり、1回に使用するのに必要な長さに糸がカットされています。糸の先端部分が細く、硬くなっているためブリッジダミー部分の空間に糸を通しやすい設計になっています。糸自体はスポンジかついた部分、通常のフロスにような細い部分の両方があります。
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3-3 歯ブラシのヘッドが届かないせまい場所にはタフトブラシ
タフトブラシは、先が小さく細い歯ブラシです。染め出しを行ったときに染まった部分で、普段の歯ブラシやフロス、歯間ブラシで磨くことのできない場所にはこれがオススメです。主に、歯並びがまっすぐではなく普通サイズの歯ブラシの毛先が入りこみにくいところ、奥の歯のさらに奥側の面、前歯の裏側のへこんでいる部分、親知らずなど周りの歯より背が低く普通に磨いていると歯ブラシの先が当たらない歯などを磨くときにこのタフトブラシが適しています。
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タフトブラシも通常の歯ブラシで歯磨きをしたあとに使用するものです。歯磨き粉はとくにつける必要はありません。ペングリップで持ち、手鏡でお口の中をよく見ながら磨くようにしましょう。
3-4 舌ブラシで口臭を防ぐ!
舌ブラシは、舌を磨くための専用の器具です。舌の上には死んだ細胞や食べカスが溜まって「舌苔(ぜったい)」というものができます。これを放置していると口臭を起こすことがあります。舌も定期的にお掃除するようにしましょう。
舌の組織は繊細であるため、普通の歯ブラシで清掃すると舌を傷つけてしまうことがあります。舌の清掃には舌ブラシを必ず使うようにしましょう。
当たりがやわらかいラバータイプのものがオススメです。
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使い方は、まず舌を前に突きだし白くなっている部分(「舌苔」といわれる汚れ)を確認します。舌ブラシは気持ち悪くならない程度に舌の奥のほう(喉のほう)に置き、軽く力をいれながらそのまま手前に引いて汚れをとります。2~3回くりかえしたら完了です。舌ブラシは流水でキレイに洗いながして通気性のあるところで保管するようにしましょう。
[注意!]
・舌ブラシを行う頻度は1日1回でじゅうぶんです。頻繁に磨くと舌を傷つけ、味覚を感じる部分を傷つけて味覚障害をおこすおそれもあります。「毎日起床時に磨く」などの習慣をつくり、使用の際には力をかけすぎないようにしましょう。
《動画で説明!舌ブラシのくわしい使い方》
3-5 寝る前の洗口液で虫歯を防ぐ
洗口液は、口臭や歯周病、虫歯を予防する効果のある液体製品です。通常の歯磨きをしたあとに口にふくんでブクブクし、吐きだします。使用後は水ですすぐ必要がありません。
こちらは就寝時の歯磨き後に使用することをオススメします。寝ている間は唾液の分泌量が少なくなるのですが、これにより細菌の増殖を抑えることができず、お口の中は虫歯になりやすい状況になります。くわしくは『知っていますか?唾液が虫歯予防にパワーを発揮する理由』をご覧ください。
洗口液を寝る直前に使用することで細菌の活動を抑制し、お口の中を清潔にすることができます。
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4.まとめ
今回ご紹介した清掃補助グッズはドラッグストアなどでも購入することができます。使うのと使わないのとでは全然違うこれらの製品、ぜひ毎日の歯磨きにプラスして取りいれてみてくださいね。