こんにちは。歯科衛生士のSです。
台風の影響で午前中激しく降っていた雨がすっかりあがってお昼近くにきれいな青空が見えてきました。
さて今回は何をお話ししましょうかと考えあぐねておりました(今回に限らず毎回お題に迷ってます(゚Д゚;))。
メインテナンスを行っていると、はじめてや久しぶりに受診された患者さんから、検査やクリーニング時の痛みに対する不安のお声を頂くことがあります。痛い思いをしたことがあるから歯医者から遠のいていた、とか、はじめてで何をされるのかドキドキ緊張する、とか。
今まで定期検診の必要性については色々とお話してきました。
年2回は歯科検診に行きましょう~byほりえもん~
痛くなくても歯医者に行こう‼~メインテナンスが大切な2つの理由~
そこで今回は、必要だから受診して!!というアプローチではなく、定期的に歯科医院でメインテナンスを受けることのメリットや、痛みや口腔内組織への負担が少ないメインテナンス器材の使用についてお話していきたいと思います。
目次
1.メインテナンスの目的
どんなに毎日ていねいに歯磨きしていても100%の歯磨きは困難です。
毎日のセルフケアと定期的なプロメインテナンスの二人三脚でお口の中の健康は保たれます。
歯科検診を受けたことがない方に向けて、まずどんなことをするのかお話しします。
1-1 歯周病検査を行う
歯周病の進行具合を調べる検査です。プローブという器具を用いて歯周ポケット(歯と歯茎の間の溝)の深さを調べたり、レントゲンから歯を支えている骨の状況を調べたりします。
歯肉が強い炎症を起こしていたり、少し触れただけでも出血してしまう状態の場合は、プローブを挿入するときに痛みを感じることもあります。
画像:厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイト e-ヘルスネット
1-2 虫歯の有無をチェックする
虫歯は早期発見することで治療回数も少なく済ませることができます。初期虫歯の段階で発見できれば、治療を行わずセルフケアと定期メンテナンスだけで経過観察を行い、進行を防ぐことができます。虫歯のチェックはクリーニングを行いながらの目視やレントゲンで確認します。
1-3 セルフケアの確認をする
患者さんのお口の中の状況に合わせて、正しくセルフケアが行われているかの確認をします。歯ブラシの種類や使用方法、歯ブラシだけでは落とせない歯間の清掃に使用する補助的清掃具など、クリーニング後の状態をより長く維持していただくためのセルフケア方法のアドバイスを行います。
1-4 セルフケア困難部位のクリーニングをする
患者さん自身では清掃できない部分を中心にクリーニングをしていきます。
歯石や着色、バイオフィルム、歯周ポケット内のプラークを専用器材を用いて除去していきます。
患者さんから痛みの不安を伺うのが、歯石除去です。
「何年か前にやったけど痛くて怖くなった」・・・と放置してしまう患者さんも少なくないようですが、放置していいことなんてひとつもありません。ガッツリ付着してしまった歯石を取るのは、時間も要するし患者さんも辛くなります。
解決方法はひとつ!! 定期的にメインテナンスを受けること。
歯石表面はザラザラしているため汚れが溜まりやすく、歯石は放置すればするほど強固になります。硬ーい歯石になる前に、定期的にメインテナンスを受けて除去してもらいましょう。
2.エアフローで快適メインテナンス
メインテナンスで使用する器材は、患者さんの口腔内の状況や状態によって変わります。以前クリーニングで痛みや不快な思いをした患者さんにぜひ体験してほしいメインテナンス器材をご紹介していきます。
クリーニングで除去するもののほとんどに適応するエアフローという器材があります。エアフローは、水と微細な粒子を用いて歯面や歯周ポケット内のバイオフィルムや、ブラッシングでは落ちない着色、早期段階の歯石までも除去することができます。天然歯はもちろん、セラミックなどの補綴物やインプラントなどを傷つけることなく、歯肉などの軟組織にもやさしくクリーニングが行えます。
画像:EMS Japan 株式会社 HPより
2-1 矯正治療中の装置周辺の清掃
エアフローは矯正治療をしている患者さんにもおススメです。ワイヤーやゴムを外すことなく、ブラケット周りの清掃が行えます。ブラケットの接着強度に影響を与えることもありません。矯正治療中は装置周りの歯磨きが困難になるため、装置撤去後に歯並びがきれいになっても虫歯になってしまっている、なんて患者さんも少なくありません。定期的なメインテナンスで装置装着時期の虫歯を予防しましょう。
2-2 インプラント周囲炎の予防
インプラント部分の清掃にも適しています。当院でインプラント治療をされた患者さんは勿論ですが、他院で治療されてメインテナンスにご来院頂いた患者さんにも、このエアフローを使用してメインテナンスを行っています。せっかく高額な治療費をかけて埋入したインプラントが清掃不良によって脱落してしまわないように、しっかりメインテナンスを受けてください。エアフローはインプラント部も上部構造の補綴物も傷つけることなくバイオフィルム除去することができます。周辺の軟組織にも安全に行えるメインテナンスです。
2-3 小児の虫歯予防
エアフローで使用するプラスパウダーはエリスリトールが主成分です。甘みのある微細な粒子です。お子さんが怖がる不快な金属音もなく、乳歯や軟組織にやさしく清掃が行えます。エアフローで歯面清掃することで、塗布するフッ素の吸収を高めてくれます。
2-4 タバコやワインなどの濃い着色除去
エアフローにはもう一つ、レモンパウダーという種類があり、タバコやワイン等でかなりガッツリ付着した着色汚れの除去にも適しています。マスク生活であまり気にならなくなっている方も多いかもしれませんが、ホワイトニングをしなくても、表面の着色を除去するだけで、口周りの印象はだいぶ変わります。着色が気になっている方にはぜひ一度体験していただきたいメインテナンスです。
画像:EMS Japan 株式会社 HPより
3.まとめ
歯科の定期検診は、虫歯や歯周病のチェックだけでなく、ご自宅でのセルフケア状況の確認をして、お手入れのアドバイスやご自身で清掃できない部分のクリーニングを行います。患者さんの口腔内の状態に応じたメインテナンス間隔で来院してもらうことで、健康な口腔内を一緒に維持していくためのものです。以前に歯石除去で痛い思いをした、今まで検診に行ったことがないから不安、という方はぜひ、一度ご連絡の上ご相談ください。いつまでも笑顔で美味しく食事ができるためのお手伝いをさせていただきますので医院でお待ちしております