なんか最近ごはんの味がしない、薄い感じがする、感じ方が変わった。
そんな違和感を生活の中で感じてらっしゃるかた、いらっしゃいませんか?
楽しいはずの食事の時間がとたんに憂鬱な時間になってしまいますよね。僕だったら耐えられません。
そんな味覚異常の原因から治療法まで順番に説明していきましょう。
1.味覚異常とは
味覚異常とは、何らかの原因で味覚に異常を引き起こしている状態です。(そのまんまですね汗)
いくつか種類があり
- 味が感じにくくなる味覚減退
- 味をまったく感じなくなる味覚消失
- 苦み、苦味などの特定の味だけが分からなくなる解離性味覚障害
- 本来の味でない味を感じてしまう異味症、錯味症
- すべての味が嫌な味になってしまう悪味症
- 味を濃く感じやすくなる味覚過敏
- また左右片方だけ異常がでる片側性味覚障害
などがあげられます。
1-1.味覚異常のメカニズム
味覚とは、味物質が舌の味覚受容器にとどき、味の情報が電気信号に変換されそれが脳に送られることによって甘味、塩味、酸味、苦味、うま味を感じるというメカニズムです。
この過程のどこかにトラブルが起きると味覚異常が起こります。
2.味覚異常を引き起こす9つの原因
それでは味覚異常の原因を9つほどあげていきます。実にたくさんの原因があります。心当たり程度にとどめて自分では判断せず、きちんとした診断を病院で受けてくださいね。
2-1.亜鉛が足りなくて起こる味覚障害
味覚を感じる細胞が新陳代謝で生まれ変わるのに必要なのが亜鉛です
ですから亜鉛が欠乏すると味細胞の代謝がわるくなり、機能が低下してしまいます
自身の食生活を見直してみましょう。
2-2.飲んでる薬剤による味覚障害
他の病気のために飲んでるお薬が亜鉛の代謝に悪影響を与えてしまい味覚機能が低下するパターンです。なにか最近飲み始めた薬がある場合、お医者さんに相談してみるといいかもしれません。
2-3.大きな病気を持ってる方は注意!全身性味覚障害
全身の大きな病気による亜鉛の不足により、引き起こされる味覚障害です。
主に、
- 腎不全
- 肝不全
- 糖尿病
- 慢性膵炎
- 消化器
などの病気の方に起こります。
心配な方は病院で検査を受けましょう。
2-4.心の病気から、心因性味覚障害
うつ等の心身症や神経症の方にも味覚障害は起こりやすいです。唾液の分泌低下によるものも多いですが、原因不明なこともあります。
2-5.舌の病気から?口腔粘膜疾患
舌が炎症を起こす舌炎やお口の中が乾燥する口腔乾燥症などにより、味を感じる味雷の萎縮や味の運搬阻害が起こり味覚が障害されます。心配な方は歯医者さんに行きましょう。
2-6.治療の副作用、放射線治療
癌治療に使われる放射線治療により口内炎が起こり、そのせいで味覚障害がおこることがあります。治療終了後、1ヶ月ほどで治ります。
2-7.神経が傷ついた、末梢神経障害・中枢神経障害
頭部の手術や外傷の治療により末梢神経が麻痺してしまい味覚障害が起こるパターンです。普通の味覚障害と違い、障害の起きた側の神経だけが麻痺するので舌の半分だけ味覚を感じなくなります。
2-8.原因不明!?突発性味覚障害
原因不明の突然な味覚障害の場合、突発性味覚障害と診断されます。ただ、亜鉛不足が原因となる場合がほとんどです。
2-9.風邪ひいてない?嗅覚障害
いわゆる鼻づまりによる嗅覚障害からの味覚障害です。
「鼻つまって味しないなー」
です。
早く風邪を治しましょう。
3.原因別の5つの治療法
次に治療法です。原因別に大きくわけて5つの治療法があります。
3-1.亜鉛欠乏性の治療
味覚障害の原因のほとんど(欠乏性、薬剤性、全身性、突発性)となる亜鉛欠乏を解消するにはやはり亜鉛の摂取が第一です。食事指導や亜鉛を含む薬剤などが処方されます。
ただ薬剤性はやはり原因となっている薬剤の変更や中止をする場合があります。
3-2.心因性の治療
一般的にうつなどに対して処方される抗不安薬や抗うつ薬に、口が乾燥したり味が感じにくくなる副作用があるため、基本的には心療内科や精神科の受診が第一です。
治療法として心のストレスを軽減する認知行動療法が有効とされています。
3-3.舌炎の治療
舌炎に対して歯科では含嗽薬やステロイド軟膏薬の処方になります。舌カンジダ症の場合に関しては他に抗真菌薬の処方があります。
まずは歯科や内科、耳鼻科を受診して炎症の原因を突き止めましょう。
まれに歯のかぶせ物の金属へのアレルギー反応で舌が炎症を起こすこともあります。その場合はまず皮膚科で金属アレルギーの有無を調べたうえで、かぶせ物が原因であれば歯医者さんに相談しましょう。
3-4.口腔乾燥症の治療
3-2で述べたような薬物性の口腔乾燥症の場合には、原因となっている薬を減らせないか、他の種類にできないかをまずはお医者さんに相談しましょう。加齢による唾液分泌の低下の場合は口腔乾燥症と同じ人口唾液や漢方薬の使用がすすめられます。
3-5.神経障害の治療
神経障害の場合はさまざまな原因が考えられ、対処法もそれぞれ違います。早くお医者さんに行って適切な処置を受けましょう。
4.味覚障害を診断する8つの検査
それでは最後に味覚障害の検査方法をご紹介します。たくさんの原因があるので検査もたくさんあります。実際病院にいく前にどんな検査をする可能性があるか知っておきましょう。
4-1.視診
まずは視診。口の中を直接観察し、舌に異常がないか、お口の中が乾いてないかをチェックします。
4-2.味覚機能検査
いろんな味(甘味、苦味、塩味、酸味)のついたろ紙を舌の上に置き、味の感じ方を調べます。
また、舌に電気を流し、神経が麻痺していないかどうかを調べます。
4-3.血液検査
亜鉛が血液中にどのくらい含まれているかを調べたり、貧血や肝機能、糖尿病などの検査も行います。
4-4.唾液分泌検査
味のないガム状のものを一定時間噛んで、どれだけ唾液が出せるかで、唾液分泌量が少なくないかの検査をします。
4-5.心理テスト
うつ等の心の病気にかかっていないかを検査します。
4-6.CTやMRI
神経障害や血管障害が疑われた場合、精査するのに使います。
4-7.鼻腔内視鏡検査
嗅覚障害が疑われた場合の精査に使います。
4-8.細菌検査
カンジダ症など、細菌感染が疑われた場合に行います。
5.まとめ
いかがでしたでしょうか?
皆さんが味覚異常の原因を特定でき、治療をへて、美味しい食事ができれば幸いです。