痛っ!またウッカリ頬の内側を噛んじゃった!
なんだか最近頬の内側を噛んじゃって口内炎をつくる回数が増えたかも…。
そんなお悩みをお持ちのアナタ。
実はその「ウッカリ」、気づいていない別の原因があるのかもしれません。
ただの不注意だと思っていたら、実はお口の中の「ある状態」がそんなトラブルを起こすようにしてしまっていた…という可能性があります。
できてしまった口内炎はしばらくすれば自然に治るとはいえ、数日間は食事やお喋りをするたびに痛むのでなんだか気持ちが滅入ってしまいますよね。
これ以上口内炎をくりかえさないためにも、なぜ頬の内側を噛んでしまいがちなのか原因と対処法を知っていきましょう!
目次
1.頬の内側を噛んでしまう原因4つとその対処法
頬の内側をたびたび噛んでしまう原因には心的なものや口腔状態、加齢によるものなど実はさまざまなものがあります。
そのため対処法もそれぞれ異なりますので、自分はどれに該当するか考えてみてください。
かならずしも原因がひとつだけとはかぎりません。
1-1 歯科治療を受けたばかりで噛み合わせが変わった
つい最近、歯医者さんで歯科治療を受けたばかりではありませんか?
急に変わった噛み合わせにお口がまだ慣れておらず、うっかり頬の内側を噛んでしまうことがあります。
《銀歯やレジンなどの詰め物をしたばかり》
たとえば奥歯の噛む面などに部分的な詰め物をした場合、噛み合わせがうまく合っていないために頬の内側を噛んでしまうことがあります。
詰め物をした直後の確認で噛み合わせに異常がなくても、普段の生活の中で実際に口を動かして食事をしたり喋ったりしてみて気づく違和感もあります。
詰め物はちょっとだけ表面を削ることで、あとから噛み合わせを調整することが可能ですので心配はいりません。
治療を受けた歯医者さんに行って頬の内側を噛んでしまうことを伝え、必要があれば噛み合わせを調整してもらいましょう。
《ブリッジや入れ歯をいれたばかり》
奥歯のブリッジや部分的な入れ歯をいれたばかりの人も、頬の内側を噛みやすくなります。
とくに歯のない期間が長くあった部分には、その隙間に自然と舌や頬の内側が侵入してくるため、急にブリッジや入れ歯が入ると以前のクセでウッカリ噛んでしまうのです。
ブリッジもあとからでの調整が可能です。
入れ歯の場合は、数回の通院の中で調整をくりかえしてお口にあった形をつくっていくものですので、心配はいりません。
場合によっては、お口が入れ歯の形に慣れるまで調整を様子見することがあります。
しかし、痛みがかなり強い場合などはその場で入れ歯を削って調整したり、噛んでしまった傷口の塗り薬を処方してもらうことができるので心配はいりません。
《矯正器具をつけたばかり》
歯並びを動かす矯正治療をしている中で、以前とは噛み合わせが変わってしまい頬の内側を噛んでしまうことがあります。
また、歯の表面に装着した小さなパーツやワイヤーの端が頬の内側に当たって頬の内側が小さく腫れてしまうこともあります。
そのままにしておくとますます痛みが強くなったり、傷口から雑菌が入ってしまうこともあるため、早めに矯正治療を受けている歯医者さんに相談しましょう。
《最近抜歯をした/親知らずが出てきた》
歯を抜いたばかりだったり親知らずが生えてきたりすると、歯の位置がほんの少し動かされることで噛み合わせが変わってしまうことがあります。
抜歯直後の場合は、抜いたところの傷穴がしっかり治るまで噛み合わせの調整等の治療は様子を見ることがあります。
また、抜いたところにブリッジや部分的な入れ歯をいれることで噛み合わせが解決されることがあります。
親知らずの場合は、必要があればレントゲンやCT撮影での検査を受けて歯医者さんとの相談のうえ、希望があれば抜歯にすすむことがあります。
親知らずは歯ブラシの毛先が届きにくく虫歯になりやすい場所でもあるので、おもいきって抜いてしまったほうがラクになることもあります。
1-2 ストレスや疲労、無意識のクセが原因になることも
お口の中の状態に問題がなくても、無意識に自分から頬の内側を噛む動作をくりかえしていることがあります。
喋っているときに手にもっているものをいじるクセのように、集中して考え事をしているときやイライラしたときに頬の内側を噛むことがクセになっている人もいます。
また、心身の休息がとれておらずストレスや疲労が積み重なっていると、それらの影響が神経障害の症状をつくり、いつものようなお口の動きをできなくなることがあります。
対処法としては、じゅうぶんな睡眠と入浴の時間をとること、ストレス発散の方法をほかに見つけることにあります。
また、意識づけとしてオフィスのデスクやキッチンの壁など、目につくところに「噛まない!」とメモを貼るだけでも効果的です。
1-3 加齢による頬の筋肉の衰え、たるみ
頬の内側を噛んでしまう原因として頬の皮膚のたるみも考えられます。
あまり口を大きく動かすことが少なくなってたり、ものをしっかり噛む回数が減ったりすると頬の筋肉が衰えて、ハリがなくなってきます。
また、体重の増減などによる頬の形の変化も頬の内側を噛みやすくなる原因になります。
お口周りや舌の筋肉をよく使うことは外見だけでなく、お口の健康にもとても大切です。
噛む回数が増えることは唾液の分泌量の増加につながり、虫歯予防に効果を生むこともあるのです。
(くわしくは『知っていますか?唾液が虫歯予防にパワーを発揮する理由』の記事をご覧ください)
そのため、対処法としてお口周りを鍛えるストレッチを習慣化していきましょう。
「あいうべ体操」といわれるストレッチ法は、道具も必要なく空いた時間にすぐできるものですので大変オススメです!
●「あいうべ体操」のやり方●
「あ」「い」「う」「べ」と言うときの口の動きを、大げさにゆっくりと繰りかえすことでお口周りを鍛えるストレッチです。
1つの動作につき4秒ほどキープするよう意識しましょう。
10週(それぞれの動きを各10回)するのを1セットとすると、日に3セットおこなうのが理想です。
ふとしたスキマ時間やお風呂に入っている間、寝る前など思いついたときにやってみましょう。
※顎関節症の方や大きく口を開けると痛いという方は、顎関節に負担の少ない「い」と「う」のみ繰りかえしましょう。いずれも無理のない範囲でおこなってください。
①「あ」:のどの奥が見えるくらい大きく口を開ける。口角をあげると顔の引き締めにより効果的。
②「い」:口を横にグーっと伸ばして頬の筋肉が耳のわきに寄せるようにする。首の筋肉のすじが浮きあがるくらいが目安。
③「う」:唇をとがらせて前につきだす。口周りの筋肉が収縮しているのを意識。
④「べ」:舌を下向きにつきだす。舌のつけ根が少しツラいくらいがちょうどよい。
「あいうべ体操」についてもっとくわしく知りたい方は、『虫歯予防から小顔効果まで!やってトクする簡単「あいうべ体操」』もご覧ください。
1-4 アゴの異常によるもの
頬の内側を噛んでしまう原因には、顎関節症などのアゴの異常も考えられます。
たとえば大きく口を開けたときに、
□「カクッ」「パキッ」という小さな音がする
□痛みをともなう
□音も痛みもないが、ほとんど口がタテに大きく開かない
という症状に身に覚えはないでしょうか?
顎関節症などのアゴの異常を治すには、専門機関での治療が必要です。
かかりつけの歯医者さんで一度相談してみましょう。
顎関節症のくわしい症状について知りたい方は、『アゴの異常は「顎関節症」かも?主な症状はこの3つ!』もご覧くださいね。
2.できてしまった口内炎を治すには
頬の内側を噛んでしまう原因に予想がついたら、できるだけ早くその原因をとりのぞけるよう歯医者さんを受診しましょう。
しかし、もう口内炎ができてしまっていたら歯医者さんに行くまでの数日間とてもツラいですよね。
ここではひとまずその口内炎を落ち着かせるための、オススメの口内炎の市販薬をお教えします。
2-1 お手軽な塗るタイプの口内炎薬
ドラッグストアなどに売られている口内炎用の薬には、塗るタイプ・貼るタイプ・スプレータイプがあります。
塗り薬の場合は、唾液で流れてしまいやすいため塗ったあとは30分はご飲食をお控えください。
とくに効果的なのは、寝る直前のタイミングに塗ることです。
薬の定着している時間が長くなるため、効果を発揮しやすいのです。
塗る際には綿棒や洗いたての清潔な指でやさしくつけるようにしてください。
ケナログ口腔用軟膏(※ステロイド系)
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サトウ口腔軟膏(※非ステロイド系)
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2-2 外部の刺激から守る貼るタイプの口内炎薬
貼るタイプは、口内炎に食べ物や舌があたるのを防いでくれます。
外部からの刺激がとても痛くてツライ方にオススメです。
一定の時間が経ったあとに剥がして捨てるものと、時間が経ったらお口の中で溶けてなくなるものがあります。
体に害のない素材で作られているため、飲みこんでしまっても問題なく自然に排出されますので安心してお使いください。
異物が口に入ると気持ち悪くなりやすい方にはあまりオススメできません。
口内炎パッチ大正クイックケア(※ステロイド系)
画像:大正製薬公式HP amazon購入ページ
口内炎パッチ大正A(※非ステロイド系)
2-3 患部に触れずに治せるスプレータイプ
スプレータイプは患部にふれずにつけられるので、塗り薬のように使用前後に手を洗ったり、不用意に患部を刺激して悪化させる心配がありません。
トラフルクイックショット
画像:第一三共ヘルスケア公式HP amazon購入ページ
実は口内炎自体も歯医者さんでのレーザー治療や塗り薬の治療で治すことができます。
被せ物や入れ歯の調整をしてもらいに歯医者さんに行く際には、頬の内側を噛んでしまうことだけではなく、口内炎のできた位置と痛みの強さについても伝えるようにしましょう。適切な処方をしてもらえます。
くわしくは、『痛~い口内炎!5つの原因と対処法を知って素早く治す』をご覧ください。
3.まとめ
ほんのウッカリが原因かと思いきや、実は自分で気づいてなかったお口の中のトラブルが生んだ結果である可能性もあります。
「痛っ!頬の内側噛んじゃった。そういえばついこの間もウッカリ噛んじゃったなあ…」と思うことがあったら、ぜひ一度歯医者さんでお口の中の異常がないかチェックしてもらうことをオススメします。