歯医者さんの治療で麻酔を打った。
まだ口の中の感覚がボンヤリしてるけど、これってどれくらい続くんだろう…。
そんな疑問をお持ちのアナタに、歯医者さんでの麻酔の効き目が持続する時間と、
効き目が切れるまでに注意したいこと4つをご紹介します。
目次
1.基本的な麻酔の効き目はだいたい1~3時間
麻酔を効かせたい場所だけに部分的に打つ麻酔を「局所麻酔」といいます。
麻酔薬の効果により、一時的に打った部分の感覚をなくすことができます。
歯医者さんでは、虫歯治療や親知らずの抜歯のときなどに使うメジャーな方法です。
基本的な局所麻酔は、まず歯茎に表面麻酔を塗って感覚をマヒさせてから注射針を使った麻酔(浸潤麻酔)をしていきます。
表面麻酔の効果は10分ほどで切れますが、浸潤麻酔をおこなった場合はすぐには感覚は戻りません。
効き目が残る時間は人によって多少異なりますが、大人の場合は1~3時間ほどです。
子どもの場合は、1~2時間ほどみておきましょう。
子どもの浸潤麻酔法で使用する麻酔量は大人の半分以下で済むため、その分効果のある時間も短くなります。
2.下の奥歯の治療・親しらず抜歯で使う麻酔は3~6時間
麻酔の効きにくい下の奥歯の治療、親知らずの抜歯のときには浸潤麻酔に加えて「伝達麻酔」といわれる方法を用いることがあります。
これは太い神経の近くに麻酔を打つことで、より広い範囲に効果をもたせる方法です。
伝達麻酔をした場合は、大人の場合は3~6時間、子どもの場合は最大半日ほど効き目が続くことがあります。
子どもは骨が薄く麻酔の効果が大きく表れやすいため、伝達麻酔法でしっかり麻酔を効かせたときには大人よりも効果が持続しやすいのです。
3.麻酔をしたあとの注意事項3つ
痛い虫歯治療や親しらずの抜歯も終わってひと安心。
つい気がゆるんで普段の生活に戻ってしまいがちですが、実は麻酔をおこなった歯科治療後には気をつけたいことがいくつかあります。
3-1 頬の裏側などを誤って噛みやすい
さきほどご紹介したとおり、麻酔の効き目は基本的に1~3時間ほど残ります。
この間はお口の中の感覚がマヒしてしまっているため、この状態で食事をすると誤って頬の内側や唇を噛んでしまうおそれがあります。
噛んだ際にできた傷口から細菌が入りこんだり、口内炎となって何日も痛みが残ってしまうこともあります。
できれば治療後の食事は、麻酔の効き目が薄まったのを確認してからとるようにしましょう。
どうしても麻酔が効いている間に食事をとりたい場合、
①麻酔を打った場所とは反対側の歯で噛むようにする
②固いものはさけ、あまり噛む動作を必要としないやわらかい食べ物を食べる
といったことに気を配るようにしましょう。
“抜歯後は麻酔が切れたあとでも食事内容に気をつけて!”
治療内容が親しらずの抜歯などだった場合は、麻酔が切れて感覚が戻ったあとであったとしても食事内容に注意が必要です。
おせんべいなどの固い食べ物やカレーなどの刺激物は、傷口を刺激してしまいます。
また、ウィダーゼリーなどの吸いこむ動作が必要な食べ物はせっかくできたカサブタがはがれてしまうので避けましょう。
オススメは、やわらかくて栄養もとれるおかゆ・雑炊、豆腐、ミックスジュース、ヨーグルトなどです。
くわしくは、『歯を抜いた!腹減った!~抜歯後のおすすめ食べ物~』をご覧くださいね。
3-2 熱い飲み物でヤケドしやすい
麻酔をしたあとは感覚がマヒすることで、お口の中に入ったものの温度も普段より感知しにくくなります。
あったかいお味噌汁や野菜スープ、抜歯後にオススメのおかゆなどは噛む動作が少なくてすむのですが、うっかり熱いままお口の中に入れてしまうと、気づかない間に頬の裏側や舌がヤケドしてしまうことがあります。
また、あったかいお茶などにも注意が必要です。
じゅうぶん冷ましてから飲むようにしましょう。
3-3 麻酔した部分を舌や指でさわらない
感覚がマヒしているのが気になって、つい麻酔を打った場所を舌や指で何度もさわって確認してしまうことがあります。
麻酔を打った歯茎には注射針によってつけられた傷ができているため、清潔でない指先でさわるとそこから雑菌が入りこんでしまう危険性があります。
また、抜歯後は抜いた箇所にかさぶたができますが、これを指や舌でさわると簡単にはがれてしまいます。
せっかくできたかさぶたをはがしてしまうと傷の治りが遅くなるだけではなく、強い痛みをともなう「ドライソケット」を引き起こすことがあります。
気になったとしても、できるだけ麻酔を打った箇所には触れないようにしましょう。
“お子さんの麻酔後はとくに注意が必要”
小さなお子さんの場合、お口の中の感覚がなくなっているのが面白くてつい唇や頬の内側を噛んだりしてしまいがちなため注意が必要です。
4.麻酔後に起こりうるトラブル対処法
麻酔治療後しばらく経ってから起こる可能性のあるトラブルについて、自分でできる対処法をご紹介します。
4-1 麻酔を打ったところが腫れた
注射針で麻酔を打つ際に歯茎の表面には小さく傷がつきます。
人によってはこの部分が腫れてしまうことがあります。
通常は長くても1週間ほどで腫れはおさまります。
指や舌でさわらないように気をつけ、雑菌が入らないよう毎食後しっかり歯磨きをするようにしましょう。
その際、腫れている箇所はあまり歯ブラシの毛先が触れないように気をつけましょう。
1週間経っても腫れが引かず、痛みなどを感じる場合は早めに歯医者さんで診てもらうようにしましょう。
4-2 頬の裏側などを噛んで口内炎ができた
気をつけていたつもりだけどうっかり頬の裏側を噛んでしまった…。
地味~に痛い口内炎、できるだけ早く治す方法をご紹介します。
市販の口内炎薬を塗る
口内炎のお薬には、塗るタイプ・貼るタイプ・スプレータイプがあります。
お好みのタイプを選びましょう。就寝前に塗るとお薬の定着する時間が長いためオススメです。
塗るタイプ…最も一般的なタイプの口内炎薬。清潔な指または綿棒で患部をおおうように塗る。
貼るタイプ…食べ物が口内炎にあたらないようにブロックしてくれる効果あり。使用後はがすものと、溶けてなくなるものがある。
口内の異物感があると気持ち悪くなりやすい方には不向き。
スプレータイプ…直接患部をさわることがないため最も衛生的。指や綿棒では届きにくい箇所にできた口内炎にオススメ。
“歯医者さんでおこなう口内炎治療”
口内炎は歯医者さんでも治療できることをご存じですか?
口内炎の部分にレーザーをあてることで殺菌・消毒し、人工的にカサブタを作って痛みをやわらげ、組織を活性化させることで傷の治りを早めます。
また、必要があれば口内炎用の塗り薬などを処方してもらうこともできます。
※レーザー治療をおこなっていない歯医者さんもあるので、あらかじめ確認しておくようにしましょう。
バランスの良い食生活を心がける
口内炎の治りを早めるのは、
・緑黄色野菜
・ビタミンB2を多くふくむもの(レバー・サバ・うなぎ・納豆・卵・牛乳など)
・ビタミンB6を多くふくむもの(鶏ササミ・ほうれん草・大豆・ピーナッツ・バナナなど)
・ビタミンCを多くふくむもの(ブロッコリー・じゃがいも・小松菜・キャベツ・ゆず・レモン・イチゴ・オレンジなど)
といった食べ物です。食べ物から摂るのが難しい場合はサプリメントなどで補うこともできます。
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※ 口内炎ができているときは避けたい食べ物
一方、口内炎ができるているときに避けたほうがよいのは以下のものです。
・アルコールや糖分の多い食べ物(ビタミンを破壊するため)
・カレーやキムチ、唐辛子、味つけの濃い食べ物(強い刺激が口内炎を悪化させ痛みが強まる)
4-3 麻酔が切れる前に痛み止め薬を飲んでおく
麻酔を使用した治療のあと、痛みが出る可能性がある場合は歯医者さんで痛み止め薬が処方されます。
こちらは、麻酔がまだ効いているうちに飲んでおくのがオススメです。
歯医者さんで痛み止め薬として一般的に処方されるロキソニンは、効くまでにだいたい30分~1時間かかります。
麻酔が切れて痛みが出てきてから飲むと薬の効果が出るまでつらい思いをすることになってしまいます。
まだ麻酔が効いている間に飲んでおくといいでしょう。
また、抜歯後当日は食事以外にも激しい運動はしない、熱いお風呂に長時間つからない、お酒・タバコはひかえるといったことに注意しましょう。
これらを守っていただくことで、傷の治りを早め、痛みが出るなどのトラブルを避けることができます。
くわしくは、『あらかじめ知っておけば安心!抜歯に関する注意事項一覧』をご覧ください。
5.まとめ
麻酔後のお口の中の感覚は普段とはまったく異なります。麻酔が切れるまではできるだけ安静に過ごすようにし、食事をする際には十分気をつけましょう。