歯がくっついてても大丈夫!癒合歯の5つの特徴と歯医者で出来る4つの事

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・子供の前歯の形がおかしい…
・歯科検診で「ゆごうし」ですね、と言われてしまった

そういったお母さんいらっしゃいませんか?
聞きなれない単語に戸惑ってしまう人もいるかもしれませんね

今回は癒合歯の特徴や、注意すべきことを説明していきたいと思います

1.癒合歯とは2つの歯がくっついた歯のこと

歯は歯胚(しはい)といったものから出来ます。その歯胚が歯になっていく(分化していく)途中で、隣の歯胚とくっついてしまうことがあります

癒合歯
↑歯は、表面にエナメル質、その下に象牙質という層がある。癒合歯は2本の歯が象牙質でくっついてしまっている

つまり、癒合歯とは2つの歯がくっついてしまった歯ということになります

癒合歯
↑図の右下、左下に2つの癒合歯がある


図の右下にハート型の癒合歯がある

癒合歯
↑左上の前歯が癒合歯

癒合歯
↑歯が象牙質でくっついてしまっている

2.癒合歯の5つの特徴

では、癒合歯にはどんな特徴があるのか…
順を追って説明していきますね

2-1.前歯におこりやすい

乳歯における癒合歯は

  1. 下の乳側切歯と乳犬歯
  2. 下の乳中切歯と乳側切歯
  3. 上の乳中切歯と乳側切歯

の順で起こりやすいです

癒合歯

 大人の歯では

  • 下の中切歯と側切歯
  • 下の側切歯と犬歯

でおこりやすいと言われています

癒合歯

2-2.乳歯の癒合歯は2%の確率でおこる

乳歯における癒合歯の発生頻度は1~3%といわれています。中間をとって2%くらいの確率で起こるということになりますね
検診などで癒合歯のお子さんは結構みかける印象があります。

突然、我が子が「癒合歯だ」と言われると驚かれる親御さんもいらっしゃるかもしれませんが、癒合歯じたいは異常なことではないので、そこはご安心ください

一方、永久歯で癒合歯になることはわずか0.3%の確率と言われています。筆者は永久歯の癒合歯はみたことがありませんね…

2-3.虫歯になりやすい

癒合歯は、形の関係上、歯に溝ができるので汚れがたまりやすく虫歯になりやすいです

2-4.歯のはえかわりに影響があることがある

2つの歯がくっついているので、はえかわる時期が遅くなることがあります。

癒合歯による萌出遅延
↑癒合歯が邪魔で永久歯(矢印で示した歯)のはえかわりが阻害されている

また、永久歯がはえるスペースが少なくなり、歯が斜めにはえたり重なったりすることがあります

2-5.永久歯が約50%の確率で歯が欠損している

乳歯が癒合歯のばあい、下に2本あるはずの永久歯が1本無いことがあります。永久歯の先天欠如の確率は45~50%の確率でおこる言われております

永久歯が1本ないと、上述した2-4.に関連しますが、
今度は永久歯がはえかわるスペースが広すぎることからすきっ歯になる可能性があります

3.歯医者ができる癒合歯の4つの対応

それでは癒合歯の特徴をふまえ、癒合歯に起こりうるリスク軽減のために歯医者でやれることを説明したいと思います

3-1.溝をシーラントで埋める

癒合歯は溝ができるので、そこをシーラントでうめて虫歯にならないようにします

シーラントとは歯を削らずに溝を白いプラスチックで埋めることを言い、第一大臼歯などにも応用されます

シーラントのイラスト
↑この図は、大臼歯の溝にシーラントをしている

3-2.はえかわる時期が遅れてたら抜歯する

歯のはえかわりの時期に差し掛かっているお子さんで、癒合歯と反対側の歯がはえ変わっているのに、癒合歯が全然グラグラせず抜ける気配がないときは、歯医者さんに診てもらったほうが安心でしょう

歯のはえかわりの時期
↑永久歯のはえかわりの目安の年齢。大幅に遅れていたら注意が必要

3-3.永久歯があるか確認のためレントゲンをとる

前述しましたが、癒合歯があると半々の確率で永久歯が1本ありません。矯正などを考えているときはレントゲンなどで永久歯があるかどうか調べてみましょう

歯の先天欠如
↑永久歯の有無はレントゲンですぐにわかる。上図では赤丸で示した小臼歯部がないことが分かる。
乳歯が癒合歯のばあいは前から2番目の永久歯(側切歯)がないときがある

3-4.かみあわせが悪くなってないか経過観察する

癒合歯の影響で歯並びが悪くなり見た目やかみ合わせに影響がでることもあります

近くの歯医者でフッ素塗布などの定期健診をかねて、かみあわせのチェックをしてもらいましょう

4.まとめ

歯科医師にとってはわりかし身近な癒合歯ですが、親御さんからすれば聞きなれない症例ですよね

でも安心してください。癒合歯は異常なことではありません。

虫歯になりやすかったりかみ合わせに影響がでることがありますが、仕上げ磨きや定期健診などをして、永久歯にはえかわるまでの間、ゆっくりみてあげてください

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