お子さんの歯みがきの習慣は出来ていますか?
小さいときは必ず仕上げみがきをして、お口の中の管理は大人の役目だったのに、成長とともに歯磨きは本人に任せてしまい、磨けているのか、磨いているのかさえわからない。
そんなご家庭も多い事と思います。
大人になって後悔しないための話を、保護者の方、そしてなによりも中学生、高校生のみなさんに読んでいただけたら幸いです。
目次
1.中高生の歯みがきが重要な訳
食事も夜食を含めると1日4回以上。それに対して歯磨きは1日2回。それぞれ6割以上がそう答えたそうです。夜中に夜食、間食を食べる中高生の3人に1人は歯を磨かず、深夜型になるほど歯磨きをしないで寝てしまう人が多いそうです。
こんな状態が続いたら、虫歯リスクが高いのは当然ですね。
1-1 生えたての歯は虫歯になりやすい
生えてすぐの永久歯は軟らかいため、お口の中の酸に弱く虫歯になりやすい状態です。永久歯が出てきてからの数年が人生の中で最も虫歯になりやすい時期と言えます。歯は唾液の中のリンやカルシウムなどで少しずつ強くなり、安定した強さになるのは20歳頃。だから中高生の時に歯磨きでいかに歯を守るかが重要です。
おすすめの歯の磨き方
何よりも大切なのは「歯に付いている汚れをしっかり取る」ことです。歯の汚れはプラーク(歯垢)という細菌の塊で、時間をかけて丁寧に磨かないと取れません。部活や塾、ゲームやスマホで時間が無くても歯磨きはしっかり行いましょうね。
《スクラッピング法》
① ブラシは歯に90°に当てる
② 軽い力で
③ 1,2本ずつ20回以上動かす
《磨き方の工夫》
歯並びは人それぞれ、実に様々です。自分の歯並びに歯ブラシをしっかり合わせて当てることが大事です。
① でこぼこの歯並び
歯ブラシを縦にあてて歯の1本ずつ毛先を上下に動かします。
② 生える途中の背の低い歯
頬の力を抜いて、歯ブラシを斜め横から入れて、細かく動かします。
《汚れ(プラーク)のつきやすいところ》
プラークの残りやすいところは虫歯になりやすいところです。しっかり取り除きましょう。
画像:すべてライオン公式HP
使ってほしいケアアイテム
虫歯を予防するために必要なアイテムを紹介しましょう。それぞれ中高生におススメです。
《歯ブラシ》
GCルシェロB20S ピセラ…萌出途中の奥歯まで届き10代の方向き。
画像:ルシェロ公式HP amazon購入ページ
《歯磨き粉》
ライオン チェックアップスタンダード…低発泡、低香味、低研磨、フッ素1450ppmF配合。歯の強化にはフッ素が効果的です。歯科医院かネットで注文できます。
画像:ライオン公式HP amazon購入ページ
《デンタルフロス》
リーチ デンタルフロス ワックス50m…歯と歯の間のプラークや食べかすを取るのにはフロスがおすすめ。指に巻きつけて使います。慣れれば簡単です。
画像:リーチ公式HP amazon購入ページ
《デンタルリンス(液体はみがき)》
ライオン クリニカ アドバンテージデンタルリンス…就寝中の虫歯予防に。普通に歯磨き粉を使用して磨いた後、デンタルリンスを適量口に含み、20秒ほどすすぎ、吐き出した後磨くことで、充分な効果が期待できます。効果が薄れてしまうので、水で口をすすぐ場合は軽く行います。
1-2 虫歯が進行して歯がなくなる
見た目に小さな穴が開いているだけの虫歯も、実際は大きな虫歯のケースがよくあります。エナメル質の内側にある象牙質は軟らかいので内部ではどんどん虫歯が進行するためです。表面のエナメル質が欠けて、突然大きな穴が開きます。虫歯が進行すると神経まで達し、激痛を伴いますが、神経が死んでしまうと痛みを感じません。放置してしまうと歯がボロボロになって、無くなってしまいます。
食べる事も不自由になるので、成長期の子供に影響は大きいですね。
1-3 口臭がひどくなり友達に敬遠される
歯みがきをしていないと歯の間に挟まった食べ物が臭いを発します。舌の汚れや、虫歯も口臭の原因です。
プラークが溜まってくると、笑った時など前歯のプラークは見た目にもわかります。からかわれたり、笑われたりすることも考えられます。
1-4 歯周病のリスクが高まる
歯周病は大人だけの病気ではありません。忙しい毎日を送っている中高生は食生活が乱れがちです。だらだらとお菓子を食べたり、炭酸や糖分の多いジュースを飲む。これはお口の中には良いはずがありません。歯周病の危険も当然高いのです。プラークは虫歯だけではなく、歯周病の原因ですので、プラークをきちんと取り除き歯肉を歯ブラシでマッサージすることで防ぐことが出来ます。
1-5 「死」に至る場合がある
虫歯を放置したことが原因で死を招くことがあります。虫歯が悪化すると虫歯菌がお口の中から全身に広がり、心筋梗塞や敗血症など死亡リスクの高い重篤な病気の原因になります。実際に日本での報告例があります。怖いですね。
2.大切な歯を守るために
自分で行うセルフケアが最も大切ですが、それ以外にもできる事があります。永久歯はもう生え変わりません。一度きりの歯で長い年月使っていきます。自分の歯で一生食べられたらこれ以上の幸せはありません。
2-1 規則正しい生活を心がける
バランスのとれた食生活は歯質の強化につながり、虫歯菌に負けない歯を作ります。しっかり噛んで食べることで唾液の分泌を促し、お口の中の殺菌、消毒、清掃を助けます。規則正しい生活は、歯磨きに時間をかける余裕もできるはずです。ここは家族の方の協力が欠かせないところですね。
《朝食後、就寝前は磨いてほしい》
小学校では給食のあと、みんなで歯磨きをすることを日課にしている学校が多いですが、中学校、高校になると、だんだん減ってきてしまいます。できれば昼食後の歯みがきを続けていただきたいですが、難しいでしょうか。
基本的には「食べたら磨く」。どの年代にも言える事です。どうしても昼が無理なら、朝食、就寝前の歯みがきは必ずしましょう。特に夜は寝ている間に一番細菌が増えるので、歯磨きで菌を減らすことが大切です。
2-2 定期的に歯科医院で検診を受ける
半年に1度。1年に2回を目安に定期検診を受けると安心です。虫歯が小さいうちに発見できれば、治療は格段に簡単です。歯みがきが上手く出来ていなければ、ブラッシング指導が行われるはずです。親がいくら言っても磨かなくても、歯科医院で自分の口の中をしっかり確認することで自覚が芽生えるかもしれません。
《「シーラント」が無くなっているかも》
生えてきた奥歯の永久歯は、噛みあわせの面の溝が深いので、汚れが溜まると歯ブラシが届きにくく、虫歯になりやすいのが特徴です。6歳臼歯が出てきたときに、シーラントというプラスチックで溝をうめる治療をしている方も多いと思います。
中学生になるころには取れてしまっている事も多いので、歯科医院で確認してもらうと安心です。12歳前後になると、6歳臼歯の奥に7番目の永久歯が出てくるので更に注意が必要です。
2-3 関心をもつ
歯みがきは習慣になるまで、面倒くさいものかもしれません。食後、就寝前に自然と歯ブラシを持つようになるまで、周りの大人は気を付けるようにしたいものです。そして本人は自分の口の中に関心を持つことがたいせつです。虫歯や口臭があると、人の目が気になってしまったり、笑顔が出なくなったりしてしまいます。健康なお口は歯磨きで作られるのです。
詳しくは『我が子を虫歯にさせない!子供の虫歯予防のために母親が知っておくべきこと』をご覧ください。
3.子供の「歯」のために大人ができること
歯を虫歯にしない為や、治療をしっかり受けさせるのには周りにいる大人の関わりがとても重要です。反抗期や思春期の中高生にどう理解してもらうかが大切ですね。
3-1 丈夫な歯を「食べ物」でつくる
歯を強くするのは「カルシウム」。広く知られていますが、そのほかにもたくさんあります。歯の石灰化を調節するビタミンD、石灰化の材料となるリン。ビタミンA、ビタミンC、タンパク質も大切です。これらを多く含み特におすすめなのは「大豆食品」豆腐や納豆です。海藻類、キノコ類、魚、乳製品などを毎日の食事で積極的に取り入れましょう。虫歯に負けない歯を作ってあげたいですね。
3-2 歯磨きを促す「声」をかけ続ける
どんなに嫌な顔をされても「歯みがきした?」と声をかけ続けましょう。歯磨きの習慣が出来ていないのは大人の責任だと思うのです。虫歯の痛みを味あわせたくないと思うなら、歯みがきは欠かせません。今はうるさいと思われてもいつかわかってくれますよ。
4.まとめ
大人が「歯を磨きなさい」とうるさく言うのには理由があります。虫歯の痛みを知っているから。その痛みを子供に味あわせたくないから。そして一番の理由は、子供の時もっときちんと歯を磨いておけばよかったな。と、心の底から後悔しているから。
一度虫歯になった歯は元には戻りません。良く磨いてツルツルになった歯はとても気持ちが良いものです。中高生のみなさん、今なら間に合いますよ。