あなたは歯医者さんで「どんな治療をしているんだろう?」と思った経験はありませんか?
虫歯の治療は、虫歯の進行度で治療の種類が変わります。ですから、虫歯の大きさとその治療方法を知っておけば、おおよその治療費や治療期間を治療前に予想することが可能です。
この記事では、虫歯の進行度に合わせた虫歯治療の種類、その治療回数と期間を解説します。
あなたにあった虫歯の治療方法を知って、治療前の不安を少しでも軽くしておきましょう。
目次
1.虫歯の進行について~虫歯はすりばち状に広がる~
無地場治療を選ぶ前に虫歯の進行度を知っておくことは大切です。なぜなら虫歯の大きさによって各種虫歯治療の適応症が変わるからです
虫歯というのは細菌が歯に付着、侵入することで、発症します。虫歯の細菌が糖をエサとして酸を出します。この酸が歯を溶かす(脱灰する)ことで歯の中に穴が開いてしまいます。これが虫歯です。虫歯の進行は細菌の侵入によって穴が開いていくので、それゆえ虫歯の形はすりばち状に穴が開いてしまいます。C2~C3に進行して虫歯と歯の神経(歯髄)まで近くなってくると、冷たいものがしみてきたり、痛くなってきたりします。
2.虫歯治療を選ぶときのポイント
虫歯の治療は、虫歯が大きいほど治療回数、治療期間が増えてしまいます。
通院期間を短くするには、なるべく早く虫歯をみつけることです。
各種虫歯治療の通院期間の一覧は以下の通りです。
詳しくは 虫歯の治療費?「いくら歯医者に持ってけば足りるのか教えます」
2-1.虫歯が小さいときはコンポジットレジンがおすすめ!
治療期間1日 治療回数1歯につき1回 費用2000円前後
C1~C2までの虫歯なら、コンポジットレジンがおすすめです。なぜなら、ほとんどの治療が1回で終了するからです。治療するのに大きく歯を削る必要がないため、体に優しい治療法です。コンポジットレジンは保険適用で、白く目立たずに虫歯の穴を詰めることができます。保険内の治療で、治療費はおおよそ1500~2500円です。1回の通院で、健康な歯質も削らないで、白く、しかも保険適応、というコンポジットレジンは、小さな虫歯の場合にはぜひおすすめしたい詰め物です。
コンポジットレジンを使った虫歯治療とは
コンポジットレジンとは通常軟らかい粘土のような材料ですが、光をあてると短時間で硬くなる性質を持つ、プラスチック樹脂材料です。また、有機材料で有機質である歯質とそれ自体が接着することが可能です。それゆえどんな形の虫歯の穴も、虫歯の部分だけを削り取って、その形に詰めることが可能です。
コンポジットレジンの注意点
コンポジットレジンは大きく削る必要がなく、詰めた時は白い材料ですが、変色したりすり減ったり、かけてしまうことがあります。また、コンポジットレジンは歯と同程度の硬さのため、かけたり、すり減ってきたら再治療が必要になることがあります。経年劣化が気になる方や歯ぎしりで歯をよく割ってしまう方には不向きな治療法です。
2.2虫歯が中程度の大きさなってしまったとき
C2~C3の虫歯の場合は、詰め物は金属かセラミックになります。その場合は型採りが必要となるため、2回の通院が必要になります。型採りタイプの欠点は、虫歯が大きくなってしまっているため、健全な薄い部分や割れやすい歯質も大きく削る必要があることです。見える部分の場合にはセラミックがおすすめです。かけたりする場合があるので、「丈夫さを優先したい、歯ぎしりをしている」方には金合金の詰め物がおすすめになります。費用が心配な場合には、一時的に保険の金銀パラジウムの詰め物にしておいて後で詰め替える、ということもできます。
治療期間1~2週間 治療回数1歯につき2~3回 費用3000~50000円
中程度の虫歯の治療には白い材料(2種類)と金属(2種類)があります。白いものはコンポジットレジンと保険外のセラミック、金属は保険の金銀パラジウム合金とゴールドがあります。通院回数は歯を削るときと、詰めるときの2回です。虫歯を取る必要がある場合には、プラス1回多くなる場合があります。
セラミック
歯科で使われている白い材料の代表がセラミックです。生体親和性が高く、色が自然できれいで、天然の歯と見分けがつきません。セラミックはすり減ったり、変色することはありませんが、陶器と似た性質があるために、かけてしまうことがあります。また、セラミックは保険が適用されません。費用は4~5万円前後です
金合金の詰め物
金は腐食しにくく、お口の中でも化学的に安定している材料です。また、辺縁適合性に優れているため、歯にぴったり適合させて詰めることが可能です。歯と同じように自然にすり減っていくために、長期に詰め物が保持されていることが多いです。金合金の詰め物は保険適応外で、費用は48000円前後になります。
金銀パラジウムの詰め物
金銀パラジウムは丈夫で壊れることはありませんが、金属アレルギーや、見た目が悪いなどの欠点があります。また、歯ぐきが黒ずんで見える、内部で虫歯が広がっても気づかない場合もあります。金銀パラジウムは保険適用で、金属は3000~4000円程度になります。
“コンポジットレジン以外の詰め物が大きいと感じるのはなぜ?”
みなさんは鏡で見た虫歯のサイズより型採りした詰め物の大きさが大きいと感じたことはありませんか?
それには2つの理由があります
理由1:コンポジットレジン以外は粘土で型採りするので、粘土が外れやすいように大きめに削る必要があります。上部が狭いと型採りする材料がちぎれてしまうからです。そのため、実際の虫歯のサイズより必ず大きくなってしまうのです
理由2:強い力がかかるところは、硬い材料で守ってあげないと、治してもすぐ割れてしまいます。歯が薄くなっているところや、かんだ時に強い力がかかるところは、カバーするために虫歯がなくても削ることがあります
以上の理由で型採りが必要になってしまった中程度以上の虫歯は健康な歯の部分も削ならくてはいけない場合があります。。
3.虫歯が大きくなってしまった場合
虫歯が大きくなってしまった場合、歯の神経の治療もしくは抜歯が必要になります。
どちらの治療も回数と期間のおおまかな目安がありますが、痛みや治癒には個人差が大きいため、劇的に通院期間を短くする方法はありません。C3以上が適応になります。
3-1神経の治療が必要になった場合
神経の治療だけなら、通院回数2~3回、通院期間は通常の治りで2-3週間です。
でも、その後に差し歯や詰め物の治療をする必要があります。
差し歯の治療は通常3回程度で、通院期間は3週間前後です。
柴葉尾の材料は保険であれば、銀歯、 CADCAM冠、保険外であればセラミック、ジルコニア、金があります。
費用など知りたい方は詳しくは 「保険と自費でどう違うの?差し歯の値段と材料の違い」
3-2抜歯が必要になった場合
治療回数は抜歯と、抜歯後の消毒の2回、通院期間は傷の治りが通常であれば1週間程度です。
ただしその後の治療が必要になった場合、傷の治りを待つために、治療期間には個人差があります。
抜歯後放置しておくと、隣の歯が倒れてきたり、かみ合わせが変わってきたりします。
そのためには抜いた部分に歯を入れる必要があります。
治療法には、入れ歯、ブリッジ、インプラントがあります。
入れ歯、ブリッジ、インプラントの順で治療期間は長く、治療費は高額になる傾向があります。
4.まとめ
虫歯の治療種類にはその虫歯の大きさに応じて、たくさんあるのがおわかりになったでしょう。
あなたの虫歯がまだそんなに大きくないなら、コンポジットレジン修復がおすすめです。
1回の通院で、健康な歯質を削らないで治し、白く、しかも保険適応、というコンポジットレジンは、小さな虫歯にはぜひおすすめしたい治療方法です。
あなたの虫歯を大きくしないためには、かかりつけの歯科医院をつくって、定期的にチェックしてもるらえば、安心でしょう。