1回の食事量が少ない子どもにとって、間食というのは重要な栄養補給の手段です。
食べる能力を上げたり、食への関心を高めるためにもお菓子タイムは大切な時間ですね。
しかし、子どもの好むお菓子はだいたい甘くて虫歯になりやすそうなものばかり。
そのうえ子どもの歯は大人の歯(永久歯)に比べ、歯表面の組織が薄く、虫歯になるリスクが高いといわれています。
欲しいものを欲しい分だけ、という間食の仕方ではいずれ虫歯ができてしまいます。
気をつけたいのは、間食の取り方と食べるお菓子の内容です。
家族やお友達とのコミュニケーションの場としても機能するお菓子タイム。
「虫歯をつくらないためにお菓子はあげない」ではなく、できるだけ虫歯をつくりにくくするよう配慮したうえで、お菓子とのいい付き合い方をお子さんに学んでいってもらうようにしましょう。
目次
1.注意!これが虫歯になりやすいお菓子
食べ方の工夫をして虫歯をつくりにくくすることがポイントと先ほどお伝えしましたが、やはり食べるものが何かによって格段に虫歯リスクが上がってしまうことがあります。
まずは虫歯をつくりやすいお菓子について知っておきましょう。
もちろんこれらは子どもだけでなく、大人の歯にもあてはまるものです。
虫歯になりやすいお菓子の特徴は、粘り気があり糖分の多いものです。
たとえばキャラメルやチョコレート、ヌガーなどです。
粘り気のあるものは歯の噛む面の溝や、歯と歯の間に残りやすくなります。
糖分の多い甘いものだとさらに虫歯菌が好んでエサにしやすくなります。
クッキーや甘みの強いビスケット、こんぺいとうなどもお口の中に残りやすいお菓子です。
画像:Kao公式HP
2.虫歯をつくりにくくするお菓子の習慣6箇条
お子さんによってはお気に入りのお菓子があったり好き嫌いがあって、今食べているお菓子の内容を急には変えられないということもあるでしょう。
そういった場合はまず、食べる内容ではなく食べ方のほうから工夫していきましょう。
今日からでも始められる「虫歯をつくりにくくするお菓子の習慣6箇条」をご紹介します。
2-1 お菓子タイムは時間を決めてメリハリを
間食のスタイルで最もよくないのは、少量ではあっても常にお菓子をポリポリ食べているような「ダラダラ食べ」です。
量は少ないのになぜよくないの?と思われるかもしれませんが、これにはお口の中の自浄作用が関係しています。
実は私たちのお口の中では、お口の中で活動をしている虫歯菌の動きを抑制するために「唾液」が活躍をしてくれています。
唾液がお口の中に残った食べカスを胃に流してくれたり、虫歯菌の出す酸に溶かされた歯の表面を修復してくれたりすることで、私たちの歯は虫歯菌からある程度守られているのです。
しかし、お口の中に常に食べ物が入っているような状況だとこの唾液の作用が追いつかず、虫歯菌が盛んに活動してしまうようになります。
「お菓子タイムは1回15分、〇時と〇時にとる。それ以外の時間は極力お菓子あげるのは控える」というルール決めでダラダラ食べを改善しましょう。
また、できれば普通の食事と間食のあいだも最低2時間はあけたいところです。
唾液パワーで歯を修復する時間をしっかりとってあげましょう。
2-2 お菓子は袋から直食べNG!食べる分だけお皿に出す
子どもが好みやすい甘いお菓子などは虫歯予防の観点からはできるだけ控えたいところですが、なかなか難しいでしょう。
甘いものを食べる量を少しずつ少なくする、という工夫をして甘いお菓子への依存をさせない必要があります。
普段お菓子は袋ごとお子さんにあげてはいませんか?
チョコレートやクッキーなどひと袋にけっこうな量が入っているお菓子は、袋から直食べしているとお子さん自身のストップがきかなくなってしまいます。
お菓子をお腹いっぱい食べて普通のご飯の頃には満腹で食べられない…となってしまうと栄養バランスの面からみてもよくありません。
そのとき食べる分だけお皿にだして、それを食べ終わったらお菓子タイムは終わりという意識をお子さんにつけてもらうようにしましょう。
かわいいお皿やお子さんのお気に入りの入れ物を選ぶことで、お菓子タイムの満足度をあげる方法も有効です。
2-3 お菓子は飲み物と一緒にとる
どんなに粘り気の少ないお菓子でも、食べカスはお口の中に残ってしまうものです。
唾液で流すのにも限界がありますので、お菓子を食べる際にはあわせて飲み物もとるようにしましょう。
ここで工夫が大切なのが、甘いお菓子のときは甘さ控えめの飲み物、甘い飲み物のときは甘さ控えめのお菓子…などお菓子と飲み物の両方を甘いものにしないようバランスをとることです。
こうすることで糖分の摂取を控えながら、お子さんの間食への満足度を保つことができます。
たとえば、クッキーのときは甘いジュースではなくお茶や牛乳、甘いジュースや乳酸菌飲料のときはお煎餅をチョイスするなどです。
2-4 お菓子は空腹になってから
先ほどお菓子タイムは時間を決めて、といいましたがお子さんのお腹が満たされていて必要がなければお菓子タイムを時間で決めて習慣化する必要はありません。
体をじゅうぶんに動かしてお腹をすかせ、普通の食事を食べたうえでまだお腹がすいてしまうようなら間食でエネルギー補給をさせるようにしましょう。
お菓子タイムになったらお子さん自身に今日はお菓子を食べるかどうか聞いて決めるのもよいでしょう。
2-5 虫歯になりにくいお菓子を知っておく
虫歯になりやすいお菓子とは反対に、虫歯になりにくいお菓子もあります。
お煎餅やポテトチップス、乳製品は口の中に残りにくく虫歯菌のエサにもなりにくくなっています。
甘みのあるものでもアイスなどはお口の中に残りにくいためオススメです。
また、果物やいも類には自然な糖分がふくまれているためお子さんも食べていて満足しやすくなります。
2-6 寝る前のお菓子はキケン!できればひかえて
1日の中でとくに気をつけたいのが寝る前にお口の中に入れる食べ物です。
実は私たちのお口の中は寝ている間、唾液の分泌量が日中に比べ少なくなっています。
その分、お口の中の食べカスがそのままお口の中に残ってしまいがちになったり、歯が虫歯菌に侵食される危険性が高くなってしまいます。
夜寝る前に何を食べるかというのはとても重要です。
寝る前のお菓子タイムを習慣づけてしまうとクセになってしまうので、できればこの時間帯の間食はひかえさせましょう。
3.一番大切なのは「食べたらしっかり歯磨き」の習慣!
間食とうまく付きあっていくための工夫をいくつかご紹介しましたが、お子さんの虫歯予防でなにより大切なのは「食べたら磨く」の習慣づけです。
これができていないと食べる内容やタイミングを工夫していてもあっという間に虫歯になってしまいます。
食事(間食)タイム→歯磨きタイムという流れをお子さんに覚えてもらうようにしましょう。
かわいい歯ブラシやコップ、お気に入りのフレーバーの歯磨き粉などで歯磨きタイムを楽しませる工夫なども大切です。
4.まとめ
お子さんの歯を虫歯から守り、健康に保つためには毎日あるお菓子タイムに気を配ることが大切です。
「これは食べちゃダメ」と決めるのではなく、「食べる量を少なくする」「食べたら歯を磨かせる」という工夫で間食との上手い付きあい方を見つけていきましょう。