あなたは「なんとなく」で歯磨き粉を選んではいませんか?
実は歯磨き粉は、実感できる薬用効果が商品ごとに異なるのです。
虫歯をつくりたくない、もっと歯を白くしたい、口臭が気になる…。そのお悩み、あなたにあった正しい歯磨き粉選びで解決していきましょう。
ここではお口の悩みにあった歯磨き粉選びをするための方法をお伝えします。オススメの歯磨き粉も紹介していきますので、ぜひ参考にしてくださいね。
目次
まずは歯磨き粉選びの基本から!押さえておきたい3つのポイント
低研磨であること
歯磨き粉に含まれる研磨剤には、歯の表面についた汚れや着色を落とす効果があります。その一方で、歯の表面にあるエナメル質を削りすぎてしまうことで、虫歯や知覚過敏の原因となることがあります。
薬用ハミガキには研磨剤が入っているものがほとんどですが、できるだけ研磨剤の配合が少ない低研磨の歯磨き粉を選ぶようにしましょう。
歯磨き粉の成分表は配合量が多い成分順に表記されています。
「研磨剤(もしくは清掃剤)」の項目が成分表の後半に表記されている歯磨き粉を選ぶようにしましょう。
低発泡であること
泡立ちのよい歯磨き粉は、お口の中の爽快感を得やすいのですが、つい「磨いた気」になってじゅうぶんに汚れが落ちていないまま歯磨きを終えてしまいがちです。泡立ちがよいからといって、歯の汚れが落ちやすいというわけではありません。
大切なのは、1本1本の歯をすみずみまで丁寧に磨くことです。
お口の中がすぐ泡だらけになってしまう歯磨き粉は、歯ブラシの先が歯にしっかり届いているか確認しづらくさせてしまいます。「発泡剤」の項目が成分表の後半に表記されている歯磨き粉を選ぶようにしましょう。
フッ素が配合されていること
フッ素には、
「歯の質を強くし、虫歯をつくりにくくする」
「虫歯菌の活動を抑える」
「唾液の効果による歯の自然治癒(再石灰化)をうながし、初期虫歯を治す」
という効果があります。
成分表に、フッ素・フッ化ナトリウム(NaF)・モノフルオロリン酸ナトリウム(MFP)のいずれかが表記されている歯磨き粉を選ぶようにしましょう。
※販売されている歯磨き粉に含まれるフッ素の配合量は、成人用で950ppmFとなっていますが、6歳未満の子どもには配合量500ppmFの子ども用を使用するようにしてください。
成分表で見る あなたのお悩みを解決する歯磨き粉の選び方
歯磨き粉に含まれる成分によって得られる薬用効果が異なります。下図の表を参考に、成分表から歯磨き粉を選んでみるのもよいでしょう。
医歯薬出版株式会社『最新歯科衛生士教本 口腔保健管理』(2016年)「歯磨剤の成分と薬用効果」を一部改変
効果別オススメ歯磨き粉13選
虫歯予防ならコレ!フッ素たっぷりの歯磨き粉3選
虫歯予防には、フッ素がたくさん配合された歯磨き粉が適しています。フッ素・フッ化ナトリウム(NaF)・モノフルオロリン酸ナトリウム(MFP)が配合されているものを選ぶようにしましょう。
ご紹介する最初の歯磨き粉2つは、通常の歯磨きのあとに使用することでより効果を発揮する商品です。虫歯予防に力を入れたい方・虫歯になりやすい方にオススメの歯磨き粉です。
1.MIペースト
画像:公式HP amazon購入ページ
こちらの商品は通常の歯磨きをしたあとに歯に塗る商品です。虫歯予防をより徹底したい方にオススメです。
お口の中は再石灰化といわれる現象がくりかえされており、これが歯の表面のエナメル質を補強することで虫歯になりにくくなります。MIペーストはこの再石灰化をうながす効果をもっているため、虫歯予防に効果的なのです。
ただし、研磨剤は入っていないため歯の汚れを落とす効果はありません。普通の歯磨き粉と併用で使うのがオススメです。
普通の歯磨き粉がお口の汚れを落とす「歯のシャンプー」だとすれば、MIペーストは表面を整える「歯のリンス」であると言えます。また、こちらは知覚過敏やホワイトニングにも効果のある商品となっています。普通の歯磨き粉とのW使いでその効果を実感してみてください。
※『MIペースト』には牛乳由来の成分が含まれています。牛乳アレルギーの方は使用しないようにしてください!
2.ジェルコートF
こちらの商品は研磨剤・発泡剤が配合されていない歯磨きジェルです。歯の表面を傷つけることなく磨くことができ、泡立ちが少ないので歯ブラシのあたっている場所を確認しながらじっくりブラッシングすることができます。
また、フッ素も配合されているためとってもオススメです。虫歯・歯肉炎の予防だけでなく、口臭予防にも効果がある商品です。
普通の歯磨き粉で歯磨きしたあとに併用するのがより効果を引き出す使い方となっていますが、これ1本だけの使用でもじゅうぶん効果があります。
3.Check-Up rootcare(チェックアップルートケア)
歯茎が下がって、歯の根っこが露出した部分にできる根面う蝕(歯の根っこにできる虫歯)の予防にオススメです。
【主な薬用成分】
・フッ化ナトリウム、塩化セチルビリジニウム(う蝕予防)
・硝酸カリウム(知覚過敏予防)
コーティング剤PCA(ピロリドンカルボン酸)新配合で、歯肉がさがることにより露出した象牙質表面のコラーゲンをコーティングし、さらにフッ素を長く留めてう蝕を予防します。研磨剤無配合のジェルタイプで低発砲で泡立ちが少ないので、丁寧にブラッシングすることができます。
低香味なので少量の水ですすぐことができます。たくさんの水でうがいをするとせっかくのフッ素がお口の中にとどまらないため、水の量は15ml(ペットボトルキャップ2つ分くらい)を使用し5秒間を1回がオススメです。
気になる口臭をこれで撃退!さわやかな息にする歯磨き粉2選
口臭予防には殺菌剤として使用されるトリクロサン、消臭剤として使用される銅クロロフィリンナトリウムが配合されている歯磨き粉がオススメです。
ご紹介する歯磨き粉2つは口臭予防はもちろん、虫歯予防や歯周病予防にも効果的な商品です。1本で何役もこなしてくれる歯磨き粉でお口全体のケアをしていきましょう。
4.セラブレス トゥースジェル
口臭予防には「セラブレス トゥースジェル」がオススメです。
口臭は、食事後の食べカスやお口の中の死んだ細胞が舌の表面にたまることが主な原因となって生まれます。
こちらのジェルは、歯だけでなく舌磨きにも使えるジェルです。舌を磨く際には、普通の歯ブラシでこすると舌の粘膜を傷つけてしまい、かえって汚れがたまりやすくなります。できれば「舌ブラシ」といわれる専用のグッズを使って行うようにしましょう。
また、歯茎や上アゴまで歯ブラシを使ってこちらのジェルで磨くと、よりお口の中が清潔に保たれるためオススメです。口臭予防・対策のついでにお口全体のケアもこれ1本で行ってしまいましょう。
5.アバンビーズ
タバコを吸うと、ヤニの原因となるタールが歯や舌について口臭を生みます。また、タバコが唾液の分泌量を減少させることで歯石や歯垢が歯につきやすくなり、細菌由来の口臭も生まれてしまいます。そのまま何もせずにいると、口臭にとどまらず歯周病や虫歯になってしまう可能性もあります。
まずは、タバコによってたまってしまった汚れをとっていくようにしましょう。
アバンビーズは、生きた乳酸菌を清掃剤として配合しており、タバコのヤニの除去をしてくれる商品となっています。口臭予防はもちろん歯周炎・歯肉炎予防、虫歯予防、ホワイトニング効果も兼ねそろえた優れものです。
※『アバンビーズ』の基剤には水が使用されていないため、歯ブラシを水で濡らしてから使用するようにしてください。
外出先でハミガキができない…そんなときには「マウスウォッシュ」がオススメ!
オキナ 『薬用ロングスピンZERO ノンアルコール マウスウォッシュ シトラスミント 100個入り ポーションタイプ』
外出先や職場で昼食を済ませたあと、なかなか歯磨きをするチャンスがありませんよね。そんなときには、マウスウォッシュでお口をゆすぐだけでも虫歯や口臭予防には効果があります。できればノンアルコールタイプのマウスウォッシュを選びましょう。アルコールは唾液の分泌量をおさえてしまうため、かえって口臭の原因になってしまうことがあります。
何が何でも自然派のあなたにオススメ!!
お口の中に入れるものだから、出来れば天然のものを選びたいという方には、水以外はすべて天然成分で作られているこちらの歯磨き粉をご紹介します。
6.オーラルピース
天然原料100%で化学成分は使用していません。低刺激・アルコールフリー、天然由来原料のみ使用、合成保存料、合成殺菌剤など合成成分は不使用
- グリセリン(保湿剤・甘味剤)
- 乳酸球菌培養エキス、ウメ果実エキス(清掃助剤)
- ナツミカン花水、ハッカ油、スペアミント油(香味剤)など
虫歯・歯周病・口臭・誤嚥性肺炎は、すべて口の中の細菌が原因で起こります。体力や抵抗力が低下している人にとって、お口の中の細菌は危険な存在です。
オーラルピースは、歯磨き後のうがいが困難な高齢者や障がい者の方にも安心して使用できるよう、水以外の全成分はすべて植物から作られています。
乳酸菌由来のバクテリオシンは一般の抗菌剤・抗生物質と比べて超低濃度ですが、目的の有害菌のみを瞬時に殺菌します。虫歯菌に強い抗菌力を発揮するため、プラークの形成を抑制し、虫歯・歯周病の予防につながります。しかし、強い抗菌力を持ちながら体内に入るとすぐにアミノ酸に分解されるため飲み込んでも安全です。うがいができない緊急時にも使用できます。
オリジナル・スカイミント・サンシャインオレンジ・ペット用(!!)まで全4タイプ。
高齢者や障がいのある方以外に、乳幼児や妊婦さん、授乳中のお母さんにも安心してご使用いただけます。
あなたご自身は勿論のこと、ワンちゃん・ネコちゃんを含め大切な家族の口腔ケアが安全にできます。
歯周病予防にオススメの歯磨き粉3選
歯周病の原因となるバイオフィルム(プラーク)をネバネバとした付着物です。このバイオフィルムをしっかり殺菌・除去してさらに歯肉の炎症や出血をおさえる成分が入っているものを選んでください。
歯周病は虫歯と同様、食べカスをエサに繁殖するプラーク(細菌)による感染症です。よって、この原因を取りのぞかずして予防も症状の改善もありません。歯磨き粉に含まれている薬用成分が効果的にはたらくためには、原因を除去するためのブラッシングが必要だということをお忘れなく。歯磨き粉選びと並行して、歯科医院であなたに適したブラッシング方法を確認することをオススメします。
7.システマデンタルペーストα
歯周病の原因は、食べカスをエサに増殖した細菌の塊(プラーク)です。歯周病を防ぐためには、このプラークを毎日のケアでしっかり除去することが大切です。3つの薬用成分の働きにより、歯周病や口臭を予防します。
- IPMP(イソプロピルメチルフェノール)が、歯周病の原因となるバイオフィルム(プラーク)の内部まで浸透し、高い殺菌効果を発揮します。
- トラネキサム酸が歯肉の炎症や出血を抑えます。
- ラウロイルサルコシンナトリウムの殺菌作用で口臭を防ぎます。
低研磨・低発砲・低香味で、時間をかけて丁寧にブラッシングすることができます。歯周病や口臭が気になる方のセルフケアとしてオススメです。フッ素も配合されているので同時に虫歯の進行・発生も防ぐことができます。
うがいは15ml(ペットボトルのキャップ2つ分くらい)で5秒間、1回。少量の水ですすぐことにより、フッ素が口腔内に長くとどまります。
8.システマEXハミガキ
歯周ポケット内の歯周病菌を浸透殺菌し、菌の付着をブロック!!歯周病による歯肉の炎症を抑えます。
【主な薬用成分】
・イソプロピルメチルフェノール(IPMP)・・・歯周病予防
・イプシロンーアミノカプロン酸(ε―ACA)・・・炎症抑制
・ラウロイルサルコシンナトリウム(LSS)・・・口臭予防
・フッ化ナトリウム・・・虫歯予防
薬用成分イソプロピルメチルフェノールが歯周ポケットの奥にひそむ歯周病菌の巣を浸透殺菌し、さらに菌の付着をブロックします。薬用成分イプシロン―アミノカプロン酸が歯周病による歯肉の炎症を抑えます。イソプロピルメチルフェノールとラウロイルサルコシンナトリウムが口臭の原因菌を殺菌します。さらに、薬用成分フッ化ナトリウムが歯質を強化して虫歯を予防します。
9.コンクール リペリオ
リペリオは歯肉に特化した歯磨き粉です。「歯周病で歯ぐきが下がってきた」などの歯肉トラブルでお悩みの方にオススメです。歯肉を活性化して歯肉組織の回復を助けてくれます。
【リペリオ3大特性】
(1)歯肉の活性・・・DIM加水分解コンキオリン(※)が歯周組織の回復を促進します
(2)歯肉の引き締め効果・・・塩化ナトリウムが歯肉を引き締めます
(3)お口にやさしい・・・発泡剤無配合でマイルドな塩味。すすぎ後のさっぱり感が得られます
※DIM加水分解コンキオリンは、歯肉(粘膜)の中にある繊維芽細胞の賦活効果を高めることによりコラーゲン、エラスチンが増殖され、歯肉に弾力を与えます。
歯を白く!ホワイトニングに特化した歯磨き粉4選
歯を白くするためには、汚れを削りおとすための研磨剤が必要になります。
リン酸ナトリウムやリン酸水素カルシウム、炭酸カルシウムなどのカルシウム系、無水ケイ酸などの研磨成分が入っているものを選びましょう。また、最近では歯と同じ成分のハイドロキシアパタイトを配合している研磨剤も登場してきています。それら研磨剤の入ったオススメ歯磨き粉を4つご紹介しましょう。
10.スーパースマイル
このスーパースマイルのすごいところは独自成分のカルプロックスといわれるカプセル化された酸化カルシウムを配合しているところです。
成分がカプセル化されているので高い着色除去作用を維持しつつも歯を傷つけにくい優しい研磨性をもっています。さらに再石灰化を促進する各種ミネラル(カルシウム、マグネシウム、リンなど)を配合することで傷ついたエナメル質のケアも万全!フッ素まで配合されているので虫歯予防効果もあります。
歯科先進国のアメリカでトップクラスの評価をうけているだけのことはありますね。
11.アパガードリナメル
アパガードリナメルは歯医者さんでしか売っていない歯磨き粉です。歯のエナメル質と同じ成分であるハイドロキシアパタイトは研磨用成分でよく歯磨き粉に添加される成分です。このハイドロキシアパタイトをナノサイズまで小さくし、さらに市販の研磨剤よりも2倍の量添加させたのが、このアパガードリナメルなのです!
このナノサイズのハイドロキシアパタイトは汚れを落とすだけでなく、細かい歯の傷に入り込んで傷を埋めてしまいます。再石灰化の効果もあり、虫歯予防の効果まであるのです。さらにこのアパガードリナメルはマクロゴール400とポリビニルピロリドンを配合し、油性成分やヤニを落とす効果もあります。
なお、さらに市販品の4倍ナノハイドロキシアパタイトが配合されているリナメルトリートメントペーストというものもありますが、値段が非常に高いです。興味があればこちらも調べてみてください。
12.ブリリアントモア
このブリリアントモアは指で触ると凄いざらざらしています。ピロリン酸ナトリウムの力で汚れを浮き上がらせ、粒子が粗い無水ケイ酸といわれる研磨剤で着色汚れをガンガン落とします。
ただ歯のエナメル質や歯ぐきも傷つきやすいので毎日使うのではなく、本当に歯の着色が気になってきたときに使いましょう。
高濃度フッ素が配合されているのも隠れたポイントです。味もフレッシュスペアミントとアプリコットミントの2つあるのでお好みで。
13.オーラパール
このオーラパール、専用サイトにある表をみるとわかるのですが、ホワイトニングや虫歯予防用だけでなく、歯茎や口臭予防のための成分(塩化リゾチームやグリチルリチン酸など)もたくさん入っているだいぶ良いとこどりをしている歯磨き粉です。
ホワイトニング効果をだすものとしてはハイドロキシアパタイト、マクロゴールド400、ゼオライトなどが入っています。ただ研磨剤はほぼ入っておらず、歯のエナメル質がうけるダメージはほぼありません。自分の歯を削り取らず、安全に白くなる半面、白くなるにはそれなりに期間がかかります。
即ホワイトニング効果を実感したい方にはおすすめしませんが、根気よく使っていく自信がある方にはホワイトニング効果だけでなく、口臭予防や歯周病も予防できてしまうのでオススメです。
まとめ
毎日の歯磨きで使う歯磨き粉にはこだわりたいものですね。自分のお口の悩みにあった歯磨き粉を選んで、きれいな歯を手に入れましょう。