年齢を重ねて握力が弱くなり、ものをしっかり握ることが難しい…。
リハビリ中などで手先を動かすことがうまくできない…。
そういった方は歯磨きをする際に、思うように歯ブラシを歯の表面に当てることが難しかったり、上手く握れずうっかり歯ブラシを落としてしまうことがあるかもしれません。
また、ご高齢のご家族のためにできるだけ負担なく歯磨きをおこなってもらえる便利なグッズをお探しの方。
今回の記事では、細かい手先の動きができなくとも歯磨きを上手く行うのを助けてくれる便利な歯科グッズをいくつかご紹介します。
どれも安心してお使いいただける歯科グッズですので、問題なく歯磨きをおこなえる方にももちろん大変オススメです。
また、自分ひとりでの歯磨きデビューをしたばかりの小さなお子さんにもオススメできる商品がありますのでぜひご参考になさってくださいね。
目次
1.歯ブラシは「グリップの持ちやすさ」で選ぶ
一般的に売られている歯ブラシは、持ち手が細くスリムな設計になっています。
また、普段何気なく歯を磨いているときにはなかなか気づきませんが、実は磨く部位によって人は歯ブラシを持つ向きやお口の中に歯ブラシを入れる角度を細かく調整しています。
これをすることで、その部位ごとの歯の形状や生え方に合わせて丁寧に磨くことができます。
ところが、指先や手首をさまざまな角度に動かすことが難しい方には、普通の歯ブラシだと操作が不安定になってしまい少し使いづらいことがあります。
そういった方にオススメなのが指先や手首の動きよりも、腕の動きで歯ブラシを操作できるような商品です。
もちろん歯自体をしっかり丁寧に磨けなければ歯磨きの意味が薄まってしまいますので、繊細な動きでなくてもしっかり歯面に歯ブラシの毛先を届かせることができる商品であることも大切です。
手を細かく動かしづらい、握力が弱いという高齢者の方向けに作られたのが、以下の2つの歯ブラシです。
ご自分にとって、より使いやすそうなほうをお選びください。
1-1 ヘッド全面に毛がある「360do BRUSH φ 」
「360do BRUSH φ」(360ドゥーブラシ ファイ)は、ヘッド部分360度にすべて毛がついている歯ブラシです。
画像:いずれも㈱STBヒグチ公式HP
この形状のメリットは、
①磨く歯の部位によって歯ブラシのグリップを握る向きをいちいち変える必要がない
②手首を曲げたり返したりせずに、歯の正面・噛む面・裏面にしっかり歯ブラシの毛先を届かせることができる
という点にあります。
360度に毛がついていることで、どのような向きから歯に当ててもナナメ45度のちょうどよい角度で歯を磨くことができます。
《歯の噛む面を磨くとき》
《歯の裏面を磨くとき》
画像:いずれも㈱STBヒグチ オンラインショップ
どの面であってもブラシの毛先がしっかりと密着し、汚れをかきだすことができます。
毛は極細のやわらかいものを使っているため、歯ぐきや歯面を傷つける心配がありません。
ブラシ部分の芯となっているプラスチック部分も歯や歯ぐきに当たるようなことはなく、あくまでやわらかめの毛先で優しくマッサージをされているような感覚で磨くことができます。
1本およそ¥330ほどで販売されています。
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【 小さなお子さんにはこちらの歯ブラシがオススメ! 】
同シリーズには小さなお子さん向けに作られた、同じ形状のミニサイズ版もあります。
歯磨きを嫌がってお口をあまり大きく開けてくれないお子さんや、歯並びの関係で毛先が上手く届きにくい部位があるお子さんにはこちらの商品が大変オススメです。
歯ブラシを小刻みに動かすだけでも、360度についた毛が歯並びの凸凹にうまく密着してくれます。
小さなお子さんに大人気の「すみっコぐらし」のキャラクターがプリントされたこちらの歯ブラシで、毎日のお子さんの歯磨きタイムを丁寧に・楽しく磨けるようにしましょう!
●「POPOTAN キッズ用すみっコぐらし」(3歳頃からのお子さん向け)
画像:㈱STBヒグチ公式HP
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1-2 グリップがしっかり握れる「2Way Easy Grip」
「2Way Easy Grip」は握力の弱い高齢者の方でもしっかりグリップ(持ち手)部分を握れるように設計された歯ブラシです。
グリップ部分は親指以外の指を穴に入れて握るという特殊な形をしています。
画像:amazon
この形状のメリットは、
①指先に力を入れて歯ブラシをつまむ必要がない
②握力自体が弱くても穴の部分に指をひっかけているため落としにくい
という点にあります。
実際の介護施設の入居者の方や職員の方の声をもとに設計された歯ブラシです。
こちらは上の歯を磨くときと下の歯を磨くときは、それぞれグリップの握る部分を変える必要があります。
グリップの中央からブラシ部分が生えていますので、持ち手を入れかえてブラシの向きが180度変わっても位置関係に違和感が生まれることはほとんどありません。
画像:amazon
ブラシ部分は歯周ポケットにもしっかり入りこむ超先細毛と、歯の表面の汚れにしっかり当たるフラット毛の2段植毛になっています。
1本¥400ほどで売られています。
2.ふつうの歯ブラシでも「持ち方」にこだわって使いやすく!
ご自宅で現在お使いの歯ブラシが合っている場合は、歯ブラシの持ち方にこだわることでより使いやすくしていきましょう。
歯ブラシの持ち方には主に2種類あります。
画像:LION公式HP
「ペングリップ」はいわゆるペンやお箸を持つときのような、親指・人差し指・中指で歯ブラシを支えて持つ方法です。
こちらは、小刻みに歯ブラシの毛先を動かしやすい持ち方のため、歯を1本1本丁寧に磨くことができます。
余計な力も入りにくいので、必要以上にゴシゴシと力強く磨いたりして歯や歯ぐきを傷つけてしまう心配があまりありません。
一方で、指先と手首での操作が必要になる持ち方ですので、細かく手先を動かすことが難しい方にはオススメできない持ち方です。
こちらの持ち方がオススメなのは、歯ブラシの毛先が1~2週間ですぐ開いてしまうという方や、歯医者さんで「歯磨きのときにもう少しやさしく磨いてくださいね」と言われたことのある方などです。
うまく手先が動かせず、握力も弱い方には「パームグリップ」の持ち方のほうがオススメです!
テニスラケットを握るように手のひら全体で歯ブラシを包みこんで持つ方法です。
こちらの持ち方は歯ブラシの操作に安定感が増すため、手先の繊細な動きが難しい方でもラクに歯磨きをすることができます。
指先や手先よりも、腕ごと動かして磨くようになります。
重みのある電動歯ブラシを使われている方にもオススメの持ち方となっています。
前章でオススメした2つの歯ブラシ製品も、こちらのパームグリップでの持ち方が良いでしょう。
先ほどのペングリップに比べると少しおおざっぱな磨き方になる可能性もありますので、鏡を見ながら磨きたい部分にしっかり歯ブラシの毛先が届いているか確認しながら磨くようにしてください。
ぜひ両方の持ち方を試してみて、自分に合った方法を見つけてくださいね。
3.歯磨き粉は飲みこんでも安心の「オーラルピース」で
歯磨き粉は、虫歯予防や口臭予防などの目的別だったり、フレーバーの好みなどで選ばれていることと思います。
今回こちらの記事でご紹介したいのは、高齢者の方も安心してご使用いただける飲みこみOKの歯磨きジェル「オーラルピース」です。
画像:オーラルピース公式HP
こちらの商品は水と植物由来の成分のみで作られており、もし飲みこんでしまっても体に害はありません。
出生直後の赤ちゃんにも使用できる安心の歯磨きジェルです。
ただ安心安全というだけではなく、「オーラルピース」には歯周ケアや虫歯予防、口臭予防などにも効果を発揮してくれる成分が配合されていますので、ご高齢の方だけではなく家族の皆さまにオススメしたい商品です。
ご高齢の方の場合、水によるうがいや吐きだしの動作が難しい方がいらっしゃいます。
また、飲みこんだものがうっかり気管に入ってしまうと「誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)」を発症するリスクが高まります。
できるだけ体に安心な成分の歯磨き粉を選ぶのがよいでしょう。
➡「誤嚥性肺炎」について詳しい症状・予防法を知りたい方は、『誤嚥性肺炎の予防は毎日の歯磨きで!おすすめアイテムの選び方・使い方』の記事もご覧ください。
「オーラルピース」は歯磨きジェルとしてだけではなく、舌磨きの際に使うジェルや口腔保湿ジェルとしても兼用することができるようになっています。
フレーバーは3種類用意されていますので、お好きなものを選んでみてくださいね。
《「オーラルピース」のフレーバーの種類》
①「クリーン&モイスチュア」(緑色のパッケージ)…自然で爽やかなミント味。
②「クリーン&モイスチュア オレンジ」(オレンジ色のパッケージ)…柚子・レモンの味。ミント味が苦手な方や小さなお子さんにオススメ。
③「クリーン&モイスチュア ミント」(青色のパッケージ)…スッキリした清涼感・爽快感をお求めの方に。緑色のパッケージよりも強いミント味。
➡「オーラルピース」の効果や使い方についてもっと詳しく知りたい方は、『お子さんからお年寄りまで安心!飲みこんでもOKな歯磨きジェル「オーラルピース」』の記事もご覧ください。
【 「オーラルピース」で口腔保湿ケアも! 】
年齢を重ねると少しずつ唾液の分泌量が減り、お口の中が乾燥しやすくなることがあります。
唾液には虫歯予防や口臭予防をしてくれるパワーがあり、乾燥したお口の中はさまざまなトラブルを生むことがあります。
「オーラルピース」をお求めになった際は、ぜひ通常の歯磨きに使用したあとに「口腔保湿ジェル」としても使用されることをオススメします。
《口腔保湿ジェルとしての使い方》
①通常の歯磨きを済ませて、お水で口をゆすぎます
②「オーラルピース」を清潔な指またはスポンジブラシ(※)に適量取り、歯ぐきや頬の裏側、上あご(お口の天井部分)に優しく塗りこんでいきます
③うがいなどはせず、そのまま30分ほどご飲食をお控えいただくとより効果的です。
とくに寝ている間は唾液の分泌量が下がりやすくなり、口などが開いてしまうともっと乾燥しやすくなります。
そのため、口腔保湿のためにジェルを塗るのは就寝前がとくにオススメです。
※スポンジブラシとは…ドラッグストアなどで市販されている先端がやわらかいスポンジになった口腔清掃用のブラシです。主に要介護の方の歯磨きの際に使用されます。まんべんなくお口の中にジェルを塗布するのに適しています。
4.歯磨き粉しぼりホルダーを使って片手でラクチン
握力が弱くなってきたり、リハビリ中で手に力をこめることが難しい方は、使い終わりかけの歯磨き粉チューブから中身をしぼり出すのは一苦労ですよね。
歯磨き粉チューブを端からしぼった状態で固定しておいてくれるグッズがあることをご存じでしょうか?
画像:amazon購入ページ
こちらの商品は「チューブホルダー」などの名称で販売されています。
店舗によってはセリアやダイソーなどの100均ショップなどでも売られていることがあります。
基本的な構造は、筒の部分のサイドのパーツが外せるようになっており、ここに歯磨き粉のチューブ端をスライドして差しこんで、使うごとにサイドパーツを回転させて筒内部にチューブ本体を巻きとっていくようになっています。
とくにオススメしたいのが上の写真の商品のような吸盤がついているタイプです。
鏡やタイル壁に貼りつけることができるので、そのまま片手で押すだけで歯磨き粉を出すことができます。
また、洗面所に直置きすることがなくなるので掃除もしやすくなり、歯磨き粉チューブを置いたところに水アカが溜まってしまう…といったことも防ぐことができます。
衛生的な歯ブラシスタンドなども気になる方は、ぜひ『オシャレで衛生的な歯ブラシスタンド20選』の記事もご覧くださいね。
5.まとめ
歯磨きのたびに大変な手間がかかってしまうと、歯を磨くこともなんだか段々億劫になってしまいますよね。
少しでも精神的な負担が少なく、効果的に歯磨きができるグッズを使って毎日の歯磨きライフを楽しくものに変えてみてくださいね!