お口の中を健やかに保つために、お子さんには小さい頃から正しい歯磨き習慣を身につけてほしいですよね。
歯磨き道具にも気を配りたいけど、歯ブラシは「子ども用」と書いてある小さめのサイズならなんでも大丈夫なのかな?
パッケージに書かれた対象年齢が合っているものを買っているけど、0~2歳向けと6~12歳向けって一体何が違うんだろう?
幼稚園児の頃に使ってたのと同じ歯ブラシを、小学校高学年になっても変わらずに使わせたままじゃダメなのかな?
一見子ども用歯ブラシはどれも同じ「小さいサイズの歯ブラシ」にしか見えないため、そのような疑問をお持ちになる保護者の方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、実は子どもの歯ブラシはきちんとその年代の持つお口の問題に合わせて、毛先や持ち手の形状が設計されています。
そのためお子さんの歯の成長に合わせて、歯ブラシの種類も変えていく必要があります。
ここでは、年代別の子ども用歯ブラシの特徴と、歯磨き時に気をつけたいポイントについてご紹介しています。
目次
1.年代別子ども用歯ブラシの選び方ガイド
お子さんの年代を4つのステージに分け、それぞれにオススメの歯ブラシの形状をご紹介します。
1-1 0歳~2歳頃は「毛先やわらかめ」、「細く長い持ち手」
赤ちゃんはだいたい8ヵ月めから少しずつ前歯の乳歯が生えてきます。
最初はお口の中に異物が入ることに慣れてもらうために、清潔なガーゼを濡らして指先に巻きつけ、前歯の表面を触ったりなどして様子を見ていきましょう。
歯ブラシをお口に入れても大丈夫そうな段階になったら、
・毛先がやわらかめ
・ヘッド部分(毛が植えられている部分)のサイズが小さめ
・持ち手部分が大人が握りやすいような長い形状
の歯ブラシを選び、ゆっくり丁寧に生えてきた乳歯を磨いてあげます。
自分1人で歯ブラシを持たせるにはまだ危ない時期なので、歯磨きは保護者の方がしてあげましょう。
以下にオススメ歯ブラシをご紹介します。
「マミー17」
こちらは保護者の方の仕上げ用歯ブラシとして作られているため、大人も握りやすい長めの持ち手になっています。
生えたばかりの歯があるお子さんには「S」を、歯垢(プラーク)がたくさんついてしまっているお子さんには「M」の使用をオススメしています。
それぞれ毛の硬さが異なっています。
画像:株式会社オーラルケア公式HP
amazon購入ページ(リンク先は「M」タイプ)
こちらの歯ブラシは1本1本の毛先の先端がなめらかにカットされているため、お子さんの歯ぐきや生えたばかりの歯の表面を傷つける心配がありません。
画像:上に同じ
「クリニカKid’sハブラシ 仕上げみがき専用」
こちらの仕上げ磨き用歯ブラシは、ヘッド部分が極薄のためお口の小さなお子さんでもしっかりと奥歯まで毛先を届かせることができます。
持ち手は大人がペングリップで持ちやすいように設計されており、スリムで動かしやすくなっています。
毛先の硬さはお子さんの歯に優しい「やわらかめ」となっているため非常に安心してお使いいただけます。
1-2 2歳半頃からの一人磨き練習には「安全性に配慮した歯ブラシ」を
だいたい2歳半を過ぎたあたりから一人磨きの練習をしていくようにしましょう。
注意したいのは、お子さんがうっかり力加減を誤って強く歯ブラシをノドの奥に入れてしまったり、歯磨き中に転倒して喉突き事故を起こしてしまうことです。
消費庁の調査によると、平成22~26年の間の3歳未満の歯磨き中の喉突き事故は124件にのぼり、中には入院したケースもあります。
そういった喉突き事故を減らすためにも、
①洗面所の踏み台やイスの上など、不安定な場所に立たせて歯磨きをさせない
②歯磨き中は歩き回らないように、「歯磨きは座ってやろうね」などのルールを決める
③歯磨き中は保護者がそばで見守る
といった点に気をつける必要があります。
また、一人磨きが安心してできる年齢になったお子さんでも、ご兄弟とじゃれあったりしながらの歯磨きは大変危険ですので注意をうながす必要がありmさう。
選ぶ歯ブラシにも喉突き防止の装置がついているものや、喉突きの衝撃をやわらげてくれるような持ち手部分が曲がる素材のものを選ぶようにすると非常に安心でしょう。
毛先のやわらかさは前のステージと同様に、「やわらかめ」がオススメです。
「まがるハブラシ」
こちらの歯ブラシは、強い力が加わると歯ブラシ自体がグイ~ンと曲がるような設計になっており、大変オススメです。
画像:GOOD DESIGN AWARD公式HP
amazon購入ページ(リンク先は「kids」)
0~3歳向けの「まがるハブラシ Baby」(上画像の左2つ)はネック部分と持ち手部分の両方が曲がるようになっています。
3~6歳向けの「まがるハブラシ Kids」(上画像の右2つ)はネック部分のみが曲がるようになっており、少し手のサイズも大きくなってくるこの年代に合わせて、持ち手部分もより長く設計されています。
下の画像は0~3歳向け「まがるハブラシ Baby」ですが、200g以上の圧力が加わると90°まで曲がるしくみになっています。
画像:フォルディ㈱
実はこの「200gの圧力」というのは、歯磨きをする際に目安にすべきブラシ圧の上限でもあります。
画像:クリニカ公式HP
これは子どもだけにかぎらず、大人も歯磨きをする際に歯ブラシにかける圧力は150~200gが望ましいとされています。
そのため、この「まがるハブラシ」の先が曲がってしまっている状態は、「力をかけ過ぎ!」のサインにもなるのですね。
喉突き防止効果だけではなく、正しい歯磨きのしかたも学ぶことができるため大変オススメの歯ブラシなのです!
「まがるハブラシ」についてより詳しく知りたい方は、『子どもの歯磨き中の喉突き事故防止に!「まがるハブラシ」でひと安心』の記事もぜひ参考にしてください。
1-3 6~12歳の生え変わり時期には「歯の段差に対応した歯ブラシ」を
6~12歳のこの時期は、少しずつ乳歯も抜けて大人の歯が生えそろってきます。
生えかけの歯は周りの歯よりも一段低く生えているため、普通に磨いているだけではブラシの毛先が届きにくくなってしまいます。
そうすると少しずつそこに歯垢が溜まっていき、ゆくゆくは虫歯を引き起こすリスクが非常に高まってしまいます。
せっかく生えてきた永久歯を虫歯にしてしまわないためにも、歯の段差の違いにも対応できるような歯ブラシを選ぶ必要があります。
せまい段差の部分や、奥歯の永久歯までしっかり磨くために小さめのヘッドの歯ブラシを選んであげるようにしましょう。
また、歯ブラシの動かし方といった歯磨きテクニックにも工夫が必要です。
「クリニカKid’sハブラシ 6~12才用」
こちらの歯ブラシは、同シリーズの「仕上げみがき用」と同様に極薄ヘッドで作られているため、奥歯のせまい部分までスムーズに毛先を届かせることができます。
毛の硬さはしっかり磨ける「ふつう」で作られています。
デコボコの高さの歯でもしっかり毛先を届かせて磨くことができます。
画像:クリニカ公式HP
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「ライオンこどもハブラシ6~12才用 ミニオン」
歯磨きタイムをお子さんに楽しんで興味を持ってもらうためにも、キャラクターもの歯ブラシをお子さん自身に選んでもらうのも効果的かもしれません。
こちらはライオンから発売されている、子どもに大人気のキャラクター「ミニオン」とコラボした6~12歳向けの歯ブラシです。
毛の硬さは「ふつう」となっており、段差のある歯を磨きやすいよう先端の部分だけが長くラウンド状になった毛先で作られています。
画像:ライオン公式HP
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また、周りの歯に比べて一段低く生えている歯や、一番奥の磨きにくい歯、他の歯と重なり合って歯ブラシの毛先が届きにくい歯には、歯ブラシの持ち方を変えて磨き方を工夫する必要があります。
《 低く生えている歯は「ナナメ」に磨く! 》
歯ブラシを差しこむ角度を真正面からではなく、45°ナナメから入れると手前の歯に邪魔されることなく、奥歯まで毛先を届かせることができます。
お口をすぼめていると頬の肉が歯ブラシのネックにぶつかってしまうため、頬は口を開けて笑っているときのように手前に引いて大きく開けながらやると、歯ブラシがナナメに入れやすくなります。
《 重なり合っている歯は「タテ」に磨く! 》
歯並びがズレて生えてしまっている部分は、歯ブラシがタテになるように持ちかえて、毛先が上下に動くように小刻みに磨きます。
歯の表面に毛先の面が当たる角度を少しずつ変えながら磨くと、歯と歯の隙間にも毛先が届きやすくなるでしょう。
画像:ライオン公式HP
歯ブラシの毛先では取りのぞけない汚れは、デンタルフロスを使ってしっかり落とす必要があります。
フロスは大人だけでなく、お子さんにもぜひ使っていただきたいアイテムです。
糸を両指に巻きつけてピンと張りながらやるタイプはお子さんには少し扱いづらいかと思うので、Y字の持ち手にあらかじめフロスがセットされたタイプのものを使うようにしましょう。
画像:クリニカ公式HP
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乳歯のお子さんに保護者の方がフロスをしてあげたい場合は、乳歯のお子さん専用のデンタルフロス「Flossちゃん」がオススメです。
画像:amazon購入ページ
2.まとめ
お子さんの歯磨きを安全に、効果的におこなうために歯ブラシもこだわって選んでみてくださいね。
また、小さなお子さんのための歯磨き方法については、
『赤ちゃんを歯磨き嫌いにさせない仕上げ磨きのコツ教えます』
『ウチの子歯磨き下手かも…とお悩みのお母さん必見!! 歯磨きの仕方教えます(小学生編)』、
歯磨き粉については、『乳幼児期に安心して使用できる歯磨剤「チェックアップこども500」』もぜひご覧ください。