連日の猛暑(;^_^A
暑さで休みの日は万歩計ほぼ0歩の歯科衛生士Sです。
みなさんは歯医者で治療中に気分が悪くなったり意識を失いかけたりした経験はありますか?
それは「血管迷走神経反射」と呼ばれる歯科治療における偶発症のひとつです。
歯科治療は多くの人にとって緊張や不安を伴うものです。
血管迷走神経反射は、迷走神経が過剰に刺激されることで心拍数と血圧が急激に低下し、一時的な意識喪失を引き起こします。この反射は、痛みや恐怖、不安、疲労などさまざまな要因によって誘発される可能性があります。
今回は、血管迷走神経反射の具体的な原因と症状、そして歯科治療中にこの反射を防ぐための実践的なアドバイスを紹介します。安心して歯科治療を受けるための知識を身につけ、次回の治療に備えましょう。
1. 血管迷走神経反射とは
血管迷走神経反射は、迷走神経の過剰な刺激により、急激な血圧低下と心拍数減少を引き起こし、一時的な意識喪失(失神)をもたらす反応です。副交感神経が強く作用することが原因です。
歯科治療の中で、局所麻酔後に血管迷走神経反射が起こることが多いです。
血管迷走神経反射の主な症状は下記のとおりです。
●めまい
●吐き気
●発汗
●顔色の蒼白
●視界がぼやける
●一時的な意識喪失
2. 歯科治療における血管迷走神経反射の予防法
歯科治療中の血管迷走神経反射を予防するためには、患者さん自身が意識して注意を払うことも重要です。
歯科治療前後に注意すべきことをお話しします。
2-1 事前準備
まずは治療前に注意することについてお話します。
2-1-1 十分な睡眠をとる
前日は十分な睡眠を取り、体調を整えておくことが大切です。疲労が溜まっていると血管迷走神経反射のリスクが高まります。
2-1-2 食事を摂る
空腹状態で治療を受けると、血糖値が低下し、血管迷走神経反射が起こりやすくなります。治療前に軽い食事を摂りましょう。ただし、直前に重い食事を摂るのは避けてください。
2-1-3 リラックスする
治療前にリラックスするための時間を持ちます。深呼吸や瞑想、軽いストレッチなどでリラックス状態を作ると良いでしょう。
2-1―4 水分補給
十分な水分補給を心がけ、体内の水分バランスを保ちます。脱水状態は血管迷走神経反射のリスクを高めます。
2-2 診察中の注意事項
次に診療中に注意することをお話しします。
2-2-1 恐怖や不安を伝える
歯科医師やスタッフに恐怖や不安を感じていることを正直に伝えましょう。適切なサポートを受けることで安心感を得られます。
2-2-2 治療の進行を確認する
治療の内容や手順について事前に詳しく説明を受け、不安を軽減するようにします。治療中も進行状況を確認すると安心です。
2-2-3 適切な体位を保つ
治療中はできるだけリラックスし、体位を安定させます。治療後に急に起き上がることは避け、ゆっくりと体を動かします。
2-2-4 深呼吸を心がける
治療中は深くゆっくりと呼吸をすることでリラックス状態を保ちます。
2-3 診療後の注意事項
最後に診察後の注意事項についてお話します。
2-3-1 ゆっくりと動く
診察台から起き上がる際は、急に立ち上がらず、ゆっくりと動くようにします。急激な体位変化は血管迷走神経反射を引き起こす可能性があります。
2-3-2 適度に休息を取る
診察後はしばらく座って休息を取り、体調が落ち着いてから帰宅します。必要に応じて歯科医院の待合室で休むことも検討しましょう。
2-3-3 水分補給と軽い食事
診察後に水分を補給し、軽い食事を摂ることで体力を回復させます。ただし、歯科医師から、30分飲食を控えるようになど、説明があった場合はそれに従いましょう。特に麻酔処置後は2~3時間感覚が戻りませんので注意してください。
3. まとめ
血管迷走神経反射を防ぐためには、患者さん自身が事前に適切な準備をし、診察中や診察後にも注意を払うことが重要です。恐怖や不安を感じた場合は、遠慮せずに歯科医師やスタッフに相談し、適切なサポートを受けるようにしましょう。健康状態を整え、リラックスして治療を受けることで、血管迷走神経反射のリスクを低減することができます。