入れ歯洗浄剤はどんな洗浄剤でも入れ歯をきれいにできる、と思っていませんか？実は入れ歯洗浄剤にはお使いの入れ歯と相性があるんです。自分の入れ歯の種類を知って、相性の良い入れ歯洗浄剤を正しく使わないと洗浄効果が得られません。それどころか、合わない入れ歯洗浄剤を使ったら入れ歯が早くだめになってしまいます。
この記事では、あなたにあった入れ歯洗浄剤の選び方のポイントと入れ歯別おすすめ入れ歯洗浄剤について解説します。第２章に正し入れ歯の洗浄法を動画で解説していますのでぜひ参考にしてください。
目次
１．入れ歯を清潔に長持ちさせる入れ歯洗浄剤を選ぶポイント
入れ歯を長持ちさせる入れ歯洗浄剤法のポイントは、自分の入れ歯に合った洗浄剤を選ぶことと、正し入れ歯洗浄法で洗浄することです。
ここでは入れ歯の種類別におすすめ入れ歯洗浄剤を紹介します。
１－１自分の入れ歯に合った入れ歯洗浄剤を選ぶポイント
自分の入れ歯に金属は使われていますか？一般的に金属が使われている入れ歯には部分入れ歯用の入れ歯洗浄剤を使います。部分入れ歯用の入れ歯洗浄剤には防錆剤（亜硝酸ナトリウム）が含まれています。もし金属を使った入れ歯にサビの兆候が見られたら、入れ歯洗浄剤があっていない可能性があります。その場合には使用を中止して、かかりつけの歯科医院で相談してみるとよいでしょう。
総入れ歯：歯が１本もない場合の入れ歯（レジン床義歯）
このタイプの入れ歯の入れ歯洗浄剤を選ぶポイントは、入れ歯が大きく、また入れ歯が傷みやすいのでダメージの少ない入れ歯洗浄剤を選ぶ、ということです。
ピカ：ロート製薬 ２８錠＋４包 ９００円
ピカの特徴として酵素系の青ピカ（２８錠）と、漂白効果の高い赤ピカ（４包）の２種類が配合されています。青ピカは酵素系の洗浄剤でたんぱく質を分解し、脱臭、食べかすを分解します。赤ピカはアルカリ成分で漂白・殺菌効果に優れていますが、入れ歯へのダメージが大きいので１週間に１回程度使用します。
金属を使っている入れ歯＆部分入れ歯
このタイプは歯を一部抜いてしまってその後を補うための入れ歯です。一部もしくは大部分に金属の部分があるため、洗浄により金属を錆びたり腐食させない洗浄剤を選ぶ必要があります。
キラリ：ニッシン フィジカルクリーンキラリ錠剤 ３０錠 ８００円
二酸化チタンの効果で入れ歯を洗浄・殺菌します。また入れ歯洗浄剤特有のつんとした刺激臭がありません。金属を使用している入れ歯（特にコバルト、チタン製入れ歯）の洗浄に適しています。
保険適応外のバネのない軟らかい入れ歯（ノンメタルクラスプデンチャー）
このタイプの入れ歯は：バネが見えないように軟らかい樹脂素材を使用しています。ですから１，２の入れ歯洗浄剤を使うと、劣化してしまいますので注意が必要です。
デントパワー：デントパワー ５か月分 ２７００円
義歯性口内炎や口臭の原因となるカビ（カンジタ菌）を除去します。臭いやぬめり、著色も除去します。一般的にバネのない樹脂素材のやわらかい入れ歯専用の洗浄剤は高価なのですが、デントパワーは比較的安価です。
この章のまとめ
以上を図にまとめました
２．正しい入れ歯の洗浄方法
まずは流水下で汚れやぬめりを洗い流してください。基本的に指でOKですが、入れ歯にはへこんでいるところがありますので入れ歯専用の義歯歯ブラシを用いると便利です。金属がある入れ歯の場合には、ピンクのプランスチック部分と金属の境目も洗ってください。最近では泡タイプの洗浄フォームがありますので一緒に使うとより効果的にきれいになります。入れ歯の大きさにもよりますが、洗浄の目安は１分程度です。お口の中に入れる前にしっかり洗浄フォームを洗い流してください。これだけで使っている入れ歯はかなりきれいになります。
３．入れ歯を洗浄するメリットとは？
入れ歯を洗浄すると以下のような大きなメリットがあります。
３－１口臭を防げる
入れ歯のピンク部分の素材には樹脂成分が使われています。この素材は水を吸う性質があり、入れ歯を洗浄していないと内部に菌や汚れが浸透してしまいます。入れ歯洗浄剤で除菌・消臭してあげることでいやなお口の臭いがなくなります。
３－２歯周病になるのを防げる
まだ歯が残っている場合、残された歯の歯みがきも大切です。特に入れ歯をかけている歯の周りには汚れがとてもたまりやすいです。通常の歯ブラシが届かない場合には歯間ブラシやプラウトがを使うと簡単に汚れが取れます。
３－３入れ歯を長持ちさせる
入れ歯を正しく洗浄することで、著色や汚れをつきにくくします。また周りの歯の歯周病を予防します。入れ歯を入れた後で周りの歯を歯周病で失うと、入れ歯の修理、もしくは作り直しが必要になります。正しい洗浄法で洗浄することは入れ歯を長持ちさせることにもつながります。
３－４誤嚥性肺炎を予防できる
毎日お口の中で使う入れ歯におは、思っているよりも汚れや細菌が付着しています。食べ物と一緒にそれらを飲み込むことで、誤嚥性肺炎になる可能性があります。入れ歯を正しく洗浄して清潔に保つことで、誤嚥性肺炎を予防します。
入れ歯の裏側に入り込んだ汚れ（プラーク）
４．間違った入れ歯の洗浄方法ワースト３
CMでよく見るポリデントの販売会社GSKのアンケートでは、入れ歯洗浄剤を使用していない人の６８％が「普通の歯みがきで十分」と回答しているようです。よくやってしまう入れ歯洗浄法ワースト３を紹介します。
４－１普通の歯ブラシで磨いてしまう
普通の歯ブラシを使って入れ歯をゴシゴシ磨くと、入れ歯の表面が傷ついてしまいます。入れ歯の素材は、天然の歯よりも１０倍軟らかくできています。ついてしまった傷の部分に菌や、色素が付着すると、せっかく洗浄しているのに逆効果になってしまいます。
４－２研磨剤入りの歯みがき粉でみがいてしまう
歯みがき粉に含まれている研磨剤を使って入れ歯を磨くと、同様に入れ歯を傷つけてしまいます。一度入れ歯を傷つけてしまうと、歯医者さんで特殊な器具を使って研磨しないと、傷はなくなりません。
４－３お湯で洗う、お湯につける
入れ歯を洗うときは水かぬるま湯で必ず洗浄してください。入れ歯を６０度以上の熱いお湯で洗ったり、消毒すると変形したり、素材の劣化が急速に進んでしまいます。入れ歯は熱湯に弱いんです。
→詳しくは「入れ歯のお手入れ」へ
５．プロにお任せ！歯科医院での入れ歯洗浄
もし自分の入れ歯洗浄法が正しいかどうかわからない、と思う方は歯科医院で洗浄してもらうのもおすすめです。また、入れ歯に歯石という硬い白い汚れがついてしまったら、義歯洗浄剤では落とせません。歯科医院には歯科医師、入れ歯を製作している歯科技工士がいますので、ただ汚れを落とすだけでなく、磨いてピカピカにしてくれます。かかりつけの歯科医院を見つけて定期的にお口の中の検診もしてもらうのもいいでしょう。
６．まとめ
入れ歯洗浄剤の選び方と正しい使い方がおわかりいただけましたでしょうか？毎日お口の中に入れて使っている入れ歯は、正しい洗浄法でメンテナンスしていくことで入れ歯のもちが良くなるだけでなく、健康にもつながりますので、ぜひ大切に使ってあげてください。
