これから歯石を取るあなたに痛みをできるだけ軽減させる方法を教えましょう

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歯石を取る=痛い。多くの方が持っているイメージだと思います。確かに血がたくさん出て、「もう2度と歯石取りなんていやだ!」と痛みを感じる方がいます。その一方で全く痛みを感じることなく、「ああ~気持ちよかった」と思う方がいます。どこに違いがあるのでしょう。痛みの度合いには個人差がありますが、残念ながら歯石を取るのには多少の痛みが伴うことが多いです。
しかし、歯石がついたままの状態で放置してしまうと、ポケットといわれる歯の周りの歯肉が腫れてしまい、ますます痛みをともなうようになります。そして、気がつかない間に歯周病が始まり、進行していきます。歯周病は歯を溶かし、歯がグラグラになってそのうち抜けてしまう怖い病気です。
そんなことにならないためには歯石を取ることがとても大切です。実は歯石を取るときの痛みは少なくさせることが可能なんです。そんな方法をこれからお話ししていきましょう。
 

 1.歯石取りの前にやっておくべきこと

歯石を取るときに痛みが強い場合の多くは、歯肉が炎症を起こしています。見た目には歯と歯肉の間が赤くなり腫れている状態です。そんな状態のところを触れば痛いのは当たり前です。歯石を取る覚悟が出来たらその日から対策をしっかり取ることで感じる痛みが変わってきます。では始めましょう。

1-1 歯肉の炎症を減らす

適切な歯磨きを続けることで歯肉の腫れ、赤みは少なくなってきます。 炎症を起こす原因になるのが歯の周りに残っている「歯垢(プラーク)」です。プラークが無く炎症が無ければ痛みは格段に少なくなりますので歯と歯肉の間を丁寧にやさしく、痛くない程度に良く磨くことを続けます。

バス法で磨こう

歯ブラシを歯と歯肉の間にあてて、歯ブラシの角度を45度に傾けます。毛先で歯肉のマッサージをするように小刻みに動かします。力を入れず、丁寧に動かすことで歯肉の炎症が次第に良くなり、引き締まったピンク色の健康な歯肉へ回復していきます。

歯の磨き方 バス法の画像

 画像:ライオン公式HP

“補足”

プラークは唾液の中のリンやカルシウムなどのミネラルとからみついて徐々に「歯石」に変わっていきます。歯石は表面がザラザラでプラークの中の細菌が住みつき毒素を出します。その毒素が歯肉に炎症を起こし、やがて「歯周病」という、歯を支える骨を溶かし歯がグラグラになって使えなくなる恐ろしい病気につながります。大切な歯を失う原因になるプラークや歯石を歯科医は見逃しません。「歯石を取るなんて聞いてないよ~」と言う場合もあるかと思いますが、必要なことなのです。突然やってくるかもしれないその時に備えて、歯科医院に予約を入れたその時から、常に丁寧なブラッシングを心がけておきましょう。

2.歯石を取る当日にできる事

 歯石を取る予定の日までに歯肉の炎症があまり良くならなかった方。大丈夫です。痛みを軽減させる方法はいろいろあります。

2-1 麻酔の注射をしてもらう

 痛みに敏感な方は施術前に麻酔の注射をしてもらえるかどうか、事前にきいてみましょう。麻酔をすると歯石を取る際の痛みはほとんど感じなくなります。まず「麻酔の注射そのものが痛くてムリ!」と思う方は多いでしょう。でも今は針を打つ場所にあらかじめ表面麻酔をして感覚をなくしてから注射をする歯科医院がほとんどです。針も改良され痛みが少ない物になっています。
麻酔をすることで歯石を取る痛みは感じなくなります。椅子に座ったら「麻酔をお願いします」と言ってみましょう。ただし麻酔をすると唇の感覚が無くなり、うまくうがいや食事が出来なかったり、話がしにくいことがあるのが難点ですが、
23時間で徐々になくなってきます。

※歯科医院によっては1回目の歯石取りの際には麻酔を用いなかったり、自費診療となることがあります。

2-2 超音波スケーラーが痛いなら手用スケーラーに変えてもらう 

超音波スケーラー1の写真超音波スケーラー2の写真

ほとんどの歯科医院では歯石を取るのに「超音波スケーラー」という、先端が振動する機械を使用します。歯にこびりつくように硬く付いている歯石を振動が効率よく砕いて除去しますが、振動そのものが痛みに感じたりします。また、スケーラーの先端は熱を持つので、冷やすために水が出る仕組みになっていますが、歯の根元が知覚過敏などでもともとしみたりすると痛みを感じます。歯は削れませんが強固な歯石を取ろうとしてパワーを強めると、痛みも強く感じます。

 《手用スケーラー》

手用スケーラーの写真

術者が機械を使わず、手で歯石を取る場合使用するのが「手用スケーラー」という専用の器具です。手で取るので、時間がかかったり、歯石の硬さによっては多少力が必要で、間違った使い方をすると、歯の歯質を傷つけてしまい知覚過敏が進んでしまうこともあり、術者の経験が重要になります。自分で歯石を取るのをお勧めできない理由でもあります。超音波スケーラーで試してみて痛いところを手用スケーラーで取ってもらうようにします。術者とは歯科医師や国家資格を持った歯科衛生士のことです。

2-3 上下の2回に分けて歯石を取ってもらう

歯科医院に行くのが久しぶりで、長い間歯石を取ったことが無ければ、大量の歯石が付いていることが予想されます。大量で硬くなった歯石を取るのは、やはり痛みが強いことが多いので、時間と治療費がかかっても良いのであれば、2回に分けて予約をすることをお勧めします。 

“補足”

歯石を取ることは歯周病の治療のひとつとして行ないます。ですから歯石を取る前に様々な検査を行う歯科医院がほとんどです。レントゲンを撮って顎の骨の状態を確認したり、ポケット検査といって歯の周りにある歯肉の溝の深さを測ったりします。どの検査も歯肉や歯石の付着を正しく把握するために欠かせない大切な検査ですが、ポケット検査は目盛りのついた細い器具を歯と歯肉の間に入れながら、その溝の深さを測るので、人によっては「歯石を取るより痛い」と感じる方も多いようです。現在の保険の決まりでは歯石を取るのにはこうした検査をすることが義務づけられており、必要な検査です。「痛いから検査が嫌だ」という場合は保険外の自費で歯石を取ることになります。

3.歯石を取った後の痛みを和らげる

 痛い思いをして歯石を取り、やっと終わったと安心していたら、ズキズキ痛みが出てきた。という患者様がいます。なぜでしょう。原因を探しましょう

3-1 歯が痛いとき

歯石を取った後、歯がズキズキ痛い、水やお茶がしみて痛いなど、歯そのものが痛いなら「知覚過敏」が考えられます。知覚過敏とは歯の根元の象牙質が歯肉から露出してしまうことで、外部からの刺激を痛みとして感じてしまう状態ですが、歯石で覆われていた歯の根元が出てしまうと痛いのです。歯石を取った後の痛みはほとんどが一過性のもので、通常2日から数週間で徐々に改善することが多いです。その間もプラークが残って再び歯石にならないように良く歯磨きをしましょう。

<改善策>
・ぬるま湯で歯を磨く
・知覚過敏用の歯ブラシ、歯磨き粉を使用する 
シュミテクトの商品画像  

画像:公式HP amazon

・歯科医院でしみ止めの薬を塗ってもらう

3-2 歯肉が痛いとき

歯石が歯肉の中についている場合、歯肉は重度に炎症を起こしていることが多く、とても傷がつきやすい状態です。歯石が多く、硬くこびりついていると歯石を取る際、注意しながら取っても、歯肉を傷つけてしまうことがあり、細菌に感染して痛みが出たことが考えられます。歯肉を消毒したり、抗生剤の薬を処方してもらうことで良くなります。早めに歯科医院で相談しましょう。

 <改善策>
・コンクールFなどの洗口剤でうがいし清潔に保つ
・刺激のあるものを食べない

コンクール 商品画像                   

画像:公式HP amazon

4.また「歯石」で痛い思いをしないために

歯磨きをどんなに丁寧にしていても、磨きにくい部位や歯と歯の間のすきまなど、プラークが残りやすい所には歯石が付いてしまいます。残ったプラークはお口の中で約48時間すると歯石になり始めます。歯石を取ってきれいになった日からしっかり対策することで、なるべく歯石を付けないようにします。そのための方法を紹介しましょう。

4-1 歯磨きグッズを活用する

歯並びや口の中に入っている金属、歯と歯の隙間の有無、食べ物の好みなど、口の中に残る汚れは様々です。汚れが残る場所も違い、汚れをきちんと取るには歯ブラシだけでは不十分です。歯石を取るときに痛いのは、歯肉の炎症が強くあり、歯石が硬く大量についている場合が多いのは説明しましたね。その他には、付いている場所によっても痛みが違います。歯と歯肉の間より上についている歯石(縁上歯石)を取るより、歯肉の中に隠れている歯石(縁下歯石)を取るほうが痛みは特に強いのです。歯ブラシの届かない所は歯肉が腫れやすく、歯石が歯肉の中、つまり縁下歯石が溜まりやすいので歯ブラシだけではいけないのです。歯ブラシにプラスしていろいろなグッズを使うことをお勧めします。歯石の原因やためない方が良い理由について、詳しくはこちらの記事を参照してくださ縁上歯石

縁上歯石の画像

縁上歯石

縁下歯石の画像                  

縁下歯石

  • 【写真】『月刊ハイデンタルジーン 「考える衛生士」のための歯周治療レッスンブック』(2012年 医歯薬出版株式会社) 

4-1-1 お勧めの歯磨きグッズ

歯ブラシのほかに何か違うものを使用していますか?一番大切なのはやはり歯ブラシですが、歯ブラシだけでプラークを完全に取り除くのは大変難しい事です。自分には何が必要か歯科医院で相談してみましょう。

    歯間ブラシ ・・歯と歯の間の隙間があれば歯間ブラシを使用します。隙間の大きさにあったサイズを歯科医院で選んでもらい、歯ブラシの届かない歯と歯の間のプラークを取り除きます。

歯間ブラシのイラスト

画像:サンスター公式HP 

    デンタルフロス ・・年齢が若い方、歯が重なっていて歯と歯の間の隙間が無い方や、歯の間に食べたものが挟まってしまうところはデンタルフロスを使用します。

デンタルフロスの使用方法の画像                 

画像:ライオン公式HP

     ワンタフトブラシ ・・歯ブラシで磨いても歯と歯肉の間のプラークが上手く取れない方や、歯並びが悪くて歯ブラシが当てにくい方には最適なブラシです。歯と歯肉の間、歯と歯の間をクルクルと毛先でなぞるように動かすだけでかなりの量のプラークを取り除くことが出来ます。 

シングルタフトの使い方

     歯ブラシ ・・歯磨きの基本は歯ブラシで良く磨くことです。歯ブラシは絶対に欠かせません。先に紹介した3種のグッズを歯ブラシと組み合わせて使っていくのが大切です。歯ブラシはプラークを除去し虫歯を防ぐと同時に歯肉のマッサージをする役割を持っています。プラークがきれいに除去できれば歯石の付着を防げますし、マッサージをすることで歯肉が引き締まり、歯肉の中に歯石が付くことも防ぐことが出来ます。

4-2 定期検診を受ける

歯石は一度取れば終わり。ではありません。取りきれなかったプラークが少しずつ積み重なるように溜まっていきます。歯石は硬くなると取るのに強い力が必要になるので、逆に言えば軟らかいうちに取るようにすればほとんど痛みはありません。歯石の付着の度合いや、歯周病の進行度、ブラッシングの様子などによって、3か月~半年、長くても一年に一度は定期検診を受けて、歯石を取りましょう。

5.まとめ

 最初に歯石を取って「痛かった、2度と嫌だ」と思う人「あ~気持ちよかった」と思う人。この違いがどこから来るのかおわかりいただけましたか?久しぶりの歯医者で初めて歯石を取る場合は、歯石も硬く、縁下歯石もたくさん付いていて、歯肉の炎症も強い状態。最初の歯石を取るときは緊張もあって痛みも強く感じる事でしょう。でもその後は、日ごろの歯磨きや心がけ次第でお口の中の状態が改善し、2回目の歯石を取るときには痛みを感じないかもしれません。歯石を取った後が大切です。上手に歯磨きグッズを組み合わせ健康なお口の状態を手に入れましょう。

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